宇宙と不安
この詩は深いことを言っているようで、オチを見るとわかりますが、シュールギャグみたいな詩です。
宇宙の広さはとんでもない
わたしたちはなんという、ちっぽけな存在だろう
地球はこんなにも広大なのに
太陽の数分の一しかないだなんて
ああ、それを聞かされても
まったくぴんとこないのだ
なぜかって?
自分の手で計れないものを、どう実感すればいいと言うんだ!
知識では太陽は大きい、宇宙は広いと知っているだけ
それらの意味なんて、小さなわたしにはわかりっこない
ああ、なんて大きいんだ!
宇宙はあまりに広大無辺で
なのにあまりに無機質で不気味だ
こんな暗闇が、わたしたちの世界を取り囲んでいるだなんて
まったく、冗談ではない!
いつあの暗闇が、わたしたちの頭上に落ちてきて
地球を押しつぶしてしまうかわからない
この宇宙に神はいないのか
ああ、この不気味な宇宙の中に
わたしたちが生きているだなんて
世界は不思議に満ちていると同時に
まったく不条理で、理解しがたいものに思える
神秘と言えば聞こえはいいが
未知の定めが世界を縛りつけ
わたしたちはその檻に
囚われの身となっているだけではないのか
隕石や異星人、太陽フレア──
もうわけがわからない
こんなにも世界が危険に満ちているなんて
わたしがビルを建てても
地震や隕石で崩壊するかもしれないなんて
こんな危険な場所に住みつづけているなんて!
けれどもほかに行く場所もない
危険って、なにも空からくるだけとも限らない
身近な危険は山のようにあり
確率から言えば、そちらのほうが危険だとも言う
ああ、ああ、わけがわからない
どこへ行っても危険ばかり
わたしは翻筋斗うって、首の骨を折った
宇宙は危険に満ちている……




