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ある娘
ある不思議な少女のお話。
あの娘はとても強かった
健やかに育ち
変に曲がったところなく
芽吹いた若芽が
すくすくと日の光を浴びて育ち
大樹の日陰にも
雑草のざわめきにも
まったく怯むことなく
すくすくと おのれの気持ちの向くままに
大きく育ったみたいに
あの娘はとても美しかった
きれいな心 繊細な感性
正しさも 過ちも
彼女の前では恥じらって
物陰に隠れてしまうだろう
純粋で 無垢で 大胆で 陽気で
まるで太陽のように
まわりのものを照らしている
あの娘の視線も 口からもれる吐息にさえ
人の心を健やかにする
魔法の力が宿っているみたいに
純真な心もつ彼女に 肩をたたかれ
挨拶の言葉をかけられるだけで
多くのものが つられて笑顔になる
あの娘の歩いたあとには
美しい花と
陽気な太陽の足跡が
どこまでもつづいている




