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雷霆(らいてい)
見たまえ、あの空を埋め尽くす分厚い雲を
不吉な色を湛えた あの空の様子を
天は怒り狂っているのか?
すさまじい稲光と雷鳴
空を走る雷電が まるで無数の蛇のごとく
空を駆け抜ける
空がひび割れて、光の血を迸らせている
悪夢のごとき 自然の猛威
黒い雲が渦を巻いて 空に広がり 激しく大地を威嚇する
光と轟音とで 小さきものを震え上がらせる
青白い筋が 天より大地に渡されて
雷鳴とどろく 天と地の狭間
激しい戦いの合図のように
振り下ろされる 雷の旗音
光が集いし叢雲の 輝き轟く 天理の支配
閃光と轟音が世界を包む
大気を震わす 雷の咆哮
その足下で
小さな我々は 膝を抱えて
子供のように震えているだけ
なす術もなく
天の怒りが鎮まるのを 待っている




