★先達に学ぶ⑤「ヘルマン・ヘッセ」☆
海外の作家で私が一番好きな文学作品を書いている作家。
戦争に対しても反戦思想を貫いた、人類愛の人です。
ドイツの作家であり、数々の名著を残している人物。
『車輪の下』『デミアン』『荒野のおおかみ』など、どれもすばらしい文学作品です。
「詩人になれないなら、ぼくはなんにもなりたくない!」という強い意志で飛び出していったとか。
強い情熱を持った知的な人だった、というのがうかがわれます。
詩は外国の方なので、訳者によって詩の印象ががらりと変わることもあるでしょう。それに難しい表現の詩が多いこともあり、取っつきにくいと思うかもしれません。
さっと表面を読んだだけではわからない内容の詩も、その意味を汲み取ろうと考えて読めば、すぐにその内的な、言葉の奥にある意味について理解できるでしょう。
多くは人生の悲哀や、困難さ。人間の孤独感などを歌ったものが多く、内省的な作品が多いのは、文学作品にも共通しているところでしょう。
最後に『本』という詩を紹介したい。
「 この世の中の本は みんな
きみに 幸福をもたらしはしない
だが 彼らはこっそりと きみが
きみ自身のなかへ帰るのを 教えている
そこには きみに必要なすべてがある
太陽 星 そして 月
なぜなら きみが求めている光は
きみ自身のなかに住んでいるのだから
きみがながいあいだ
書架のなかで探していた英知は
いまや すべてのページから 輝きでるのだ──
なぜなら 英知は いまは きみのものであるから」
(片山敏彦・星野慎一 訳)




