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民主思想の誤り
民主、民主と訴えるが
半々の物別れになって
わずかでも 数の多かったほうが
正しいのだと言い出せば
それは 間違いでしかない
半数近くの 反対票は
無価値なのではないし
仮にそれが 五分の一しかなくとも
そうした意見について
耳を貸さないとなれば
必ず禍根を生むものだ
数の多さで 大まかな方向性が決められても
数の少ないものが 消えるわけではない
数少ない意見にも
注意深く 思慮深くあることが
民主主義の 本当の
正しいありようなのではないか
民の意思を一部でも 反映できないのなら
それは結局、矛盾をもたらし
軋轢を生むだろう
よりよい民主主義とは
多彩な意見の集まりであって
相互の理解と 納得を求めて
話し合われることに あるのではないか
多数の民衆が群れをなし
少数の民衆を虐げ、排除するのなら
それは少数の者にとって
強権的な暴君による 圧政と
何が違うと言うのか
他者を思わぬ知性とは
独り善がりの 妄想と変わらない




