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詩集 ~世界とわたしと、人々と~  作者: 荒野ヒロ


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方言を馬鹿にせしものに

ある芸能人の体験談を聞いて詩に。

 方言を口にしうるなと


 いかにも都会のものが 醜く語る


 正しき言葉を使えと のたまいしは


 やつらの心の醜さの表れなりや


 自らが正しく 上等なると


 思い違いもはなはだし




 やつらが遊覧に訪れた地で


 恐るべき自然の白闇に捕われ


 白きねやに沈めばいい


 おまえのその奥津城おくつき


 線香がわりに


 小便をくれてやろう










 * * * * *


 なにやら雅語がごなどを用いて仰々(ぎょうぎょう)しく言っていますが、要約すると「方言を馬鹿にするような(日本の奥深い言語のあり方がわからぬ)奴は、都会を離れた自然の厳しい場所で吹雪きにい、雪に埋もれて死んでしまえ、おまえの(墓所の)上に降り積もった雪の上に、小便をかけてやる」と言っております。

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