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詩集 ~世界とわたしと、人々と~  作者: 荒野ヒロ


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野生と精神性

 野生に生きる生き物はすごい


 それは何も虎や獅子、わにや象のことではない


 近所に住む野良猫でも同じだ


 彼らは捕まえた獲物をそのまま食べる


 中には内臓を食べる獣もいるけれど


 猫がねずみを食べるとき


 彼らは鼠を丸呑みするのだ


 火も通さず 調理もせず 味付けもせずに


 なんという頑丈なのどと胃


 毛むくじゃらの鼠を飲み込むなんて


 我々には想像もできない苦行ではないか


 そこら辺をかけずり回っていた鼠を生のまま


 それを口にしたら──


 病気にかかり


 腹痛に苦しむか


 へたをすれば死んでしまう




 野生に生きる生き物とは


 なんて強靭で頑丈なのだろう


 それに比べて我々はなんと脆弱ぜいじゃくなのか


 オリンピックで競い合うアスリート


 彼らは我々の中では


 優れた身体能力を持つ人物に違いない


 しかし野生の世界


 野性が君臨する世界ではどうだろう


 たとえ彼らが優れたアスリートであっても


 人類などは


 野性を鍛え上げた彼らには


 遠くおよばない




 なぜ我々はここまで脆弱になってしまったのか?


 それは我々が()()ではなく


 ()()を手に入れたからではないか


 肉体的には弱く、もろく、脆弱な生き物になったが


 ()()()を持ち、繊細で、優れた技術を持つようになった


 その指先から その口から その思考から


 あらゆる自然界にないものを生み出し


 我々は動物にはない生態系を手にしたのだ


 それが精神性


 野性とは正反対の魂のあり方




 だからこそ我々は


 理性を軽んじてはならないのだ


 理性をなくせば


 我々は獣(畜生)に堕することになるだろう


 理性的で 清く 正しく


 そうあるべきなのだ


 人間であるために


 そう、人間であるために

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