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愛しい痛み
その痛みが わたしを強くする
わたしの恋しい痛みよ
おまえの与える傷口
傷から流れる血にさえ
わたしは感慨を覚える
この痛み! この苦悩!
体が傷つく痛みも
心を切り裂く痛みも
ああ、なんと甘美な苦痛と苦悩
その傷口に口づけしよう!
苦痛と苦悩が わたしを強くし
さらなる高みに わたしを上らせる
弱い者は 人を傷つけ喜ぶだろう
ああ、愚かな!
強者となる道を捨て
苦痛から逃げ去る 惰弱な魂!
痛みに耐えられぬ
苦悩に苛まれる
そんな弱い心で
価値あるものを つかめると思うのか
世界の理を知らぬ
未熟な魂で さまよいつづけるだけ
その命の尽きるまで!
痛みとか苦しいことからは逃げ出したくなるもの。
でもそれらがなければ救われるのかは疑問。




