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みずき台本置き場  作者: みずき
8/11

『空と紫苑』1:1

空と紫苑



桐島蒼楽キリシマ ソラ …♂

真田詩音サナダ シオン …♀




屋上に詩音と蒼楽が二人でいる。詩音は顔を赤らめて何かを伝えようとしていた。二人ともガチガチに緊張している。


詩音「あの!」


蒼楽「は、はい!」


詩音「あの……えっと……」


蒼楽「う、うん……」


詩音「その……あの……えっと………あの……(既に泣きそう)」


蒼楽「お、落ち着いて……取り敢えず深呼吸しよう」


詩音「は、はい……(深呼吸)」


蒼楽「……」


詩音「き、桐島さん!……いきなり呼び出してごめんなさい……私……あなたの事が……」


蒼楽「……」


詩音「あなたの事が……」



蒼楽「……(ゴクリ)」


詩音「うっ……(急に泣き出す)」


蒼楽「え?ちょ、な、なんで泣くの!?」


詩音「ごめんなさい……ヒック……」


蒼楽「あぁ……ハンカチ、使う?」


詩音「……ありがとう……ございます……あれ……?」


蒼楽「えっと、どうしたの?」


詩音「…………」


詩音「……」


詩音「あなたは…………誰ですか?」


蒼楽「…………え?」



蒼楽M「毎日が退屈だった。病室の窓から外を眺めると、近くに高校があるのか、いつも朝と夕方には制服姿の男女が、ワイワイ騒ぎながら歩いて来る。その光景を見るたび、自然と口から『羨ましいなぁ……』と言葉が漏れた。いつか僕も学校に通って、あんな風に青春を謳歌したい。そう願いながら、何年も何年も退屈な人生を過ごしてきた。そして、とうとう僕の願いは叶った」


詩音「……あれ、私、何で泣いてるんだろ」


蒼楽「えっと……真田さん?」


詩音「あ、ご、ごめんなさい!えっと、私達、知り合いなんですよね?覚えてます!覚えてますよ……」


蒼楽「ま、まぁ、知り合いって言っても、ちゃんと話すのは今日が始めてだけど……」


詩音「そ、そうなんですか?」


蒼楽「うん、でも、真田さんが僕をここに呼び出したんだよ?屋上に来てくださいって、手紙で」


詩音「あっ、そうですよね!アハハハハ……」


蒼楽「大丈夫?」


詩音「は、はい!大丈夫です!」


蒼楽「ならいいけど……本当に大丈夫?」


詩音「本当に大丈夫ですから!!……ご、ごめんなさい、気にしないでください!その、だ、大丈夫ですからぁぁぁぁぁ!!(走って逃げる)」


蒼楽「ちょっと、真田さん!?いったい……何だったんだ?」


その場に座り込む蒼楽。


蒼楽「はぁ……」



蒼楽M「高校生活を全力で楽しむ為にはまず、恋人を作らなければ。真田詩音に出会ったのは、まさにそんな事を考えていた時だった」


回想。高校入学から一週間。


詩音「あのぉ、ハンカチ落としましたよ?」


蒼楽「あ、す、すみません……」


詩音「いえいえ(笑顔)」


蒼楽「……っ」


顔を赤らめる蒼楽。


詩音「あの、大丈夫ですか?」


蒼楽「は、はい!大丈夫、です……」


詩音「じゃあ、私は行きますね」


蒼楽「あ、あの!!」


詩音「はい?」


蒼楽「え、えっと……いきなりこんな事言って、凄く困ると思うんですけど……僕は君の事を……好きになってしまいました!僕と付き合ってください!!」


沈黙。


詩音「え……えぇ!?」


蒼楽「……あぁ、やっぱり、駄目ですよね……いきなりこんな事言って……ごめんなさい」


詩音「あ、あの……いや、私、あんまりこういう経験がなくて……その……なんて言えばいいか……うぅっ……(涙ぐむ)」


蒼楽「え……?」


詩音「(泣くのを我慢している)」


蒼楽「あの……ご、ごめん……ちょっと、泣かないで!」


詩音「うぅ……(今にも涙がこぼれそう)」


蒼楽「あの、良かったら、ハンカチ使う?……あ、でもこれ、さっき落とした奴だ……えっと……」


詩音「ご、ごめんなさい!(逃げるように走っていく)」


蒼楽「あ、ちょっと!!」


詩音はもう見えなくなっていた。


蒼楽「……今のごめんなさいって、振られたって事……だよね?……あははは……はぁ……高校生活、初っ端から失恋……まぁ、現実はそんなに甘くないよね……」


詩音M「ご、ごめんなさい!」


蒼楽「ごめんなさい……か……泣きたいのはこっちだよ……はぁ」



回想終わり。


蒼楽「はぁ……あんなにインパクトある出会い方をしたのに、覚えられてもいないなんて……ってきり今度は真田さんの方から告白してくれるんじゃないかと思って、ちょっとだけ期待してたのになぁ……ってか、僕の事を本当に覚えてないなら、本当に何の用で呼ばれたんだろ……うーん」


蒼楽M「なぞは深まるばかりだった……」


次の日。


詩音「……」


蒼楽「あの、今日はどういったご用件でしょう」


詩音「昨日は、本当にごめんなさい!」


蒼楽「え?」


詩音「ちょっと私、混乱してて……私から呼び出しておいて、あんな逃げるような感じになっちゃって……」


蒼楽「いや、全然気にしてないから、大丈夫だよ?」


詩音「……私、桐島さんとお話したの……多分、昨日が初めてじゃないんですよね?」


蒼楽「え?」


詩音「いや……間違ってたらごめんなさい。なんとなくそんな気がして」


蒼楽「えっと……まぁ、初めてじゃないと言えば、そうだけど……」


詩音「私、たまに物凄く忘れっぽい事があって……良ければ、私に桐島さんの事、教えて貰えないですか?」


蒼楽「僕の事?」


詩音「はい……私、桐島さんと、凄く大切な話をしてた気がして……でも、全然覚えてなくて。私と桐島さんは、どんな関係だったのかな~……とか、想い出したくても想い出せません。だから、教えてくれませんか?」


蒼楽「い、いや……えっと、本当に忘れたの?」


詩音「はい……ごめんなさい」


蒼楽「……」


詩音「あの……もしかして……告白とか……したのかなって」


蒼楽「えっ、えぇ!?」


詩音「その反応は……やっぱり、告白したんですね…………私」


蒼楽「……え?えぇ!?」


詩音「それで私……振られて……」


蒼楽「あ、あのぉ……」


詩音「私、桐島さんに告白したんですよね?」


蒼楽「あぁ……そ、そうなんだよ~」


詩音「や、やっぱり……そんな大切な事を忘れるなんて……私本当に最低だ」


蒼楽「でさぁ……もしよかったらなんだけど~やっぱり、僕達付き合わないかな?……なんて……」


詩音「え?」


蒼楽「いや、あの時は振ってしまったけど、やっぱり真田さんの事、好きだな~って思ったから……」


詩音「……」


詩音「私……私なんかで良ければ……よ、よろしくお願いします!」


蒼楽「え?いいの?本当にいいの?」


詩音「……はい」


蒼楽「……はぁっ!!!よ、よろしく!真田さん!」


詩音「(恥ずかしそうに笑う)」


そして夏が来る。


詩音「蒼楽君、おはよ!」


蒼楽「おはよ、詩音」


詩音「大分暑くなって来たね」


蒼楽「夏だからね~」


詩音「夏かぁ~ねえ、来週お祭りに行かない?」


蒼楽「お祭り……?行く、行きたい!僕、お祭りって行った事ないから、行きたかったんだよね!」


詩音「一度もないの?」


蒼楽「うん。僕、病気がちで、ずっと入院してて、そう言う季節の行事ごととか、イベントとか、殆ど行った事ないんだ~」


詩音「そうだったんだ……」


蒼楽「だから、高校に行けるってなった時に決めたの。今まで経験できなかった分、沢山楽しいことするんだって!」


詩音「じゃあ楽しい事、他にも沢山しよ!夏はお祭りに行って、秋は美味しいもの沢山食べて、冬はクリスマスを一緒に祝って」


蒼楽「それで、春は満開の桜を一緒に見たい!」


詩音「うん!来年は桜、一緒に見よ!」


蒼楽「来年……?」


詩音「うん、来年!」


蒼楽「来年……そっか……」


詩音「ん?どうしたの?」


蒼楽「いや、何でもないよ!……うん、そうだね。来年、一緒に桜を見よう」


詩音「うん!約束!」


蒼楽「う、うん……でも、まずはお祭りだね!今から凄く楽しみだよ!」


詩音「うん!浴衣、新しいの買わなきゃ!」


蒼楽「……」


詩音「蒼楽君?」


蒼楽「僕も、浴衣着て行こうかな。折角だし!」


詩音「うん!そうしよ!絶対に似合うよ!蒼楽君だったら絶対!」


蒼楽「詩音の浴衣姿も楽しみだなぁ~絶対可愛いよ!うん、可愛いに決まってる!詩音の浴衣姿は世界一ぃ!」


詩音「もう、ばかっ~!」


蒼楽・詩音「(笑い合う)」


夏祭り。


詩音「蒼楽君!お待たせ!」


蒼楽「あ……」


詩音「蒼楽君の浴衣いいね!カッコいい!凄く似合ってる!」


蒼楽「天使……」


詩音「え?」


蒼楽「天使だよ!凄く可愛い!」


詩音「そ、そうかな?蒼楽君にそう言って貰えたなら、頑張って着て来た甲斐があった!」


蒼楽「じゃあ、行こうか!」


詩音「うん!」


蒼楽M「金魚すくい、射的、祭りくじ……全部が初めてで、全部が楽しかった」


詩音「ねえ、焼きそば食べたい!」


蒼楽「じゃあ、食べよっか!」


詩音「うん!」


蒼楽「すみません!焼きそば二つください!」


詩音「お祭りの焼きそばって、なんでか普段食べる焼きそばより、三十倍は美味しく感じるんだよね~」


蒼楽「そうなんだ!それは楽しみだなぁ~」


詩音「もう普通の焼きそばじゃ、満足できなくなるよ~!そしたら、蒼楽君は毎年、私とお祭りに行きたくなっちゃうね!」


蒼楽「焼きそばがなくても、僕は毎年詩音とお祭りに行きたいけど?」


詩音「……えへへ。私も、蒼楽君とまたお祭りに行きたい!だから……私の前から急にいなくなったりしないでね?」


蒼楽「え?」


詩音「なんとなく、蒼楽君がいきなり、何処かに行っちゃう気がして……」


蒼楽「……」


詩音「どこにも……行かないよね?」


蒼楽「……うん(目を逸らしながら)」


詩音「あ、蒼楽君!もうすぐ花火始まるよ!行こ!」


蒼楽「ちょっ!」


詩音「ほら!早く!(手を引く)」


蒼楽「焼きそば!まだ貰ってないから!!ちょっと、詩音!!」



蒼楽M「『最後の思いで作りだよ』ふと、医者に言われた言葉を想い出す……」


詩音「花火打ち上げまで、後1分!」


蒼楽「……」


詩音「後30秒」


蒼楽「……」


詩音「3、2、1……」


蒼楽「……」


花火が始まる。それを並んで見つめる詩音と蒼楽。


詩音「わぁ~綺麗……」


蒼楽「うん、綺麗!」


詩音「……」


蒼楽「……」


詩音「……今日のお祭りの事、忘れたくないなぁ~」


蒼楽「……」


詩音「忘れたくない……忘れない」


蒼楽「……うん」


詩音「蒼楽君……」


蒼楽「ん?」


詩音「……(蒼楽の顔をじっと目に焼き付ける)」


蒼楽「ど、どうしたの?そんなにじっと見つめて」


詩音「……えいっ!(蒼楽のほっぺにキスをする)」


蒼楽「なっ……!?」


詩音が恥ずかしがりながら。


詩音「えへへ……うん!これで忘れない!忘れない……忘れない」


蒼楽「詩音?」


最後にひときわ大きな花火が打ちあがる。


詩音「あっ!蒼楽君の事見てたら、花火終わっちゃった!」


蒼楽「ぷっ!(笑う)……帰ろうか」


詩音「うん、そうだね」



蒼楽「また絵を描いてるの?」


詩音「うん」


蒼楽「本当に好きなんだね。絵を描くの」


詩音「うん!」


蒼楽「何描いてるの?」


詩音「な……内緒!」


蒼楽「ケチ……」


詩音「えへへ……いつか、見せるから」


蒼楽「いつか……ね。出来れば早めに見せてね!」


詩音「うん……蒼楽君に見せられるような、スッゴイ絵を描くから……待ってて!」


蒼楽「うん!」



蒼楽M「僕達は毎日のように遊んだ。海に行ったり、遊園地に行ったり、公園のベンチで話したり、ピクニックをしたり、詩音の家に遊びに行ったり……毎日が楽しかった」


詩音「蒼楽君!今日はどこに行く?」


蒼楽M「でも……詩音と一緒にいて」


詩音「睨めっこしましょ、アップップ~!……ぷっ……アハハハハハ!何その顔!」


蒼楽M「詩音との距離が近くなればなる程」


詩音「蒼楽君!お弁当作って来たよ~この卵焼きは自信作!」


蒼楽M「僕の罪悪感は大きくなっていく」


詩音「蒼楽君……大好きだよ」


蒼楽M「このままではいけない」


詩音「急に私の前から……いなくならないでね」


蒼楽M「このまま、彼女と幸せな思い出を作り続けたら……彼女はきっと」


詩音「蒼楽君?どうしたの?急に……」


蒼楽M「今よりももっと、辛い思いをする事になるから……」


詩音「えっと?なんのごめんなさい?」


蒼楽M「僕は詩音の事が好きだ」


詩音「蒼楽君?」


蒼楽M「大好きだ。本当に好きになってしまった……」


詩音「ごめんなさいじゃ……分からないよ?」


蒼楽M「だから、だからこそ……終わりにしないと」


詩音「蒼楽君?」


蒼楽M「一生分の幸せを貰ったから……」


詩音「……蒼楽君」


蒼楽M「もう夢から覚めないと……」



蒼楽「僕と、別れて欲しいんだ」


詩音「え……」


蒼楽「僕、他に好きな人が出来ちゃって……だから、僕と別れて欲しい」


詩音「蒼楽君……」


蒼楽「……ごめん」


詩音「蒼楽君は……私の事、嫌いになっちゃったの?」


蒼楽「……っ!」


詩音「私……まだ、蒼楽君と桜見てないよ?冬はクリスマスを祝って、秋は美味しい物を沢山食べるんだって……約束したのに(涙を堪える)」


蒼楽「ごめん……そんな約束、忘れちゃった」


詩音「……っ!?(我慢できず涙がこぼれる)」


蒼楽「僕と、別れてください」


詩音「……うぅ……っく……(泣く)」


蒼楽「……」


詩音「……あれ……?…………あなたは」


蒼楽「……」


詩音「あなたは……誰ですか?」


蒼楽「……え?」


詩音「……あ、ご、ごめんなさい!私達、知り合いなんですよね……私また(涙を拭きながら)」


蒼楽「そうだよね……僕達は今日から他人だ……うん、僕も君の事は忘れるよ」


詩音「あの!私達、付き合っていたんですか?」


蒼楽「……」


詩音「変な事を聞いてるのは分かってます……でも、私……」


蒼楽「……っ!」


詩音「あの、私……」


蒼楽「僕達は……付き合ってなんかなかったし、話すのも今日が初めてだよ。じゃあね(詩音に背を向けて去って行く)」


詩音「……」



放課後。帰ろうとする蒼楽を追いかけて詩音が走ってくる。


詩音「桐島さん!」


蒼楽「!?(振り返る)……どう、したんですか?真田さん」


詩音「あの……今日、私と一緒に帰ってくれませんか?」


蒼楽「どうして?」


詩音「少し……話したい事があって……」


蒼楽「ごめん……僕にはない」


詩音「桐島さん……」


蒼楽「じゃあ、さようなら……」


詩音「記憶が無くなるんです!」


蒼楽「え?」


詩音「私……小さい頃に、両親を事故で無くした……らしいんです」


蒼楽「らしい?」


詩音「覚えてないんです……」


蒼楽「え?」


詩音「全部、お医者さんに聞いた話です……私は両親の顔すら覚えてません」


蒼楽「覚えて……ない?」


詩音「両親の事がトラウマで……私……涙を流すと、その原因になった記憶を忘れちゃうんです……」


蒼楽「っ!?」


詩音の言葉を思い出す。


詩音M「私、たまに物凄く忘れっぽいことがあって」


詩音M「私の前から急にいなくなったりしないでね?」


詩音M「……今日のお祭りの事、忘れたくないなぁ~」


詩音M「あなたは……誰ですか?」



蒼楽「……本当に、僕の事……」


詩音「人がなんで涙を流すか……知ってますか?」


蒼楽「え?」


詩音「人は強いストレスを感じると、涙を流す事で、そのストレスを体外に出すらしいんです……私は涙を流すことで、ストレスと一緒に、そのストレスの原因となった記憶まで、一緒に流してしまうみたいで……前に屋上にいた時、私泣いてしまったから……だから、桐島さんの事は本当に覚えていません」


蒼楽「……」


詩音「って、こんな事いきなり言われても困りますよね。ごめんなさい……」


蒼楽「……いや、僕の方こそごめんなさい。僕、真田さんの言葉を全然信じてなかった……ごめん」


詩音「いえ、当然だと思います……誰だって信じないですよ」


蒼楽「……」


詩音「きっとあの日、私は、桐島さんに振られちゃって、泣いちゃったのかなって、予想はついてます。そんな中で、あなたの事なんて全部忘れました~なんて言っても……強がりにしか思えませんよね」


蒼楽「……ごめん」


詩音「謝らないでください。っていうか、私の方こそ、ごめんなさい……忘れられるって、凄く辛い事だと思います」


蒼楽「……」


詩音「私達……付き合っていたんですよね?」


蒼楽「……」


詩音「スケッチブックの絵……桐島さんと一緒にいる景色ばかりだったから」


蒼楽「……」


詩音「……ごめんなさい」



蒼楽「涙を流したら……また僕の事は忘れるの?」


詩音「その涙の原因が、桐島さんにあるなら……」


蒼楽「……そっか」


詩音「で、でも、忘れたくないんです!私は……桐島さんの事が」


蒼楽「(被せて)忘れて!」


詩音「え?」


蒼楽「出来ればまた、僕の事は忘れて欲しい……もう僕を忘れた事に、罪悪感なんて覚えなくていいから、僕の事は……忘れて……(徐々に胸が苦しくなる)」


詩音「そんな……そんな事」


蒼楽「お願い……出来れば、僕が描かれた絵って言うのも……捨てて欲しい(胸が苦しく、呼吸が徐々に上がる)」


詩音「私、記憶は無くなっても、桐島さんの事」


蒼楽「(被せ)真田さん!!」


詩音「っ!?」


蒼楽「僕は……もう……そんなに長く……君と一緒にいられない、から……」


詩音「え?」


蒼楽「僕は……君を不幸にする……だから……だから……」


詩音「桐島さん……?どうしたんですか?どこか辛いんですか?」


蒼楽「真田……さん……僕の事は……もう……忘れ……て(倒れこむ)」


詩音「桐島さん?桐島さん!桐島さん!!」



病室。


蒼楽「……んん……ここは」


詩音「あっ!目が覚めたんですね!」


蒼楽「……」


詩音「今、先生を呼びます!」


蒼楽「……ありがとう」


詩音「あの……私、真田詩音って言います」


蒼楽「あぁ……初めまして……僕は、桐島蒼楽です」


詩音「……」


蒼楽「ん?どうしたの?」


詩音「私達は……初対面じゃないです」


蒼楽「……スケッチブック、見た?」


詩音「いえ……見てません」


蒼楽「じゃあ、なんで初対面じゃないって言えるの?涙が出ると、記憶を失くすって……」


詩音「そんな事まで私……桐島さんに話してたんですね。誰にも話した事なんてないって思ってたのに」


蒼楽「……」


詩音「確かに……桐島さんとの記憶はもうありません……多分桐島さんが倒れる直前まで、お話してたんだと思うんですけど……もう、桐島さんがどんな人で、どんな話をしてたか、覚えていません……今でも、ちょっと人見知りしそうなくらいです」


蒼楽「じゃあ、なんで……」


詩音「確かに、私は記憶を失くします……でも、心が覚えてるんです。桐島さんが大切な人だって……この人は忘れちゃいけない人なんだって」


蒼楽「……」


詩音「……お医者さんに病気の事、聞いてしまいました」


蒼楽「……え?」


詩音「詳しく聞いた訳じゃないんですけど……でも、その……(言い淀む)」


蒼楽「そっか……」


詩音「……」


蒼楽「僕、今年高校に通うのは、無理だって言われてたんだ。でも、急に病院の先生が、学校に通ってもいいって言ったの……一年だけ、思いっきり青春を謳歌しなさいって……最後の青春になるからって……なんとなく、それがどういう意味か、僕には分かってた……最初は凄く辛くて、不安で、でも……一生分の青春をこの一年で味わうんだって決めて、高校に入学した。まずは友達を作るのに必死だった……恋人も欲しかった。そんな時、真田さんに会ったんだ」


詩音「……」


蒼楽「今告白しないと後悔するって思って、初対面なのにいきなり告白して、それで案の定振られて……でも、一か月後、今度は真田さんの方から呼び出されたんだ……初めは告白されるのかなって期待してたんだけど、違って……その時も、真田さんは泣いちゃったんだ。それで、僕の事を忘れて……で、ちょっとズルをして、僕は真田さんと付き合う事になった。今思い返しても、最低だったなって思う」


詩音「そんな事無いですよ……きっとその時から、私は桐島さんの事が……好きだったと思いますから」


蒼楽「楽しい夏を過ごした……お祭りに行ったり、海に行ったり、ピクニックしたり、真田さんの家に行ったり……一生分の幸せを味わった……でも、幸せな記憶を作っていくたび、罪悪感を感じるようになった……僕は……自分が最後に幸せだったと思えるように、真田さんを……詩音を利用してたんだ……残される詩音の気持ちも考えないで……僕は……本当に最低だ」


詩音「……」


蒼楽「本当に、ごめんなさい」


詩音「……」


蒼楽「……」


詩音「私の事……利用してたんですか?」


蒼楽「……ごめん」


詩音「……」


蒼楽「……」


詩音「……じゃあ、最後まで私の事、利用してください」


蒼楽「え?」


詩音「私は、涙を流すと記憶をなくします。桐島さんがいなくなったら私、絶対に泣いちゃいますよ……私は桐島さんがいなくなったら、すっぱりあなたの事を忘れられます!だから……最後まで、そばに置いてくれませんか?」


蒼楽「そんな……それじゃあ、あまりにも詩音が……そんな事出来ない」


詩音「勘違いしないでください。私が桐島さんと一緒にいたいから……どんなに自分にとって不条理でも、耐えられるんですよ?私は、桐島さんが……蒼楽君が大好きだから」


蒼楽「……詩音……くっ!(涙を流す)」


詩音「私が蒼楽君を忘れるのは、あと一回だけにするから……だから、最後まで一緒にいよ?」


蒼楽「……(声を殺して泣く)」


詩音が優しく蒼楽の頭を抱く。


詩音「大丈夫だよ。私がいるから……もう、一人にしないから」


詩音の腕の中で蒼楽は声を殺して泣き続けた。



詩音「蒼楽君!クリスマス、欲しい物とかある?プレゼント交換しよ!」


蒼楽「プレゼント交換?う~ん、なんだろ」


詩音「何でもいいよ~あんまし高い物は買えないかもだけど」


蒼楽「あ……一つ欲しい物がある」


詩音「え?なになに?」


蒼楽「詩音の描いた絵」


詩音「え?私の……絵?」


蒼楽「僕、詩音の描いた絵、見た事無いからさ」


詩音「あれ?そうなんだ……う~ん、分かった!でも、そんなのでいいの?」


蒼楽「いや、”それが”いいんだ」


詩音「……そっか。じゃあ、蒼楽君に見せられるような、スッゴイ絵を描くから……待ってて!」


蒼楽「うん!(小さく笑う)」


詩音「楽しみだね、クリスマス」


蒼楽「うん、そうだね」


詩音「……」


蒼楽「……」


詩音「ねえ、蒼楽君……」


蒼楽「ん?」


詩音「大好きだよ」


蒼楽「え、どうしたの?急に……」


詩音「えへへ……蒼楽君は?」


蒼楽「えっと、僕も……す、すき……だよ?」


詩音「……」


蒼楽「あぁ……なんか、今凄い恥ずかしい」


詩音「……っ!……あっ、やばい!ごめん!ちょっと待ってて!!(急いで病室を出る)」


蒼楽「え?ちょっと、詩音?」



詩音「落ち着け……落ち着け……泣いちゃダメだ……絶対に泣かない……落ち着け、落ち着け、落ち着け……」


詩音「(呼吸を整える)はぁ……よし!」


病室に戻る詩音。


蒼楽「おかえり、詩音!(笑顔)」


詩音M「この笑顔を忘れたくない」


蒼楽「詩音?」


詩音M「この声を忘れたくない」


蒼楽「どうしたの?元気ないけど……」


詩音M「この優しさを忘れたくない」


蒼楽「詩音……?」


詩音「大丈夫だよ、蒼楽君!今日はもう帰る。また明日ね!」


蒼楽「うん……また明日!」


詩音M「私は蒼楽君を……忘れたくない」



クリスマスイブの夜。


蒼楽「……」


詩音「蒼楽君(小声)」


蒼楽「詩音!?なんで……もう面会の時間終わってるのに、どうやって?(小声)」


詩音「えへへ、どうしてもクリスマスは一緒にいたくて……忍び込んじゃった」


蒼楽「……そっか」


詩音「クリスマスまで、後2分だね」


蒼楽「もう、そんな時間なんだ……」


詩音「とか言ってるうちに、あと1分30秒……」


蒼楽「ふふふ……」


詩音「ん?どうしたの?」


蒼楽「いや……なんでもない」


詩音「変な蒼楽君……」


蒼楽「ふふふ……」



詩音M「花火打ち上げまで、後1分!」


蒼楽M「記憶がなくても、やっぱり詩音は詩音だ」



詩音「クリスマスまで、後30秒……」


蒼楽「後20秒」


詩音「10、9、8、7、6」


蒼楽「5、4、3、2、1」


詩音・蒼楽「メリークリスマス!」


蒼楽「あ、シー!あんまり声出したら、人が来ちゃう……」


詩音「そ、そうだね……静にしなきゃ」


暗い病室で何をするでもなく一緒にいる二人。


蒼楽「詩音……僕、詩音と一緒にいられて、凄く嬉しい」


詩音「蒼楽君……えへへ、私もだよ……あ、そうだ。これ……」


蒼楽「え?」


詩音「プレゼント」


蒼楽「そっか……ありがと。見てもいいかな?」


詩音「うん……」


蒼楽「……これ」


詩音「……あんまり上手く描けてないかもだけど」


蒼楽「うんん……凄くうまいよ」


蒼楽M「綺麗な青空と、真ん中に大きく描かれた一輪の花の絵。それは、凄く、暖かい絵だった」


詩音「なんか、褒められると恥ずかしいよ」


蒼楽「このお花って、なんていうお花なの?」


詩音「あぁ……それ聞いちゃいますか?」


蒼楽「え?聞いちゃダメだった?」


詩音「駄目と言うか……」


蒼楽「ん?」


詩音は赤い顔を更に赤く染めて言う。


詩音「こ、これは……紫苑っていう……お花で……つまり……その……」


蒼楽「紫苑……青空……あっ……もしかして」


詩音「い、言わないで!それ以上言ったら私、恥ずかしくて……泣いちゃうから!」


蒼楽「ぷっ……あはははは!」


詩音「ちょ、笑わないでよ!!」


蒼楽「ごめんごめん……でも、すごく嬉しい!多分、僕の人生の中で一番嬉しい贈り物だよ」


詩音「もう……」


蒼楽「じゃあ、僕からもプレゼント……」


詩音「え?」


蒼楽「はい」


蒼楽が詩音にプレゼントを渡す。


詩音「蒼楽君、入院してるから、プレゼントは用意してないって思ってた」


蒼楽「ちょっと裏ルートを使って用意したの」


詩音「ありがとう……空けていい?」


蒼楽「あぁ……ごめん。空けるのは、ちょっと待って貰っていいかな?」


詩音「え?」


蒼楽「このプレゼントを空けるのは……詩音が泣いた後にして欲しいかなって」


詩音「……」


蒼楽「だから、それまでは絶対に空けないで欲しい」


詩音「なんか……玉手箱みたいだね」


蒼楽「あはは……ごめんね」


詩音「いいよ!ありがとね!」


足音が聞こえる。


蒼楽「あ、やばい……見回りが来たかも」


詩音「うぅ……思ったより早い……ちょっと失礼するね!」


蒼楽の布団に入り込む詩音。


蒼楽「え?ちょ、何やってんの……」


詩音「いいでしょ……他に隠れるところないんだから」


蒼楽「そ、そうだけど……」


詩音「蒼楽君……暖かい……」


蒼楽「……」


詩音「……蒼楽……君…………蒼楽……くん……すぅ……すぅ……(寝息)」


蒼楽「詩音…………おやすみ……」


詩音「……すぅ……すぅ……」


蒼楽「大好きだよ……」


長めの間


蒼楽は呼吸器が付けられ話せない。


蒼楽「……」


詩音「蒼楽君……来たよ」


蒼楽「……」


詩音「今日は顔色いいね……あ、そうだ……窓の外見れる?」


蒼楽「(目だけを窓の外へ向ける)」


詩音「桜……咲き始めたんだよ。一緒に見るって、約束してたもんね」


蒼楽「……」


詩音「……この前ね!同じクラスの志帆ちゃんって子がね!上のクラスの、村上さんって人と、付き合ったらしいよ!あそこはもうすぐ付き合うと思ってたけど、やっとかぁ~って」


蒼楽「……」


詩音「後ね、隣のクラスの鈴木君がね……」


呼吸器のせいで上手く話せない。でも、頑張って話す蒼楽。


蒼楽「し……お……ん……」


詩音「……どうしたの?何か、して欲しい事、ある?」


蒼楽「……れ……て……」


詩音「ん?」


蒼楽「…………わ……す…れ……て……」


詩音「……」


蒼楽「ぼ……く……を…わ……す……れ…て……」


詩音「……うん、忘れる。でも、もう少しだけ、一緒にいさせて」


蒼楽「……」


詩音「……もう少しだけ」


蒼楽「……ご……め……ね」


詩音「謝らないで……大丈夫だよ……大丈夫」


蒼楽「……ご……め………ね……(涙を流す)」


詩音「……」


蒼楽「……(涙を流している)」


詩音「……蒼楽君は……ズルいよ」


蒼楽「……」


詩音「私は我慢してるのに……私、これでも……頑張ってるんだからね」


蒼楽「ご……め……ん……」


詩音「……今日は、帰るね」


蒼楽「……」


詩音「……(病室を出ようとする)」


蒼楽「ス……ケ……チ……」


詩音「え?」


蒼楽「ス……ケ……チ……ブ……ク……」


詩音「持ってきて欲しいの?」


蒼楽「……(うなずく)」


詩音「……分かった、明日持ってくるね」


蒼楽「……」


詩音「じゃあ……また明日」



詩音M「限界だ……今にも泣いてしまいそうだ。もう、我慢なんてできないよ……泣いて楽になりたい……辛い、辛い、辛い……でも、忘れたくない……忘れたくないから、もう少しだけ…………唇を噛みしめて、出掛かった記憶を押し留めた」



詩音「え?手紙……ですか?」


詩音M「私は蒼楽君の病室の前で、看護師のお姉さんに声を掛けられ、スケッチブックと引き換えに、ある手紙を渡された。蒼楽君に会う前に、この手紙を読んで欲しいとの事だった」


詩音「蒼楽君……(深呼吸)よし……」


手紙を読み始める詩音。


詩音「詩音へ……」


蒼楽M「人生で初めて手紙なんて書いてます。だから、文が変だったり、字が汚いのは許してください。さて、突然だけど、僕には夢があります。それは、最後の最後に、胸を張って、僕の人生は幸せだったと、そう言えるような人生にする事です……春は満開の桜を見たい、夏は浴衣を着てお祭りに行きたい、秋は美味しいものを沢山食べたい、冬はクリスマスを祝いたい……他にもやりたい事が沢山あって、でも……それを全部叶えるには、僕の人生は短過ぎました」


蒼楽M「僕は不幸だ。幸せにはなれないんだ……そう思うたび、僕は一人で泣いてました……でも、僕は詩音と出会った。一緒にいてくれた。好きになってくれた。詩音と行ったお祭りも、詩音と食べた美味しい物も、詩音と過ごしたクリスマスも……全部の記憶が掛け替えのない宝物です。詩音が幸せを沢山くれたから、一生分の幸せをくれたから、今なら胸を張って言える。僕の人生は、不幸なんかじゃなかった。凄く、凄く、幸せだった。一緒にいてくれてありがとう。夢を叶えてくれて、僕に沢山の幸せをくれて……本当にありがとう」


蒼楽M「さて、最後に……この手紙を読んだら、詩音は僕の事を忘れなければなりません。僕達の楽しかった思い出は、僕が貰っていきます。読み終わったら、この手紙は泣く前に処分してください。僕の事を忘れた後に読み返したら、また僕の事を想い出しちゃいそうだから。今までいっぱい我慢させてごめんなさい。僕の事は忘れて、幸せになってください……詩音……」


詩音「大好きだよ……桐島……蒼楽…………くっ……ダメ……泣いちゃ……ダメ、なのに……っ!!」


詩音「……(涙を頑張って堪える。でも、耐えられない。今にもこぼれそうだ)」


涙が今にもこぼれそうになる。泣けば記憶を失う。だからその前に感情に任せて手紙を破り捨てる。


詩音「…………っ!!(ゆっくりと手紙を一度破る)」


破る手が止まらなくなる。とうとう涙もこぼれてしまった。


詩音「っ!!っ!!っ!!っ!!(感情に任せて何度も何度も破り捨てる)あぁぁぁぁぁ!!!……はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……くっ……うっ……うぅうぅ……あぁぁぁぁぁぁ!!あぁぁぁぁぁ!!!」


ダムが崩壊したように涙が溢れる。


詩音「……蒼楽君!蒼楽君!!蒼楽君!!!……やだ……やだやだやだ!!……やだよぉ……忘れたくない……忘れたくない忘れたくない忘れたくない!!……消えないで!消えないでよぉ!!ずっとそばにいてよ……このまま忘れて終わりなんて……そんなの……嫌だよ……嫌だよぉ……」


蒼楽M「詩音」


詩音「蒼楽君……!!」


蒼楽M「詩音……」


詩音「行かないで……行かないで!」


蒼楽M「(微笑む)」


詩音「……あぁ……」


蒼楽M「……」


詩音「……蒼楽君」


蒼楽M「……」


詩音「……蒼楽君!!」


蒼楽M「さようなら……」


詩音「あっ……(手を伸ばす)」


手を伸ばした先には誰もいない。涙と一緒に記憶が流れ落ちていく。そして……


詩音「………………」


詩音「…………」


詩音「……」


詩音「あれ……?」


蒼楽M「……」


詩音「……あなたは……」


詩音「……誰ですか?」



詩音「暇だなぁ……絵でも描こうかな……あぁ、でも、スケッチブック、病院で失くしちゃったんだ……う~ん、何で私、病院にいたんだろぉ!はぁ……」


詩音M「また私は、記憶を失くした。今度はいったい、何を忘れたんだろう……まぁ、私が忘れる記憶はいつも、泣くほど辛い記憶や、悲しい記憶だから、想い出さなくていい物だと思うけど……でも、なぜだかその記憶は、私にとって凄く大切な物だった気がする」


詩音「……ん?これ、何だろ……プレゼント?」


部屋でプレゼントを見つける。


詩音「う~ん……ダメだ、思い出せない……プレゼント貰っておいて、誰から貰ったか忘れるなんて……本当に最低だ……私……(袋を空ける)これ……」


詩音「スケッチブック……(小さく微笑む)……ありがと……あれ?」


詩音、無意識に涙を流している。


詩音「私、なんで泣いて……やだ……止まんない……なんだこれ……あっ……」


頭に風景が広がる。それを形にするように絵を描き始める。


詩音「えっと……ここが……こうで……う~ん……確か、こんな感じ、かな?えっと……うん……よし……完成……」


詩音「……(自分で書いた絵を見つめる)変なの……描いた事なんて無いのに、なんだか初めて描いた気がしない。本当に不思議……えっと……この絵にタイトルを付けるとしたら……そうだなぁ……紫苑……いい天気……青空……う~ん……あっ……『空と紫苑』……うん!この絵のタイトルは」


詩音「『空と紫苑』!」



END

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