『ストーカーさん』2:1:1
ストーカーさん
2:1:1
松本蓮……♂
田中美鈴……♀
佐藤海斗……♂
蒲田……不問
ニュースキャスター……美鈴と兼ね役
基本的に
蓮→蒲田
美鈴→海斗
との掛け合いが殆どです。
蓮M「俺には彼女がいる。名前は田中美鈴。高校生の頃、こんな取り柄のない俺に告白してくれて、退屈だった毎日に幸せをくれた。
彼女の笑顔を見たら力が湧く。彼女の声を聞くと、疲れが吹き飛ぶ。彼女に触れると……胸が高鳴る。でも、触れることはできない。俺はもう、彼女の後をつけて歩く事しかできない……ストーカーみたいなものなのだから」
間
蓮M「季節は冬。夜の街はとても冷え込み、すれ違う人々の吐く息が、白く染まっている。そんな寒い日に、彼女は1人誰かを待つようにそこに立っていた」
美鈴「……うぅ、寒い」
蓮「今日は誰かと待ち合わせかな?こんな夜中に……ってか、寒い中20分も待ってる……いったい誰と待ち合わせてるんだよ」
蒲田「あの〜」
蓮「っ!?」
蓮M「美鈴に夢中だった俺の肩を誰かがポンポンと叩く」
蒲田「おぉ、凄い驚くじゃないですか?何ですか?私は別に怪しい者でもないし、怖い人でもないですよ?」
蓮「だ……誰ですか?なんで、肩を……」
蒲田「私が誰か……うーん、強いて言えば、私はあなたの同類です!」
蓮「同類?それって……」
蒲田「それにしても、面白そうなことしてるじゃないですか!!あの子……可愛いですね!ストーカーですか?」
蓮「ストーカー!?違います!ってか……別にあなたには関係ない」
蒲田「ふーむ……まぁ、確かに関係はないですね〜」
蓮「だったらーーー」
蒲田「じゃあ、私もストーカーしーちゃお!」
蓮「は?なんで!?」
蒲田「えぇ、だって可愛いから!ぐへへへへ〜」
蓮「そんなの駄目に決まってるでしょ!」
蒲田「えー?でも関係ないじゃないですかー!!」
蓮「ぐっ……」
蒲田「さーて、観察観察っと!」
蓮「……」
蒲田「ふんふふーふふーん♪」
蓮「……んです」
蒲田「……え?」
蓮「だから……じょ、なんです」
蒲田「……ん?」
蓮「……彼女なんです!」
蒲田「……ほう」
蓮「だ、だから……あの子は彼女だから……別にストーカーとかじゃないです」
蒲田「ほうほう、なるほどなるほど!それはそれは失礼しました!彼女だったら、後をつけても、ストーカーじゃない!!ふむふむ、確かにその通りですね!」
蓮「……」
蒲田「じゃあ、声をかければいいじゃないですかぁ!彼女、あなたを待ってるんじゃないんですか?」
蓮「それは……僕じゃない誰かを待ってるから……気になるんですよ。しかももう20分も経ってる……」
蒲田「ほほうーこれはもう……浮気確定ですね!」
蓮「は!?違います!浮気とかじゃ絶対ない!」
蒲田「えぇーでも、友達を20分も外で待ちますか?普通カフェとかお店とかに入って待ちません?1分でも1秒でも早く会いたいから、外で待ってるんじゃないんですか?」
蓮「だぁぁあ!うるさいな!!美鈴はそう言う子なんですよ!律儀というか……なんというか!!」
蒲田「そ……そうなんですか?」
蓮「……」
蓮M「本当になんなんだこいつ……急に突っかかってきて、いったい何がしたいんだ……イライラする気持ちをぐっと堪えて、俺はまた視線を美鈴に戻す。すると……」
蒲田「お?誰か来たようですね?」
蓮「あれは……」
美鈴「……あ、海斗君!」
海斗「おっ、美鈴ちゃん!お待たせ!」
蓮「海斗?……なんでアイツが美鈴と?」
蒲田「知り合いですか?」
蓮「……あぁ、高校時代の同級生。なんか、高校出てから危ない奴らと絡むようになったらしくて、いい噂聞かない奴なんだけど……なんであんな奴と」
蒲田「まぁ、見るからにヤンチャしてますぜ!!って感じの雰囲気ですね」
海斗「じゃあ、行くか!デート!!」
美鈴「…………」
蓮「で、デート!?」
蒲田「ほーら、やっぱりデートじゃないですか!!わたくしの目に狂いはなかった!!」
蓮「……そんな……美鈴が……海斗と……」
蒲田「おっと……あーらら、ガチ凹みじゃないですかー……まぁ、落ち込みなさんな!まだ浮気だって決まったわけじゃないですし」
蓮「……なんか、あなたに言われるとムカつくんですけど……」
蒲田「あぁ、ほら!場所移動するみたいですよ!!後、追い掛けましょうよ!」
蓮「ちょ、なんか楽しんでません?ってか、暇人なんですか?マジで迷惑なんで、付いてこないで下さい!」
蒲田「ほらほら、さっさと行かないと見失いますよ!」
蓮「ちょ、行動早いし!……あぁ、もう!ちょっと待てって!!」
蓮M「理解が追いつかないまま、俺は同類と名乗るこのKYと共に、美鈴と海斗の後を追いかけた。二人は小洒落たお店に入っていく。
俺達も後を追って店に入り、美鈴達の後ろの席に座った」
蓮「ちょ、なんで横に座ってくるんだよ」
蒲田「えぇ?だってこっちの席の方が会話よく聞こえるじゃないですか」
蓮「あんたは別に聞かなくていい!」
蓮M「そうこうしながら、俺は2人の会話に耳を傾けた」
海斗「美鈴ちゃん!好きな食べ物何?」
美鈴「えっと……林檎とか好きかな?」
海斗「林檎か〜似合う似合う!」
美鈴「ふふふ、そうかな?」
海斗「この店のアップルパイめちゃめちゃ美味しいからさ、デザートはこれで決まりだな!」
美鈴「え、アップルパイあるの!?これは食べなきゃだね!」
蓮M「美鈴と海斗は楽しげに話しをしながらディナーを楽しむ。その光景を見るのが……辛かった」
海斗「それにしても、美鈴ちゃんは本当に可愛くなったよね〜」
美鈴「え?そ、そう……かな?」
海斗「そうだよ!この前すれ違った時誰か分からなかったくらいだもん!」
美鈴「嘘だ〜目が合ってすぐに声掛けてくれたじゃん」
海斗「いや、マジマジ!本当に一瞬、天使かと思ったよ?」
美鈴「もぉ〜口が上手いね」
海斗「全部本音だけどなぁ〜ははははは!」
蓮「……ぐぐぐぐぐっ」
蒲田「そうカリカリしなさんなー」
蓮「……でも」
蒲田「まぁ、黙って見てなさいな」
蓮「……え?」
美鈴「…………海斗君も、変わったよね。なんか、学生の頃とは雰囲気が全然違う」
海斗「男前になったでしょ?」
美鈴「ふふふ、そうだね。でも、私は高校の頃のヤンチャなだけの海斗君の方が良かったけどなぁ〜」
海斗「あの頃はガキなだけだったよ!今の方が絶対にいい男だぜ?俺」
蓮M「美鈴の頭に海斗が手を乗せる」
美鈴「……」
蓮「……っ」
蓮M「気付けば俺は拳を握り締めていた……嫉妬でどうにかなりそうだ。海斗の手が2、3度美鈴の頭を撫でる」
海斗「なぁ、そろそろこの前の返事……聞かせてくれよ」
美鈴「……あぁ」
海斗「ちょっとは、考えてくれた?」
美鈴「えっと……うん」
海斗「……」
美鈴「あぁ、ごめん……その前に、お手洗い行ってくる」
海斗「あ、ちょっ…………ちっ(舌打ち)」
蓮「……はぁ」
蒲田「この前の返事ってなんですかね?告白の返事とかですかね?」
蓮「分からない……」
(S E着信音)
海斗「あぁ、もしもし!俺っす!海斗っす!」
蒲田「ん?電話してますねー」
蓮「あ、あぁ……」
海斗「昨日はありがとうございました!!めっちゃ良かったっすよ、麻里ちゃん!!」
蓮「……!?あいつ……他にも女が……」
蒲田「まぁ、まぁ、落ち着きなさいって」
蓮「……」
海斗「今いい女引っ掛けてるんで、今度使ってみてくださいよ!!……はい、はい!でわまた今度!お疲れ様でーす!はーい!!」
蓮「っ!……あのやろう……!!」
蒲田「だーかーらー、落ち着きんしゃい!(殴る)」
蓮「ごふっ!ゲホッガホッ……な、何するんだよ……」
蒲田「いや、今にも殴りかかりそうな勢いだったから、早めに止めたというか」
蓮「止めるどころか先に殴られたわ……!!」
蒲田「怒っても……君には何もできないでしょうが」
蓮「そ、それは……」
蒲田「まったく……これだから若いもんは」
蓮M「殴られた腹が痛む……痛み……なんで俺……なんなんだこいつ」
蒲田「あ、美鈴さんが帰ってきますよ!」
蓮「……」
美鈴「お待たせ」
海斗「いや、全然!」
美鈴「じゃあ行こっか」
海斗「え?もう?まだデザート食べてないじゃん?」
美鈴「ちょっと、行きたいところあるんだよね……付き合ってくれる?」
海斗「行きたいところ?へぇ〜どこどこ?もしかして……ホテルとか?」
美鈴「さぁ……どこかな?」
蓮M「美鈴と海斗は店を出た。俺は思わず握り込んだ拳で机を叩く」
蓮「くっそぉ!!海斗のやつ!!絶対に許せない……他に女がいるのに美鈴に手を出そうとするなんて……絶対に許さない……」
蒲田「噂に違わぬ悪い奴ですねー」
蓮「正直……あんなにクズだとは思わなかった……」
蒲田「で、後は追わなくていいんですか?」
蓮「……」
蒲田「……ん?」
蓮「あんた……なにもんなんだよ……」
蒲田「何者?私はあなたの同類ですよ。最初に言ったじゃないですか」
蓮「それってつまり……」
蒲田「わたしは、ただのストーカーです」
蓮「……」
蒲田「もう一度聞きますけど、追わなくていいんですか?」
蓮「……俺には……何も出来ないから」
蒲田「……ほう?」
蓮「それに、海斗も酷い奴だけど……酷いのは、俺も同じか……俺も美鈴に、酷い事をした」
蒲田「……だから、美鈴さんをこのままあの男に譲ると?」
蓮「……」
蒲田「はぁ……くっだらね」
蓮「……は?」
蒲田「行きますよ」
蓮「……え?」
蒲田「美鈴さんの行く場所……実はなんとなく分かってるんですよねー」
蓮「……なんで」
蒲田「そらそら、レッツラゴー!!」
蓮「ちょ……なんなんだよ……あいつ……あぁ、もう!!待てって!!」
蓮M「何が何だか分からない……分からないから、今はあいつに着いて行くことにした。着いて行く事10分……見慣れない風景を横目に歩く。右を見ても左を見ても何も無い……夜の街を照らす街灯すら、その数は少なく、薄暗い道をひたすらに歩いた」
蒲田「ふんふふっふふーん♪」
蓮「ねぇ、どこ向かってるんですか?」
蒲田「もうすぐ着きますよ〜あ、ほら、美鈴さん達です」
蓮「あ、本当だ」
蓮M「確かに美鈴達の背中が見えた。美鈴は一体どこへ向かっているのだろうか。着いて行く事更に5分……ようやく目的地が見えてくる」
蓮「こ、ここは……まさか」
蒲田「ふふふ……そのまさかですよ……“松本蓮”君」
蓮M「そう言って、怪しく微笑んでくる……なんで、こんな所に……だって、ここは……」
海斗「えぇ、墓地?なんでこんなとこに連れてこられたわけ?」
美鈴「……」
海斗「ねぇ、美鈴ちゃん?もしかして肝試し?……にしては季節外れじゃ無い?」
美鈴「……」
海斗「美鈴ちゃん?どしたの?」
美鈴「……来たよ……蓮君」
海斗「……え?」
蓮「…………」
蒲田「そう、ここはあなたのお墓ですよ……松本蓮君」
海斗「……松本……蓮?」
美鈴「覚えてる?蓮君……高校一緒だったんだけど……一昨年ね、蓮君事故で亡くなっちゃったんだ」
海斗「……っ」
美鈴「私……蓮君と付き合ってるんだーもういなくなっちゃったけど……でも、今でも付き合ってる……だから、ごめんなさい!私……海斗君とは付き合えない……」
海斗「は、はぁ?だって、あいつ死んだんだろ?だったら、もうそんなやつ忘れて、俺とーーー」
美鈴「忘れられないよ!!」
海斗「っ!?」
美鈴「忘れられるわけないじゃん……私……蓮君のこと、こんなに大好きなんだもん……私、蓮君しか見えないから……だから、ごめん」
海斗「……じゃあ、なんで今日俺の事呼び出したんだよ!」
美鈴「この前の返事がしたかっただけ……こういう事はしっかりやんないと、蓮君に怒られちゃうから」
海斗「……そんな」
間
蓮「……なぁ」
蒲田「なんですか?」
蓮「なんで……美鈴がここに来るって分かったんだ?なんで……俺のこと知ってるんだよ……なんで俺に触れたり話したり出来るんだよ!!あんた、一体何者なんだよ!!」
蒲田「だから、ずっと言ってるでしょ?私は貴方の同類だって」
蓮「同類って何なんだよあんた!!あんたも……幽霊だってのか?」
蒲田「いいえ?私はねぇ……死神です……そこに関しては同類ではありません」
蓮「……しに……がみ?」
蒲田「そう!だから私……魂を頂戴しなきゃいけないんですよ」
蓮「じゃ……じゃあ、俺を……迎えに来たのか?」
蒲田「ふふふ、私もずっと見てたんですよ。美鈴さんを見る貴方の事がずーっと、気になっていましてねぇ」
蓮「……」
蒲田「私も、ずっと貴方達をストーカーしてました……言わば、あなたの同類です」
蓮「……」
蒲田「でも、これ以上は待てません……だからーー」
海斗「ふざけんな!!!」
美鈴「きゃっ!!(突き飛ばされる)」
蓮・蒲田「っ!?」
海斗「ふざけんな、ふざけんな、ふざけんな!!俺が、あんな陰キャラより……しかも、もう死んでるやつに負けるとか、ありえねぇ!!」
美鈴「……」
海斗「俺はなぁ、お前が好きなんだよ……だから、俺と付き合えよ」
美鈴「い、いや……」
海斗「くっ……俺のものになれよ!!なぁ!!俺のものになれよぉ!!(美鈴に覆いかぶさる)」
美鈴「やめて……誰か、誰か助けて!!」
蓮「美鈴!!」
蒲田「今行ったところで!!貴方には何もできませんよ?」
蓮「でも……でも!!」
蒲田「落ち着きなさい」
蓮「……俺……どうすれば……何にもできない……事故って死んで、散々美鈴の事苦しめて……結局、守ってやることもできない…………くそっ……くそぉ!!!」
蒲田「……」
蓮「…………」
蒲田「……はぁ、仕方ないですね……一つだけ、チャンスを上げましょう!」
蓮「……チャンス?」
蒲田「今から、霊体である貴方の魂を、あの海斗という男の魂と入れ替えてあげます」
蓮「……入れ替える?」
蒲田「そうすれば、肉体を得られ、貴方は肉体が尽きるまで、美鈴さんと愛し合う事ができます。勿論、貴方の力で、彼女を守ってあげることもできます」
蓮「俺が、海斗の体で……?」
蒲田「ただし、条件があります」
蓮「条件……」
蒲田「それは、貴方が松本蓮だと……決してバレないという事。もしバレたら、すぐにこの世から消えて貰います」
蓮「……」
蒲田「それが守れるなら……貴方に肉体と、美鈴さんを守る力をあげましょう」
蓮「…………わかった」
蒲田「よろしい……では目を閉じてください。行きますよーーー」
蓮「……」
蓮M「それは一瞬の感覚だった。体が湯気の様に舞い、気が付けば俺の視界には……恐怖と悲しみでボロボロな顔をした、美鈴の姿が……」
海斗「ぶへっ!!(殴られる)」
美鈴「最低!!あんたなんて……あんたなんて……!!」
海斗「……痛ってて……」
美鈴「……」
蓮M「どうやら、魂が入れ替わったらしい……頬に伝わる痛みが懐かしい……美鈴は涙を浮かべ、軽蔑しきった目で、俺の事を睨んでくる」
美鈴「……」
海斗「あぁ……えっと……」
美鈴「……っ(震えている)」
蓮M「取り敢えず、底辺からのスタートなんだ……少しでも、好感度を上げないと」
海斗「ごめん……やり過ぎた」
美鈴「……え?」
海斗「……いや、流石にジョークだから……そうだよな、蓮がいるなら俺は諦めるしかないよな!!」
美鈴「……」
海斗「……ん?」
美鈴「…………」
海斗「どうした?“美鈴”」
美鈴「……っ!?」
海斗「ん?」
美鈴「蓮……くん?」
海斗「……え?」
美鈴「蓮君だよね?」
海斗「……」
美鈴「……」
海斗「ち、違う!!……俺は海斗だよ!」
美鈴「違う……蓮君だよ!蓮君……蓮君……会いたかったよ……蓮君!!(抱きつく)」
海斗「ちょ……だから俺は……」
美鈴「……蓮君……蓮君……うぅ……うわぁぁあ!」
海斗「…………はぁ」
蓮M「何を言っても聞きゃしない……やっぱり……美鈴にはバレてしまうのか……嬉しいような……何というか……複雑な気持ちだ。俺の腕の中で泣きじゃくる美鈴……まぁ、これは俺の体じゃないけど……だけど、確かに美鈴の温もりを感じる事ができた。それが、嬉しかった」
美鈴「うぅ……」
海斗「……ごめんな、美鈴……死んじゃって……本当にごめん」
美鈴「……ばか……ばかばかばか……本当に辛かったんだから……寂しかったんだからぁ!……ばか……ばかぁ!!」
海斗「……ごめん……ごめんな」
美鈴「ばか……うぅ……ばかぁぁあ!!」
蓮M「謝ることしかできなかった……謝っても、謝っても……謝りきれない。だから俺は、ひたすら謝ることしかできなかった……もう俺には時間がない。だから最後にーーー」
海斗「美鈴……ごめん……俺さ、もうすぐ消えるんだよ」
美鈴「え?」
海斗「……ケチな死神との約束でさー多分、もうすぐ消える」
美鈴「……嫌だ……嫌だよ!!そんなの嫌だ!!一緒にいたい……ずっと……一緒にいたい……」
海斗「……あぁ」
美鈴「ねぇ、何か方法はないの!?死神さんにお願いするとか!」
海斗「多分……ダメだと思う……」
美鈴「じゃあ……このままお別れなの……?」
海斗「……」
美鈴「……嫌だよ……そんなの嫌だ!」
海斗「……俺も……ずっと一緒にいたい……だから……」
美鈴「だから……?」
海斗「……だから」
蓮「……だから……俺と一緒に……………………」
美鈴「……」
蓮「……」
美鈴「…………」
蓮「…………」
美鈴「…………」
蓮「…………」
美鈴「……うん……いいよ」
蓮「…………っ!?」
美鈴「……ずっと一緒にいたいから……もう、離れないから……だから………………殺して」
蓮「……くっ」
美鈴「……」
蓮「愛してるよ……美鈴」
美鈴「私も……愛してる」
蓮M「俺は美鈴の首に手を掛ける。美鈴は恐怖に顔が強張った。だが、やがて受け入れるように目を閉じて口角を上げる。俺は……手に力を込めた」
美鈴「……ぐっ……うぅ……くっ……(首を絞められる)」
海斗「……ぐっ……くっ……(首を絞める)」
蓮M「苦しむ美鈴……涙が滲む……脳裏に、美鈴の笑顔が浮かぶ……美鈴の声がよぎる」
美鈴『わ、私!!蓮君の事が好きです……だから……付き合ってください!!』
海斗「くっ……ぐぅぅう!!あぁ!!(首を絞める)」
美鈴『蓮君!!お待たせ!!」
海斗「……はぁ……くっ……あぁ!」
美鈴『蓮君……大好きだよ……ずっと一緒にいようね!』
海斗「……ぐぐぐっ……がぁぁ!」
美鈴『蓮君……蓮君……蓮君!!』
蓮「……ぐっ……あぁぁぁぁあ!!!」
美鈴「れん……く、ん……ありがと……ずっと……一緒……に」
蓮「…………っ!?」
蓮M「……美鈴の体から……力が抜けた……もう……息をしていない」
蓮「……」
海斗「……」
海斗・蓮「……うわぁぁぁぁあ!!」
蓮M、「墓地に男の絶叫がこだまする……俺は、美鈴のそばで呆然と立ち尽くした。一向に俺の魂が消える事はない……
死神が気を利かせたのか、美鈴にバレるのが早すぎて、呆れられたのか……今では早く天国へ行きたい……早く、美鈴に会いたい」
海斗「……」
蓮M「海斗には悪い事をした……まぁ、こいつのやった事への罰だ……これでチャラにしてやる。俺は動かなくなった美鈴の顔に触れる。まだ少しだけ暖かかった」
海斗「……美鈴……すぐ……行くからな……待ってて」
間(長め)
ニュース「えぇ、次のニュースです。神奈川県相模原市の墓地にて、女性の首を絞め殺害したとして、今日未明、佐藤海斗容疑者(27)が逮捕されました。
取り調べに対し、佐藤容疑者は」
海斗「俺もすぐ後を追うつもりだったんです……なのに、一向に迎えがこない……なぁ、早く、会わせてくれよ……早く、早く……早く」
蓮「……早く」
ニュース「……などと話しており、警察が今でも取り調べを続けております」
間(長め)
蒲田「はぁ〜お仕事終わりっと……美鈴さんの魂は回収できましたし……ぶっちゃけ、別に貴方には興味ないんですよね〜ふふふふ……さようなら、ストーカーさん♪」
end