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気まぐれ猫は先輩を振り向かせたい  作者: 麗愛
第一章
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1、始まりの朝

 朝、家で七瀬ななせ美海みいは鏡と向き合って一生懸命身なりを整えていた。今日はいよいよ憧れの高校の入学式である。長めの黒髪は綺麗に内巻きにして、頬にも薄い桃色のチークを乗せる。姿見には、普段よりも大人っぽい自分が映っている。


「よしっ、大丈夫、完璧。」


 美海は小さく気合を入れると、再度服装をチェックし、鞄を手に取り家を出た。


 今日は憧れの高校の入学式である。今まで通っていた中学校とは違い、校則が緩いことで有名な須王台高校はオシャレが出来て、しかも、行事以外は制服も自由である。


 美海は、充実した高校生活を送るために、偏差値はかなり高いところだったが、頑張って勉強したのだった。


 電車に揺られること15分ぐらいで最寄り駅についた。改札口を出ると、外には学校につながる桜並木が見えた。乱れ舞う桜の花びらを眺めながら、時間が早いせいか人気のあまりない道をのんびり歩いていると、


「七瀬っ」


 と、後ろから声がした。振り返るとそこには美海と同じく真新しい制服に包まれた、中学校からの親友である藍川あいかわ 柚葉ゆずはがいた。彼女もまた、綺麗に化粧をしていて、最後にあった時よりも大人びて見えた。


「おはよう、柚葉」


「うん、おはよう!桜が綺麗だね!美海、すごく制服似合ってる。それに、お化粧も」


 ふふっ、と美海は照れたように笑った。今まで、女子校で過ごしてきて、あまり意識をしていなかった恋愛も周りでカップルが出来た話を聞くと、次第に羨ましくなっていったのだった。


「私、絶対高校で恋愛して彼氏作るって決めたから!共学行って女子校と同じ状況になるなんてやだもん」


「頑張れ〜、応援するから。私の美海がいじめられてたら、すぐ飛んでくからね!」


 そう心強く言って笑う柚葉は女子校にも関わらず、中3の春に今の彼氏と付き合いを始めた。顔が良く、サバサバした性格をしている彼女は、小学校の時は告白されることが多かったそうだ。


 そうこう話しているうちに、二人は校門の前に立っていた。


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