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LostTechnology ~幼帝と保護者の騎士~  作者: CB-SXF6
本編(建国38年~建国47年)
23/76

旅行 美術館と墓参り

 メソガエアの港町についた翌日、アグネス一行は州を治める地方領主クロヴィスの元を訪れていた。

 本来というか、皇帝の孫が来たとなれば、到着と同時に出迎えるのが妥当なところだが、そうしなかったところを見ると、あまり皇家を良く思ってはいない様である。

 一行の滞在先が宮殿である以上、宮殿で暮らすクロヴィスからしてみれば、どうせ向こうから来るわけだし、わざわざ出迎える必要はないと判断したのだろう。


「お久しぶりです。クロヴィス殿。

 最後に会ったのは、姫の誕生会の時ですね」


「これは、ディートハルト様。

 そして姫様、ようこそメソガエアへおいでいただきました」


 領主のクロヴィスは一行を笑顔で出迎え、深々とお辞儀をする。


「むむ? 誰じゃこの男は? メソガエアは母の残した騎士団が治めている地方ではないのか?」


 アグネスの言葉を聞き、クロヴィスは苦笑いをしつつディートハルトの方を見る。


「……コホン。

 姫! メソガエアは確かにアーネット騎士団が治めておりましたが、今は地方領主のクロヴィス殿が治めております」

(あのじじーは、肝心なところを教えてねーのか!)


「どういう事じゃ?」


「まず、第一皇子であり、フォルスター騎士団長であるヴェルナー様とアーネット騎士団長であるヴィクトリア様が結婚する事で、アーネット騎士団はフォルスター騎士団に統合されました」


「ふむっ……」


「そして、ヴェルナー様を皇太子として皇室に迎い入れた事で、そのフォルスター騎士団は解散となり、オルテュギア西部はそのまま中央が治め、メソガエアはここにいるクロヴィス殿が中央から派遣され、地方領主として治めることとなりました」

(全く……皇太子様は荷の重い仕事をふりなさる。)


 ライナルト帝国において『皇太子』とは皇位を継承する事が決まった者を指す。

 ヴェルナーは皇室に入る前までは、『第一皇子』に過ぎず、後継者ではなかったのである。


「なるほどのう。そうであったのか……」


 勿論、これは表向きの話であり、結婚とメソガエアを巡って色々とあったのは言うまでもない。

 ヴェルナーとヴィクトリアが恋仲になり婚約すると、結婚を快く思わない者が当然現われる。

 その中の筆頭とも言うべき人物が、第二皇子であるヘルフリート・フォルスターつまりヴェルナーの実弟であった。

 また、ライナルトも結婚自体には反対しなかったが、ヴェルナーをどう扱うべきかで大きく悩む事になる。

 既にこの時、親子仲は悪化の一途であり、ヴィクトリアとライナルトの仲も決して良好とはいえない。

 ヴェルナーをいっそのこと、婿養子にして、アーネット家へ厄介払いし、ヘルフリートを正式に後継ぎとして扱おうかとも思ったが、長男を婿養子に出すのはプライドが許さなかった。

 セシリアもセシリアで、皇太子に嫁がす事はしても、ヴェルナーに嫁がす気はなく、覚悟を決めて、ヴェルナーを皇太子にするべく動き始める。

 この婚約は、メソガエア州、オルテュギア西部、皇室、アーネット騎士団、フォルスター騎士団、領土や権利を巡って、大いに揉めた。

 ライナルトは結局、ヴェルナーがメソガエアの支配者になる事を快く思わず、結婚を理由にヴィクトリアを騎士団長から解任し、セシリアを再び騎士団長に任命した。

 アーネット騎士団はそのまま存続させ、フォルスター騎士団は西部の地のみとして、現状を維持、つまり面倒を先延ばしにしたのである。

 しかし、今までろくに結果を出せなかったヴェルナーがこれを境に、目覚ましい功績を上げ始める。

 主に、アーネット騎士団の後ろ盾と内助の功によるものだが、結果が全てという考えであるライナルトは、結果を出した以上、ヴェルナーを認めないわけにもいかなくなった。

 皇帝の座を狙うヘルフリートにとって、ヴェルナーの躍進は脅威以外の何者でもなく、兄を支持するアーネット騎士団は何としてでも解体したい騎士団であり、一方、セシリアにとっても、娘を皇太子妃、そして皇后にするためにも、ヘルフリートは何としても皇室から排除したい存在であった。

 両者は策謀を交わしあい、その結果、セシリアはヘルフリートを失脚させるだけの弱味を掴みかけるが、その行為を逆手にとった策に嵌り、第二皇子暗殺を画策していると容疑をかけられてしまう。

 ライナルトは、セシリアに単身で王都に出頭して身の潔白を証明する様に命じるが、セシリアはこれを拒否し、ライナルトと表だって対立した。

 ライナルトは、エンケルス騎士団とフォルスター騎士団にアーネット騎士団討伐を命じ、自身も出陣した。

 ヴェルナーとヴィクトリアによる説得交渉も失敗に終わり、開戦となる。

 セシリアは戦で負傷すると、メソガエアの宮殿に帰還、側近に降伏を命じた後、その傷が原因で死亡した。

 その後、エンケルス騎士団の行った調査により、セシリアが第二皇子の暗殺を企てていたという決定的証拠は上がらず、有罪と断定する事はできないとして報告を上げる。

 何故、ライナルトが出頭を命じた時、拒否したのかは意見の分かれるところであるが、一般的には出頭すれば、有無を言わさず処刑される事を警戒してできなかったというのが通説である。

 また、この一件を第三者の立ち場として調査したハルトヴィヒはプライドが許さなかったのではないかと推測している。

 建国の議の時も、娘を騎士団長に任命し、娘に臣下の礼を取らせ、自身はライナルトに対し臣下の礼はとっていない。

 再び、騎士団長になった時も臣下の礼はとらなかった。

 セシリアからすれば、ライナルトはあくまで盟友であり、宗主としてみれなかったのだろう。

 なお、この一件で、アーネット騎士団は改易となる。

 証拠不十分で、暗殺を企てたと立証する事はできないが、ライナルトからすれば、アーネット騎士団に限らず、騎士団はいずれ解体したい存在であり、出頭の命に背いた事実は改易するに十分な理由とした。

 セシリアの娘であるヴィクトリアへの風当たりも相当強くなり、離縁するように迫られるがヴェルナーはこれを断固として拒否。

 しかし、皇家虐殺で、一族を軒並み殺されてしまうと、ライナルトは一転してヴェルナーを皇太子として、ヴィクトリアを皇太子妃として皇室に向い入れ、後継者として扱った。

 となると、不名誉な死に方をしているセシリア及び、改易されたアーネット騎士団を不遇のままにしておくわけにもいかず、改易を取り消し表向きの成り行きが作られたのである。


(う~む……いよいよ墓参りか……)


 ディートハルトが憂慮していると、その辺の事情を知らない者達が、クロヴィスに話しかけ始めた。


「クロヴィス様、かなり昔の話ではございますが、在籍当時に書かれたファイアスタッフを読みました。

 水術の論文、見事ですね」


 イザークがクロヴィスの書いた水術の論文について話をふる。

 ファイアスタッフとは帝魔大が発刊している魔術雑誌であり、イザークは在学中、この雑誌を読んで過ごしていた。

、クロヴィスは帝国魔術大学の卒業生で、学位も持っており、人間にしては珍しく『水術』を専攻。

 地方領主に任命されてからも、自身の研究室を持ち、暇さえあれば、水術の研究に勤しんでいでいる。

 帝魔大には、クロヴィスが在籍時書いた論文やその時、発刊された雑誌などが保管され、学生なら自由に読む事ができたのである。


「ほう……わかるのかね? 水術が?」


「まあ……魔法は専攻していないので、術は使えませんが……術の発展には常に気を配っています」


 同じ帝魔大で成績優秀だったクロヴィスを前に、どこか照れくさそうに言葉を返すイザーク。


「私も読みました!

 それで、本当に上手くいきそうなのですか?

 というか、あの記事はもう何十年も前の記事なので、既に実現しているとか?」


 自身が氷術の使い手でもあり、水術にも興味を示している侍女のコレット。

 7人いる侍女たちの中で、今回の旅に志願したのもクロヴィスに会って術の話をしたいというものがあった。


「む? 一体何の研究をしておるのじゃ?」


 話に入れず、アグネスは少し不満に思う。


「ええ……水術で、海水から真水を効率良く取り出す研究を行っておりまして……

 これが簡単な様で中々難しく……」


「む~。地味な研究じゃのう。海戦時はともかく、あまり役に立たないのではないか?」


「姫様、戦だけが術の使い道ではありませんよ。

 それで実現は可能なのですか? それともしたのですか?」


 珍しくイザークがアグネスを諭し、嬉々としながら質問する。


「術の理論は問題ありませんが、課題は山積みでしてな……

 まだまだ、研究に研究を重ねないと……

 ですが、10年程前から、術を試すには絶好の場所というか機会を見つけまして……

 着々と成果は出ております。

 そろそろ大々的に研究成果を実証できるかと……」


 何処か含む言い方をするクロヴィス。

 ディートハルトは一瞬、何か悪巧みをしているのではと勘繰ったが、クロヴィスはいわゆる領民から重税を取り立てたり、賄賂を受け取る様な悪代官タイプではないので追求はしなかった。


「それは凄いですね! 楽しみにしていますよ」


 イザークが褒めちぎる。どうやら、自身は使えなくても術の発展の話が好きらしい。


「それは凄いのか?」


 アグネスからすれば、何がどう凄いのかわからなかった。


「普通に凄いですよ。

 海水が飲み水として使えるって事なんですよ?

 海に面していても、雨が降らない地域とか、長い航海とか……

 この術の実用化により、大きく国が変わりますよ」


 何処かイザークは興奮しており、この研究がいかに凄い事なのか熱く語りはじめる。


「まあ、水術は戦において役に立たないという認識が強いですからな。

 しかし、生活という視点でみれば、これほど役に立つ術もないかと……」


 クロヴィスがわかりやすく説明する。

 確かに火も便利だが、水も生活の必需品といえる。

 研究者らしく水術について、熱く語りはじめ、アグネスの反感を買った。


「そんな、地味な術の話よりも、はやく婆上の墓に案内せんかー!」


 クロヴィス中心に水術の話が盛り上がってしまい、アグネスは面白くなかった。


(しかし、このクロヴィスさんは、姫の誕生日プレゼントに高価な美術品を送らなきゃいけないのがよっぽど腹にすえかねていたらしいな。

 まあ、気持ちはわからなくもないが……

 美術品をプレゼントする金があったら、研究に回したいというのが本音だろう。)


 クロヴィスは話の中に、美術品を買わなければもっと術の研究に投資できるなど、不自然な話を織り交ぜて喋っていた。

 何処か毒を吐くというか、国家(中央)への不満が見え隠れしているのが見てとれたのである。

 もっとも、ディートハルトも国家というか国家の象徴に対して不満を持つ者なので、それをどうこう言うつもりはなかったが。



……――……――……――……――……――……――……


 アグネス一行はクロヴィスと別れ、2時間程、移動時間をかけて霊園に辿りついた。


「ここか……」


 アグネスはセシリア・アーネットの墓の前に立ち、墓石に刻まれた文字を確認する。

 侍女達に用意して貰った花を添え、黙祷を捧げた。


「何というか、余の婆上の墓にしては、寂しい墓じゃのう……」


 偉大な人物を弔うような墓には見えない。

 周りにはそこそこ身分の高い人物達の墓もあり、一緒くたにされている様な印象を受ける。

 かつてこの州を治めた騎士団長でもある皇太子妃の母親の墓とは思えず、子供の目から見ても、扱いが悪いのは明らかであった。

 有罪とは断定できないといっても、出頭しなかった事が災いし、セシリアの扱いは悪いままだったのである。

 ヴェルナーの取り計らいで、謀叛人としての汚名を着る事はなかったが。


(ライナルトさんは、ここに姫を自分で連れてきて、どう説明するつもりだったのか……)


 あまりライナルトがヴィクトリアについてアグネスに話そうとしないのもこの辺の事情もあるのだろうとディートハルトは思う。


(しかし何故、皇太子様は墓参りする様に促してきたのか、これなら、いっそ、しない方が余計な事を説明せずに済むし、よかったのでは?)


 ディートハルトは二つ返事で引き受けれしまった事を後悔した。

 アグネスは黙祷を捧げ終え、立ち上がる。


「ディートハルト、この後の予定は?」


「そうですね……有名な美術館がありますので、そこを巡ろうかと……」


「わかった。案内致せ!」


 アグネスが墓参りを終え、踵を返すと、老夫婦の姿が目に止まった。


「む? 奇遇じゃのう……その方らも墓参りか?」


 霊園にはアグネス一行しかいなかった。


「ええ……そんなところです」


 老婆が答えるが、二人は何処かの墓石に向う事はせず、立ち止まりアグネスをじっと見つめている。


「何じゃ? どうして余を見て泣くのじゃ?」


 二人は目を手で覆い、泣き始めていた。


「どうしてでしょうね……」


 アグネスはなおも泣き続ける老夫婦をみて困惑する。


(この老夫婦……まさか?)

「姫! 行きましょう」


「……う…うむ」


 ディートハルトはアグネスが疑問を抱く前に霊園を出る様に促した。


……――……――……――……――……――……――……


 メソガエアには美術館がある。

 やはり海に面しており、発展した港があると色々な物が流れ着く。


「ふ~む……正直よくわからんのう。綺麗なのは確かじゃが……」


 アグネスは高価そうな壺を見てつぶやく。


「姫! こちらへ」


「む?」


 ディートハルトがアグネスを連れていった先には、大広間で大きく飾られていた絵画とほぼ同サイズの絵がかけられている。

 絵の中心にいるのは二人、白馬に跨り、手にはランス、羽根飾りのある兜を被り、鎧で身を固めた、まるで戦乙女の様な美しい女性騎士と、同じく白馬に跨り、白い魔道衣を着こみ、その色から聖職者の様にも見える女性。

 どちらも金髪で青い瞳である。

 周囲には、やはり馬に跨った様々な男性騎士達が描かれている。


「なんじゃこの絵は?」


「栄光の騎士団連合という奴ですね」


「騎士団連合? ……確か、クリセに集まった騎士団の総称じゃったか?

 フォルスター騎士団はその一つだったとか」


「はいそうですね。

 その昔、クリセの地には、大小多くの騎士団が終結し、東の大陸ディオスクリアへ、魔族打倒のため出兵しました」


「ほーう」


 遥か昔、クリセの地に魔族討伐のため、中原の各州から様々な騎士団が集結したと言われている。

 騎士団は海を渡り、魔族の大陸ディオスクリアへと侵攻したが、結果は惨敗、8割が帰らぬ人となった。

 この事に恐れを成した騎士団連合の宗主国は、騎士団連合を維持させ、魔族への備えとしたとある。


「この絵はその時に集結した騎士団連合を纏めた騎士を描いたものだとされております」

(建国の議を絵にしたのは、この絵の真似ごとがしたかったんだろうな……)


「ほほう」


「それでですね。実は、アーネット家はその騎士の末裔なんじゃないかという説が……」


 魔族征伐が失敗に終わり、クリセに留まった無数の騎士団はしばらくしてから、騎士団同士で争いを始め、いわゆる群雄割拠の時代へと向かう。

 騎士団同士の争いは宗主国も手を焼き、クリセに留まらず中原では、結成と滅亡が繰り返された。

 新たに騎士団を結成しようとする者には手っ取り早く人心を掴むため、由緒ある騎士団の子孫を名乗る者も多かったという。

 勇者的存在である騎士団連合を結成した騎士の末裔を名乗る者は特に多かった。

 アーネット騎士団がその末裔とされるのはあくまで一説に過ぎない。


「なんと!」


 確かに絵を見ると、瞳や髪の色が、アグネスやヴィクトリアと一致している。

 そして、アーネット騎士団は代々女性が団長を務める家柄。


「まあ、東の大陸に渡ったっていうのが、いつなのかもはっきりしてませんし、1000年以上前なのは確かですね。

 クリセはその州だけで延々と無数の騎士団が戦を繰り返してまして、色々と分かってない事が多いという……」


「なるほどのう。お主はこの絵を見せたかったのか?」


「ええまあ……ただ、この絵は当時、描かれた絵ではないらしいですが」


「……どういうことじゃ?」


「当時、絵が描かれたのは事実なんでしょうけど、それの複製というか模写の模写のそれまた模写らしいんですよこの絵は。

 だから、画家が都合よく絵を変えている可能性を否定できないんですよね」


「ふ~む」


 アグネスは絵を改めて眺める。


「この隣にいる、魔道師っぽい女性はなんじゃ?」


「それは、その騎士の妹とされています。魔法と知略に優れ、騎士の参謀として数々の献策をおこなったとか」


「ふ~む……中々興味深い話じゃのう。この騎士に名はあるのか?」


「アドレイドと妹がアレクシアですね。

 歴史というより伝説みたいな感じですけど、何か神に祝福されし姉妹みたいな感じで、当時、こぞってこの二人を崇拝していたらしいですよ」

(崇拝したのは美人って点が大きいだろうがな……)


「流石、余の祖先じゃのう! あっぱれじゃ!」


(凄い上から目線……

 見せない方がよかったかな……)


「まあ、それでも魔族には勝てなかったんですけどね」


「う~む、残念じゃのう。

 ところで、その騎士アドレイドと爺上じゃったらどっちが強いのじゃ?」


 アグネスは答えようがない、子供らしい質問をぶつけてくる。


「さあ~?」


「……まあ、爺上の方が上じゃろうな」


 アグネスはアドレイドよりもライナルトが上と断言する。


「どうしてまた?」


「簡単じゃ!

 アドレイドはその中原にあった宗主国の命で魔族討伐を行ったのじゃろう?」


「そうですね」


「じゃが、爺上は違う!

 爺上は宗主国の言いなりになる事を拒み、宗主国を滅ぼして帝国を築いたのじゃ!

 その二人が凄ければ、そんな命令無視して、今頃、アドレイド帝国ができている筈じゃ」


「なるほど……」

(まあ、中原の宗主国といっても、オルテュギアにある国家ってだけで、政権自体は何度も代わっていそうだがな。)


 伝説の騎士団連合の時代の宗主国と、ライナルトが生まれた時代の宗主国は当然違うが、幼いアグネスにはその辺の事情はわからなかった。。


「そして、余は爺上を超える逸材じゃ!」


「はあ……何でそう思うんですか?」


「爺上が言っておったのじゃ~! 余は爺上を超える存在となっ!」


 ポーズを決め、得意満面に言い放つ。


(あのじじーは、ちと妄言が過ぎるな……

 子供に夢を見せたいのはわからなくもないが……

 言って良い事と悪い事がある。)


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