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21②-⑦:この世界とあの子の未来は、
「さあ、このぐらいでいいだろう。カイゼル、準備はいいか?」
「ああ」
北の地一帯を見渡せる高度まで上がると、2人はふうと一呼吸ついた。そして、以前にホリアンサでやったのと同じ内容の詠唱を始める。それと同時に、前と同じく、青白い光と白の光の魔方陣が、上空に広がり始めた。
用意はいいかと自身を見たテスに、カイゼルは頷き返すと、テスの手をとって握った。前の時よりもぎゅっと強く握られ、カイゼルは少し不審に思うが次の瞬間には忘れる。青と白の魔方陣が融合したのを確認すると、2人は魔方陣に、足をがんと落とした。
「「発動!!」」
その言葉と同時に、魔法陣が広がっていく。やがて、北の地の空をすべて覆う程に展開されたそれは、昼間の太陽よりも明るく輝き、地表を照らした。
魔方陣の下に、青白い光の球体と、白い光の球体がいくつもできる。そして、水色の矢と白い矢が、地上へと降り注ぎ始めた。
光の矢は、北の大地に降り注ぎ、神の涙と瞳に汚染された大地を浄化していく。その幻想的な光景に、地上にいたセシルたちは、魔方陣が完全に消えるまで、ただただ見とれていた。