21③-④:あはは…仲いいなあ。
『おい、テス!やっと来たか』
その声に、テスは、はっと振り返った。すると、そこには、ジュリアン・アークライトの姿があった。
『まったく、ここまで来るのに何年かかってんだよ』
ジュリアンは、やれやれと呆れて見せながら、テスの肩に手をやった
『ギャッ!!』
瞬間に、ジュリアンは顔面にパンチを食らわされ、ひっくり返った。
『なにすんだ!せっかくの感動の再開に、この野郎!!』
「別にお前の顔なんて見飽きているし、今ではもう一人同じ顔がいるし…今更感動なんてする訳ないだろう?」
テスは面倒くさそうに、ジュリアンを見下しながら言った。
『てめえ!!』
「はいはい、喧嘩は終わり。仲良くね!」
まあまあと間に入ったセシルは、
「ぎゃあ!!」
テスに殴りかかろうとしたジュリアンのパンチと、それを迎え撃とうとしたテスのパンチを両頬に受けた。
「『あ」』
2人の間抜けた声に、セシルはぐぐぐと拳を握る。
「『ご、ごめ…「て・め・え・ら…」
セシルは「許さん」と叫びながら、ジュリアンに飛びかかっていった。『何でオレだけなんだ?!』とボカボカと殴られるジュリアンに、「第一、てめえが同じ顔なのが腹立ってたんだ!」とセシルは叫びつつ殴る。テスが慌ててセシルを引き剥がしにかかるが、テスはセシルから顎下にアッパーを喰らいひっくり返った。
「あはは…仲いいなあ」
リアンは3人の取っ組み合いを見て、苦笑いしながら引いていた。