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遊園地で一休み
祐二は、郊外の小さな遊園地にいた。
「昔、ここに来たなあ。」
弟が産まれる前、一度だけ両親と一緒に来たことがあった。忙しい父親の久しぶりの休みだ。大型台風が接近していたが、キャラクターショーを見にきたのだ。家を出るときは穏やかだった天候が、到着するころには大荒れになっていた。
「本日は暴風雨のため、屋外の乗り物はすべて休止しております。」
入り口に大きな張り紙があった。観覧車もジェットコースターも動かない。キャラクターショーも予定より短い時間できりあげられた。そんな中で、唯一行っていたのは、お化け屋敷だった。
「せっかく来たんだ。入ってみよう。」
父親の言葉に
「いやよ、外で待っているから二人で行ってきて。」
と、こわがりの母親は拒んだ。
「しかたない、温泉でも行って帰ろうか。」
三人は、お化け屋敷には入らず、そのまま駐車場へと引き上げていった。
「霊を連れてくることはできないしなあ。」
祐二は、うらめしそうに人の入らないお化け屋敷をベンチに座りながら一人で見つめていた。




