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歌い継がれる者達  作者: 人生送りバント
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サルートの勇者3

自分で読んでもちょっと一話一話が短い気もするから少し増やしたけど文章の区切りが分からん



まだ肌寒い早朝ローツ達四人は村の出口に集まっていた


これから山の探索をするのだが村長が言うには山で見かけられたゴブリンの数は多くても数匹だろうということだった


流石に数匹のゴブリンに後れを取ることも無いだろうが用心に越したことは無い


『準備は良いかい?』

少し緊張した顔で皆を見回しローツは声を掛けた


『ええ、天気も良いし絶好の山狩りね!』

リリーシュが頼もしい返事を返す

『ローツこそ忘れ物は無いかね?』

カリスがおどけた感じで応える

この魔法使いはおおよそ市井に居る魔法使い達と違って剽軽な所があった

『親父の鎧に剣、ロープやランタン松明昨日の夜に母さんも一緒に確認したさ』

昨日は村長に大人になったと豪語していたローツだがカリスはまだまだ子供のようだと心の中でそっと微笑んだ

『では・・・・ヴァースの加護が御座います様に・・・』

腕を十字に組みヴァース神への祈りをアーズが捧げると

『よし!出発だ!』

ローツは高らかに号令し山へ続く道へと一歩を踏み出した



差ほど険しくない人の手の入った林道をリリーシュとローツを先頭に真ん中をカリス最後尾にアーズの形で進み索敵と同時に魔獣避けの聖水をそこかしこに振り撒いて行った


太陽の日差しがローツ達の真上に降り注ぎはじめる頃第一の目的地である溜池にまでたどり着いた


『やっと三分の一位かな?』

ローツは水で濡らしたぼろ切れで汗をかいた顔と腕や足を拭ってそうもらした

『今年は本当に魔物達が少ないようだね』

半日山の中を歩き一匹もゴブリンを見なかったのである

索敵をしながらで有るから一匹位は発見出来そうなのだが

カリスは少々考え込みながら

『もしかしたらゴブリン達はリーダーの様な者が出てきたのかも知れない』


ローツはその言葉に驚きながら 

『どういうことだい!?数が少ないのとリーダーが現れることのどういった関係が有るんだ?』


アーズがおもむろに答えた

『リーダーが統率しているということは秩序ある行動を取っているということが考えられる。むやみに人を襲わずケモノ達を狩り飢えを満たしているのだろう、人を襲えば排除される事を知っているのだろうね見かけられたゴブリン達は怪我や病で見捨てられたもの達なんだろう。』

カリスも同意見だったようで頷きながら道すがら摘んでいた木の実をかじっていた


『ではどうすれば良いんだ?ゴブリン達は何処へ隠れているんだ?山の獣を狩り尽くせば必ず人里を襲うだろ?』

ローツはどうすれば良いのか分からずに答えた


『とりあえず索敵をしながら目的地である大地母神の祠まで行ってみようよ!』

まだまだ元気一杯のリリーシュが提案する


『そうだな・・・何処に居るかも分からないゴブリン達を探しても日が暮れるだけだ祠まで向かってそこにキャンプを張ろう』

ローツは問題ないさといった感じで皆にそう言った


この溜池から祠までは凡そ2ゲル(時間)程で着くはずだ

そこでキャンプを張り明日の事とゴブリンの巣穴を探す事にしよう

皆が意見を揃えると荷物を背負い一声かける

『今の所危険も無く初めてのお使いに行く子供みたいだが気を抜かないようにな』

そんなローツの台詞を聞き

ローツ以外の三人は顔を見合わせ大声で笑いあった



祠までの道も特に危険もなく進めたが当の祠が朽ち果てていた何物かに破壊されたような感じであった


『これは獣の仕業じゃないな・・・』

カリスは地面に残った足跡や破壊された破片を拾い集めて呟くアーズも祠の破片を纏めながら頷く

『魔物の仕業か?ここは大地母神の加護が働いてるんじゃ無かったのか?』

ローツが心配そうにアーズに聞く

『このような山の祠などでは加護と言っても大した力も働かないのですよ』

アーズはやや寂しそうに答えた

『神殿や王宮の祭壇では毎日祈りと供物が捧げられて居るから加護も強く働くのだけどね・・・』


村のヴァース教会でも村人達が少ない収穫物を捧げ祈りをあげている、だからこそ村自体に魔物が近づくことは殆ど無かったのだ


『とにかく祠の周りを綺麗にしてキャンプを張ろうゴブリンや祠の始末を考えるのはそれからだ』

祠を破壊した魔物を想像し薄寒い気配を背中に感じ急いで片付けるのだった

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