~ song of Brave
初投稿です
適当に流して書いてるので気楽に読んでつまらなかったら回れ右してください
練習も兼ねて始めます
然程大きくもない街の酒場。
仕事終りの冒険者達やならず者達の声を押しとどめ銀のハープの音色に乗せ朗々と歌われていた・・・
其は若人たちの挑戦
小さな一歩と笑う勿れ
猛る血潮と静謐なる祈り
古代の英知に精霊の囁き
冒険の果てに何を得何を失くしたか・・・・・・
キャリバス王国の辺鄙な村の駆け出し冒険者の歌だ伝説や神話などの歌ではないのに店の客たちは思い思いに思案に耽りながら静かに歌を聴きグラスやジョッキを傾けていた
キャリバス王国とリサラ教国の北の国境沿いにサルートと呼ばれる小さな村がある
特産物は山で採れる様々な薬草と稀に川で採れる宝石の原石などだ
しかし山には醜悪なゴブリンや時折オークもう何年も見かけては居ないがオーガー等も出ることがあった
そのため村では毎年冬が明ける年の初めに何人かの冒険者を雇ってその危険を排除してきた
しかし今年は違っていた
『俺ももう17歳だ!稽古もつけて貰ったし古くはなっているが鎧も剣も揃ってる!』
若々しく張りのある声が村長の家の中に響く
『だがのう・・・・』
村長は少々困ったように髭を撫でつけながら呟いた
『私も少しでもこの村のために働かせて欲しいの』
凛と透き通るような声で人とは違ったシュッと尖った形の耳をした少女が若者を後押しする発言をする
前の年の秋に森の中で怪我をして動けずにいる所をローツに助けられたハーフエルフの娘だ
『しかしゴブリンならまだしもオーガーやオークなんかの群れがいたらどうするのじゃ!
お前達では殺されてしまうじゃろう!!!』
村長の怒鳴り声が響く
『その時はシシーリュの精霊魔法で逃げるさ!』
ローツは答えシシーリュと呼ばれたハーフエルフの娘も頷く
『そんなに上手く逃げられるものかね!』
村長の妻が心配そうに声を上げる
『ローツ貴方は貴方の父親と同じ道を辿りたいの?』
ローツと呼ばれた少年の父親は冒険者としてこの村へきて村娘だった母親と出会い結ばれこの地で生涯を終えたのだった
『父さんは村を守って倒れたんだ!俺にだってその血は流れてる!』
強く拳を握り締め声を上げた少年を止める方法は無さそうだった
村長は困った奴だと思いながら
『二人だけでは不安じゃ、まず村の薬屋の魔法使いのカリスとヴァース教会の神官アズル様を呼んで参れ話はそれからにしよう』