あらすじ
ファンタジーの物語で良くある物といえば、何が思い浮かぶでしょうか。
異世界にトリップ?チート勇者になって魔王討伐?異世界に転生して自由にスローライフ?
私、棗香凛の場合は、友人に誘われて異世界にトリップしていた。
元々、私は日本に住んでいた一人の少女だった。両親は生粋の日本人で、兄と妹がいた。
転生するまでは普通の一般家庭にいるごく普通の中学生。
容姿も普通、勉強も普通。どこにでもいる平凡な中学生だった。
転生するきっかけになったのは、ある女の子が私の通っている学校に転校してきて、私と同じクラスになったことだ。
その子は、アメリカ人と日本人のハーフでとても可愛い子だった。性格も明るく陽気で、いつの間にか私と彼女は友だちになっていた。
そんな彼女からある日、頼みごとをされた。
『香凛!お願い、一緒に異世界に行ってくれない!?』
最初(何を言ってるんだこの人わ)と思ったけれど、その瞬間、意識がなくなって、気づけば異世界に来ていた。でもその時はまだ日本人のままだった。
いきなり異世界に来た私を待っていたのは、勇者になった彼女を支える役目だった。
彼女はとても強かったのだけれど、自分一人じゃ生活が出来ない程のドジ娘だった。だから彼女の周りの世話や、彼女が寝てる間の警備、彼女の精神的サポート、覚えられることは全部覚えた。
気づけば勇者である彼女を追い越すほどの実力を身につけてしまっていた。
でも出しゃばる事はしなかった。だって、勇者は彼女なのだもの。
魔王を討伐して、彼女は王族と結婚した。私も一緒に旅に同行していた神官と大恋愛の末に結婚した。
子供も出来て幸せな日々を送った。お婆ちゃんになって孫も出来て、夫に見送られながら私の一生は終わった。
はずなのに、『私』は目を開いた。
目の前に見えたのは、青い空みたいな瞳と白銀の髪の綺麗な女の人だった。思わず大きく口を開けて唖然とする。
「あらっ」
私の視線に気付いたのか、女性は蕩ける様な笑みで私を見て私を抱き上げた。柔らかい胸の感触が心地いい。
あれ?でも、確か私は死んだはず・・・・・・。慌てて周りを見れば、見覚えのない部屋だった。豪華な調度品に大きなベット。大きな本棚にぎっしりと詰まった本棚。ふかふかそうな赤い絨毯。
近くにはメイドさんが二人立っていた。
生前私が住んでいた家とは大違いな程豪華な部屋だった。いや、私の部屋も豪華だったがここまで豪華ではなかった。部屋に虎の毛皮なんて置いてなかったし。メイドさんいなかったもん。
しかし、女性はその光景が当たり前のように、私を抱き抱えてニコリと微笑んだ。
「ようやくお目覚めね、わたくしのお姫様」
そう言って私の額にキスをした。驚いて声を上げると口から「あぶっ」という可愛らしい赤ちゃんの声が聞こえてきた。
あれ、おかしい。私赤ちゃんじゃないのに。なんで自分の口から可愛らしい声が聞こえてくるのかしら?
「お父様はまだだから先にご飯食べましょうか」
そう言って私の目の前で、ニコリと女性が自分の大きな胸を曝け出したところでようやく気づいた。
異世界にトリップしたと思ったら、異世界に転生していた。
目の前にいる彼女は『今の私』の母親なのだろう。
「あぶぶぶぶぅぅぅううううううううう!!??(えぇえええええええええええええええ!!??」
そうして私は、異世界で第二の人生を歩むことになった。
更に驚いたのは、この世界が私と勇者になった友達が過ごした世界と同じ世界だという事と、私が死んでから約300年も経った世界だった事だろうか。
しかも以前の自分が身につけた魔力とかあるもんだから、ある意味チート。
どうしよう第二の人生。