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許せ、勇者ども!!  作者:
本編
4/20

とあるバーでの事情説明

 翌日。


 面接会場を抜けてきた後、陽介は仲間と待ち合わせをしていたバーに行った。


 ドアを開けて入ると、そこは薄暗い青いライトに包まれている広々とした空間があった。


「陽介さん、お帰り」


「お疲れ様です」


「……帰って来たか」


 そして、彼はそこのカウンターにいる男女合わせて三人の客に反応された。


 陽介は、カウンターへと向かった。


 ―――


「陽介さん、実はちょっと盗聴器を仕掛けてみたのですが」


 パソコンをいじっている、黒いフレームのメガネをかけている女性――緒方(おがた)真由美(まゆみ)――は、パソコンに向かいながら陽介に話し掛けた。


「『一次計画』とか『二次計画』とか、あたしには分からない事だらけなので、説明していただけませんか?」


「そうそう、それ聞いてみたかったんだよねー」


「……俺も」


 真由美の質問に賛同するもう一人の女性――狩野(かりの)(みやび)――と一人の黒髪の男性――秋本(あきもと)誠護(せいご)――。


「話せば長くなるのだが」


 陽介は躊躇する。


「えー、じゃあ話さなくていい」


 雅はそのポニーテールのピンクの髪をいじり始める。


「雅さん、長い話が嫌いだからって、それは無いですよ。……第一、今回は重要な話なので、聞いてもらわないと困ります」


 真由美はパソコンに向かいながら話す。


「……お前はその癖を治したらどうだ?」


 誠護に言われ、黙るしか無くなった真由美。


「茶番は終わったか?」


 陽介が言うと、目をつぶって話始めた。


 ―――――

(陽介の目線)


 十年前。


 その頃、児童養護施設に入っていた俺は、ある男に拾われた。


 その男の名は、九条(くじょう)(あきら)


 前回の件――いや、今回のもか――についての研究者だ。


 九条は、俺がいた児童養護施設にいた俺を含めて全員を受け取ると言った。


 そして、引き取られた俺たちはあの計画の実験台とされた。


 その時の理想の超能力の在り方というのは、ある一定の能力を存分に発揮させること。


 だが、実験は全員失敗。


 俺みたいにほんの少しの力だが、多数の力を出すことが出来る奴も失敗作とされた。


 そして、俺たちはまた捨てられた。


 それから、俺たちは個人で生きることにして、別れたんだ。


 ―――


 それから七年の月日が流れた。


 俺たちは同窓会を開いて再会して、そこから皆で飲みに行ったんだ。


 俺の隣にたまたまあの研究所で働いている奴がいたんだ。


 そこで、『二次計画』について知ったんだ。


 ―――――


「……へぇ〜。

 陽介さんも被害者(・・・)だったんですか〜」


 と真由美は言い、続けて、


「……で? 結局、『二次計画』って何なんですか?」


「あぁ、『二次計画』は……」


 そう言い掛けると、いきなりドアがバン!!!! と壊れ、軍隊の服を着た男たちが二十人くらい入ってきた。


「それ以上、話されては困るんだけどねぇ、……神谷陽介君?」


 そのうちの一人の白衣を着た男が言った。


「…………」


「まぁ、いいや。……じゃあ、()っといて」


 と彼は言うと、去って行ってしまった。


 二十人くらいの男たちは陽介達の周りを囲んだ。


 そして、銃を構えている。


「まぁ、そんな焦んなよ。ここは穏便にやって行こうじゃないか。まずはここを離れるとか」


 陽介がそう言うと、


「……そうだな。ここを離れた方がいいと思うぞ」


 誠護が続く。


「匿名の警察組織を呼んだ。その組織はお前らのようなヤツを追っている組織で、場合によっては、かなり酷い手を使うことがある。それに、意外とおしゃべりだから、メディアにリークされるぞ? お前らのおエライ様方はまだそれを望んでいないはずだ。そういう目に会いたくないならさっさと去れ。俺たちも争い合いたくない」


 陽介が脅す。


「覚えてろよ!」


 と二十人くらいの男たちのうちのリーダー格らしい一人の男がいい、彼らは去って行った。


「よくあるセリフだな」


 誠護は無表情で吐き捨て、続けて、


「俺たちも行くか。

 ……マスター、ごちそうさま。騒がせてしまって、ごめんなさい」


 ぺこりと頭を下げると、四人は去って行った。


 ―――


 とある街で。


「で? 結局、『二次計画』って何なの?」


 雅が聞くと、


「『一次計画』の超能力の在り方が逆になったんだ」


「……? それってつまり……どういうこと?」


「つまり、『二次計画』は、大きな力で多数の力が出せることが在り方になったんだ」


「で、本当は在り方なんてどうでも良くて、人体実験をしてそれを得たっていうのがダメだから、俺たちはそれを止めに行くんだよね」


 誠護が最後に付け足した。

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