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プロローグ
その日は曇っているだけの普通の朝だった。
雨が降ったら面倒くさいな、などと一人で考え一人でもやもやっとした気持ちになる。
どうせこんな日に良い事なんぞ起こりっこないんだから、学校なんていう得をしてるんだか分からないような場所へ赴き、わざわざ憂鬱な気分になってくることないんじゃないか、などと考えたりするのだが、結局はそういう訳にもいかず、妻と子供がいるのに、徴兵令で駆り出されることとなった若者のような面持ちで、学校という名の牢獄へ向かうのである。
そう、ここまではよくある日常だった。
なんてことはない、誰もが考えたことがあるであろう事を考え、少し先の未来に不安など抱かない、ただの高校一年生さ。
このときまでは俺の日常は普通というレールの上を順調に進んでいた。
たいして俺は非日常に興味があるわけでもない。
俺なんかに不思議をよこすくらいだったらオカルト好きでも選んでやったほうがよかったんじゃないのかね、神様?






