第十三話 コンフュージョン
港へ向かう途中、アンソニーに出会った。彼はなぜか、来る時に持ってきた大きなバックパックを背負っていた。アンソニーは、その荷物を背負ったまま急いで走っている。クライドに気づかないのか、アンソニーはクライドの目の前にある十字路を右に曲がっていこうとしている。
「おい! どうしたんだよ、トニー」
声をかけると、アンソニーは止まってクライドのほうを向く。そして、少しだけ悲しそうな目をした。この行動だけで、先ほどしたのは『気づかなかったふり』だったのだとクライドにはすぐに解った。アンソニーは、クライドを無視してどこかへいくつもりだったらしい。どこへ? そんなもの、もう知れている。
気まずそうに少し沈黙した後、アンソニーはゆっくりと口を開く。クライドにとっては、その一挙一動でさえ不安をつくる元になった。予感は数秒後に確定する。それでも、この少年の口から決別を告げられるのは心にくるものがある。
「僕はグレンを支えなきゃ」
潮騒が遠く聴覚の隅に聞こえて、どこか遠くで子供が能天気にはしゃぐ声も聞こえる。それでも彼の呟くような声は、やけにはっきりと耳に届いた。
「……トニー」
力なく名前を呼ぶことしかクライドにはできなかった。支えなきゃ、そう言うアンソニーにクライドも同感だった。あの状態のグレンを一人にしたくないとは、クライドも思った。グレンとは酷いことをたくさん言い合って、取り返しのつかないところまでこじれてしまった。クライド以外の誰かが傍について道を矯正しなければ、グレンはがむしゃらに無茶をしてシェリーにたどり着く前に道を断たれそうな気がした。
しかし、派手に喧嘩別れしてしまったグレンのもとにアンソニーが行ってしまえば、この別れは永遠のものとなってしまうような気がした。シェリーもグレンもいなくなった今、アンソニーまで離れてしまうなんてクライドには堪える。アンソニーは寂しそうに目を伏せて、本当に申し訳なさそうにしていた。決意は固いらしい。
「クライドも、解るよね? あんなグレン放っておいたら、無茶苦茶やって警察に逮捕されたり軍に撃たれたりしそう」
真摯な目で見つめられ、クライドはたじろいだ。彼の、あどけなさを残した声。今のクライドの脳内で、その声は完全に聞きたくない方に分類されていた。
「そうだな」
ようやく言葉を返すと、アンソニーは柔らかく微笑んだ。心配ないよと言いたげな、けれど不安そうな、矛盾に満ちた笑みだった。
これまでずっと一緒に笑い合ってきたのに。これからもずっと笑い合っていけるはずだったのに。どうしてこんな風に、何もかもが壊れていってしまうのだろう。グレンとの決定的な別れもまだ飲み込めずにいるというのに、アンソニーとの距離までこれ以上遠く感じたくない。
「頑張ってグレンのこと、説得するよ。うまくいくように頑張る。けど、これからずっと別行動になっちゃうかもしれない。だから先に言っておくね、ごめん」
「俺もごめん、あのさ…… もしシェリーを見つけてちゃんとみんな揃ったとしても、グレンには二度と口きいてもらえないかもしれない」
不安を思わず吐露すると、アンソニーはぎこちなく笑った。彼にとってもまた、クライドとグレンの関係は懸念事項だろう。町でのクライドたちは昔から四人で、夏からはシェリーと五人で楽しくやっていた。それが、ばらばらになりつつあるのだから。
「大丈夫だよ。頑張るから。きっと、うまくいくから。僕はみんな一緒がいいんだ。シェリーだって絶対そうだよ」
アンソニーはずり落ちてきていた肩ひもを手で直して、クライドをまっすぐに見つめる。彼はもう行かなくてはならないのだ、グレンがどんどん遠くに行ってしまう。
「クライドはノエルと一緒に、確実にシェリーへ向かって。僕、グレンにあわせてがむしゃらにシェリーを追っかける。じゃあね、クライド」
彼に別れを告げられた。それなのにやはり何も言えなくて、クライドは無言でアンソニーを見返した。彼は哀しそうな微笑みを残し、そっとクライドに背を向けた。それきり振り返らずに、アンソニーは駆けていく。最初に見たときには気づかなかったが、アンソニーのバックパックからグレンのバッグの肩紐が覗いているのが見えた。なぜか今頃になって、はっきりと見えた。
やがて小さくなっていくアンソニーの後姿が、魚屋の角を曲がって消えていった。どうしようもなく悲しくて、クライドは港まで俯いて歩き続けた。
港に行くと、サラが駆け寄ってきた。差し出された携帯を受け取ったクライドは、俯いたまま一言だけ呟いた。
「ごめん」
それしか言えなかった。次の言葉を探して悶々と考え込むクライドに対して、サラはいいんだよという風に微笑む。そして、そっとクライドの腕を引いた。顔を上げると、ノエルがいつもどおりに微笑して立っていた。その姿を視界で確認した瞬間、ずきりと胸が痛んだ。彼に気を遣わせている。シェリーはノエルにとっても大事な友達なのだから、本来だったら誘拐されて平然と笑っていられるはずがないのだ。
気まずくなって何もいえなくなるクライドに、歩み寄ってくるノエル。何を言われるのだろうと身構えると、ノエルはまったくいつもどおりに言った。
「彼は感情的だから、こうなるのは予測がついたよ。僕らがシェリーを見つける頃には、気まずそうに謝ってくると思う。殴られたり蹴られたりしたところは大丈夫かい? サラを怖がらせるなんて、帰ってきたらグレンにはきつく説教しなくちゃ」
拍子抜けした。
グレンは隠すことなく敵対心を見せ付けて去って行ったし、そんなグレンを追いかけていったアンソニーもクライドに愛想を尽かしているのだと思っていた。それなのに、ノエルは怒るわけでも呆れるわけでもなく、ただ傍にいてくれる。クライドの犯したミスのリカバリーを、一緒にやろうとしてくれているのだ。
長いあいだ一緒にいて、クライドの性格をよく解ってくれているからだろうか。それとも、ノエルもクライドと似たような考えをしているからだろうか。自分を責めやすいところは、クライドにもノエルにもある点だ。
ノエルはサラの方を向いて、いつもどおりの穏やかな微笑を彼女に向けた。彼の骨ばった腕と、彼女のほっそりとした白い腕に、同じデザインの細身のバングルがつけてあるのが見える。
「サラ、ごめんね。僕が迎えに行けばよかったんだ」
「そんなことない、それにあの人、最初からシェリーのことばっかり狙ってるみたいだったの…… 罠、って言ってたのも気になる」
「聞いた様子だと注射されたのは睡眠薬の類だろうから、直ちに彼女の命を脅かすことはないと思う。ひとまず安心して」
二人の理性的な会話を聞きながら、シェリーが絞り出すようにつぶやいた『罠』という言葉をクライドもやっと思い出した。サラは泣きはらした目を細めて、精一杯笑顔を浮かべている。
「ノエル、ごめんね。こんな危ないこと、ノエルに頼んでごめんね…… ねえ、やっぱり私も一緒に行っちゃだめかな。はやくシェリーに会いたい」
「ダメだよ、残って。不安だろうけど、残って情報を整理する担当も必要なんだ。君にそれを、すべて託す」
「……うん、言ってみただけ。ノエルの判断を信じているよ。任せて」
きっぱりとそう言ったサラは、震えるような息を吐いて口角を上げて見せる。ノエルがそんなサラをじっと見つめて、潮風に煽られた彼女の亜麻色の髪を左手でそっと撫でつけた。サラの澄んだヘーゼルの目が潤む。
「さ、さっきの、復唱するよ。警察の連絡を待つ、イノセントに協力を依頼、それから市役所の広報にも連絡。全部終わったらスーさん、学校、片っ端からすべての知り合いに情報提供をお願いする…… だね」
「完璧だよ。お願いね、サラ」
ノエルとサラのやりとりを聞きながら、クライドは考える。二人はもっと一緒にいたかったはずなのだ。それでもグレンとアンソニーが行ってしまったから、残ったメンバーでちゃんと役割を考えて行動してくれている。冷静な判断で、ノエルは確実にシェリーに近づこうとしている。
またクライドのせいで、再会を喜び合っていた大事な友達が傷ついた。もうこんなのは嫌だ。だから、早くシェリーを見つけよう。そうすればすべて解決する。
「いってらっしゃい、ノエル、クライド」
サラの声に振り返り、彼女に頷いてみせる。サラは小さく手を振って、こちらに背を向けた。クライドは漁船のタラップを素早く駆け上がり、一度置いた荷物を持ってきた。
船室は夏の日差しを受けていて、かなり蒸し暑かった。この船室には鍵がかけられるようになっていたが、鍵は鍵穴に差したままになっていた。アンソニーがクライドとノエルのことを考えておいていったのだろう。
ノエルの分の荷物もとってきて、船を降りるとサラの後姿が街のほうへ向かっているのがまだ見えた。彼女は小走りになり、時々手の甲で涙を拭うようなしぐさをしながら街へと消えていく。
ノエルはそんなサラを、無言で見送っていた。無言で、一秒だって無駄にしたくないとでもいうふうに、じっと目を逸らさずに。彼はクライドが隣に立っても、反応を示さなかった。
「ブリジットに連絡したほうが良いんじゃないのかい。サラが言ってくれるとは思うけど」
反応を示さなくても、クライドが隣にいることはちゃんと解っていたようだった。そんなノエルの態度を見ていると、罪悪感に胸が苦しめられる。
クライドは黙って携帯を取り出して、ブリジットの店に電話をかけた。電話に出たのはイノセントで、ブリジットはつわりが酷くて話ができない状況なのだと言った。
「どうした」
電話を通して聞くと、通常より無愛想さが目立つ彼の声。それでも、出逢った頃よりは大分やわらかくなっている。
イノセントには、一体どんな反応をされるのだろう。シェリーとイノセントにそんなに深い交流はないだろうが、弟の恋人が誘拐されたら兄は普通怒るだろう。クライドはイノセントにも怒られるのだろうか。さすがにグレンのような反応はしないと思いたいが、グレンに少し似たイノセントの声で罵倒されたらもう精神がもたない。
「シェリーが誘拐された。俺、目の前にいたのに救えなかった」
声を絞り出すようにして、やっとのことでそういった。イノセントは怒るかと思ったのに、意外と冷静だった。そして、クライドを責めようとはしなかった。
少しだけ救われた気になったが、すぐに思いなおす。クライドが救われてどうするんだ。本当に救われるべきなのは、誘拐されてしまったシェリーなのだ。
「まずはシェリーが目の前で殺されなかったことを喜べ。犯人は」
冷静に、そう訊ねられた。喜ぶことは出来ないが、確かに殺されていないだけまだ事態を好転させようがある。明らかにクライドより死線をくぐった経験が豊富なイノセントの話す言葉には、確かな説得力があった。
まだ望みはある。けれど、デゼルトのことを思い出すと胸がしめつけられたようになる。あの暴力的な男のことだから、シェリーに何をするかわからない。
「デゼルトっていうんだ。去年、治安が悪い島…… ソイラ領のルア・メレヤで出会った。自称海賊の謎の女の相方、だったと思う。なのにあいつ、白衣なんか着て。何でか知らないけど、軽トラに乗って首都の方に…… シェリーが、罠って言いながら気を失った。なんか注射みたいなの刺されて、シェリーがやたら狙われたってサラが」
言いたいことがありすぎたし、シェリーのことが心配で、満足な答えができなかった。イノセントは静かにクライドの話に耳を傾けていたが、クライドが言葉を切ったとたんに声をかけてきた。
「落ち着け。グレンはお前を置いて追いかけたのか? そんな気がする」
「うん」
「あいつはおそらく誘拐犯を刺激する。先に辿りついて、お前がそれを阻止しろ。確実な情報だけを信用して動け」
「ありがとう」
「その場で殺さなかったということは、シェリーには利用価値がある。きっとまだしばらくは生きている」
こういうところで、イノセントとの歳の差を感じた。イノセントは弟の恋人が誘拐されたというのに冷静で、クライドへの的確な指示をしてくれる。普段に比べれば圧倒的に多い言葉数が、クライドを安心させるために不器用に積み重ねられている。
「必ず取り返せると信じろ」
「うん、ごめん。本当にありがとう、あとでサラがそっちに向かう」
「ああ。何かわかったらすぐに連絡する」
ぷつりと電話が切れる。イノセントの電話はいつも唐突に切れるので、何だか戸惑ってしまう。いつもといっても、彼と電話で話をしたのなんて今回が三度目なのだが。戸惑いつつもクライドは携帯をポケットに仕舞った。
ノエルはクライドが通話を終えたのを見計らって、自分の荷物を持って歩き始めた。クライドは、荷物を持ち上げて彼の後を追った。
「デゼルトが消えた場所まで案内して」
「ああ」
頷きながら、交差点の方へ足を向ける。ノエルはクライドの隣を歩きながら、穏やかな声で続けた。全くいつも通りのその声が、余計にクライドを苦しめた。
本当はサラと一緒にいたかったはずなのに、ノエルは自分の気持ちを殺しているのだ。そうしていなくなった友達のために、冷静に状況を判断して捜査に徹する。そんな彼にどう接していいのか解らなくなって、クライドは黙り込む。
「首都方面だけど、行き先が首都って決まったわけじゃないよね。聞き込みをしよう」
半ば説得するような言い方で、ノエルは言う。クライドは彼を見て、頷いた。夏が似合わないノエルは、鬱陶しそうに目を細めながら空を見上げたりしている。病弱そうな白い肌には、うっすらと汗が滲んでいた。
「暑いね」
「半袖着れば」
「持っていないんだよ」
「それ、ある意味凄いな」
折角始まった会話も、どこかぎこちなくて冷たい感じがする。クライドは居心地の悪さを感じながら、入道雲がそびえる空を見上げた。一度はシェリーのことだけ考えていたのに、やはりノエルの様子を見て心が揺れた。
隣で、ノエルの苛立たしげなため息が聞こえた。ついにクライドも愛想をつかされてしまったのか。ちらりと彼のほうを向くと、彼の知的な緑色の瞳がこちらをじっと見つめていた。
「ねえクライド、似たような思考回路の僕にこんなことを言われるのは心外だろうけれど、一つだけ言わせて。去年の君ならもっと的確に、シェリーを探すためだけにエネルギーを使っていたよ」
その言葉は、クライドの心の中に確かな変化をもたらした。
去年の自分。
そうだ、去年クライドは誓ったのだ。野生の熊に襲われた時。森でさ迷った時。鐘泥棒たちと対峙した時…… あの旅でクライドは、何があっても諦めないと誓った。最後まであがいて、最優先に仲間を助けることを強く心に決めたはずなのだ。想像の力はそのためにある。
なのに今はどうだ。うじうじと悩んでばかりで、全く何も行動できていない。
「……ノエル」
大事なことを忘れていた。
後悔ならいくらでもできる。だが、後悔してかえってくるものは何も無い。解っていたのに、クライドは馬鹿みたいに悩んでばかりいた。もう失敗についての悩みも、シェリーの安否に対する不安も振り切らなくては。彼が言うとおり、前に進むことだけを考えよう。
「ごめん、言いすぎたね」
「いや、ありがと。俺、シェリーのことだけ考える」
微笑めば、ノエルもほっとしたように微笑してくれた。二人で、最後にデゼルトを見た交差点に向かう。人通りが少なかったが、椅子に座った老女が一人でぼうっと通りを眺めていた。
あの老女なら、デゼルトの行く先を見たかもしれない。クライドは、彼女に歩み寄って声をかけた。
「あの」
老女は無反応だった。聞こえていなかったのかと思い、もう一度声をかける。
「あの、すみません。あのー」
やはり老女は反応を見せず、ぼんやりと通りを眺めていた。クライドは首を捻りながら、辺りを見回す。若い男性と目が合った。
「やめときな。その婆さん、耳聞こえてねえ」
彼は低い声でそう言って、こちらに歩み寄ってきた。無精ひげの生えた、二十代前半ぐらいの男性。彼は容姿で言うなら、金髪碧眼の典型的なラジェルナ人だ。
「白い軽トラを探してるんです。額に赤い鉢巻を巻いた男と、赤毛の女の子が乗っているんですが。見ませんでしたか? 二人を追ってるんです」
車のナンバーを伝え忘れたので付け加えようとしたら、男は不快そうに眉をしかめた。クライドが黙り込むと、男は舌打ちしてから話始めた。
「ああ、車の中で大喧嘩してたな。窓を開けっ放しにしていたからよく聞こえた。うっせえの何のって。信号待ちで止まったんだ、この次の交差点で」
そんな。そこで止まったのなら、追いかければ追いつけたかもしれない。しかもシェリーは、短期間で意識を取り戻したのだ。呆然としていると、ノエルがクライドの肩を励ますようにぽんと叩いた。そして、クライドに代わって男に質問をした。
「二人は、何を話していたんですか?」
「降ろせとか離せとか、女の方が喚き散らしてたな。煩かったから怒鳴ってやったよ。男の方は、空港に着くまで大人しくしろとか言ってたな……」
「空港?」
そこですかさず聞き返したノエルに向かって、男は頷いた。そして、西の方を指さす。大通りを歩いた先だ。
「この辺りで一番近い空港といったら、スウェント国際空港だな。違うかもしれんが、一度行ってみろ。あの赤い鉢巻はかなり目立つからな。もしかしたら、見た奴がいるかもしれん」
これはかなり有力な情報だ。クライドは、男に頭を下げた。
「ありがとうございました」
「何だか知らんが、頑張れよ」
男は人の良さそうな笑みを浮かべて、クライドたちの進行方向とは逆の方へ向かっていった。クライドは彼の後姿を最後まで見送らず、スウェント方面へ向かう。地図を見なくても道は解った。時々道路の標識に、空港まで何キロあるか書いてあるのだ。
スウェントは、リヴェリナの隣町だ。リヴェリナよりもやや首都に近い街であるスウェントは、ここ十何年かで急激に発展を遂げてきた。空港が完成したのは最近で、確か二年前ぐらいだと思った。
「スウェント国際空港……」
呟いてみると、空港で嫌々飛行機に乗らされるシェリーが目に浮かんだ。デゼルトの残忍な笑顔と、冷酷な目つき。あんな男に、シェリーを奪われてなるものか。大切な友達なのだ、クライドが彼女を守らなければ。
「歩き始めよう。大通りを通っていけばきっとバスやタクシーを拾える」
「ああ、そうだな」
スウェント国際空港、そこにシェリーの足跡がある。早くシェリーを助けて、それからハビも助けて、レイチェルのことを彼に伝えて……。 やることはたくさんある。だが、まずは空港に向かおう。
時刻は、正午。長い長い一日は、まだ半分しか終わっていない。