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第八話 闇の先
「明日まで待って来なかったら、琢也を探してみましょう?」
朱音が、最後に言うと各々の布団へと寝にいった。
…
……
………
…ん?
妙な物音で目が覚めた。
時計を見ると、深夜の2時前だった。
誰かがトイレでも行っているのかと思ったが、それにしてはおかしな音だった。
「何の音だ?」
音の正体をつきとめると同時に文句を言ってやろうと思い、暗闇の中、音のする方へと手探りで進んで行った。
転ばないようにと、恐る恐る足を踏み込んでいく。
徐々に音が大きくなってくるのと同時に、モノ以外の音も聞こえてきた。
「………けて、…た」
「…何だ、人の声か?」
気が付くと調理場の前まで来ていた。
音も人の声もこの中から聞こえてくるようだった。
気付かれないように、そっと扉に手を当て少しだけ開いて中を見てみる。
「……けて、た、助けて…」
俺は、夢でも見ているのかと思った。
そう、俺の目の前に広がったのは、この世のモノとは思えない……地獄絵図のような光景だった。