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第十三話 解体
ズブゥ!!
『ぎゃあぁぁぁー!?』
包丁が啓の身体の脇腹辺りに、深く食い込んだ。
と同時に、先程の俺の声以上の悲鳴が部屋中にこだました。
男は突き刺した包丁を縦に力強く引き、ある程度、腹を捌いたら一度包丁を抜いた。
啓の口からは、噴水のような物凄い量の吐血をしている。
腹を捌いた後、更に、男は目を疑うようなことをしだした。
腹の捌き口から手を突っ込み、中の臓物をまさぐりだしたのである。
啓の腹が上下に動くので、腹の中をいじくりまわされている状態がリアルに伝わってくる。
そして、男は、次々と慣れた手つきで……肝臓、すい臓、胃、小腸、大腸…と取り出していく。
もはや、啓に意識はないのだろう。
ピクリとも動かなくなった。
一通りの臓物を取り出すと、男は、今度、胸の辺りに包丁を押し当てた。