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第十一話 サービス
「これは、これは、お目覚めでしょうか?お客様」
ニッコリと笑いながら男は俺に話しかけてきた。
「何の真似だ、どうして、こんな惨いことをするんだ!?」
俺は、男に怒鳴りつけた。
「惨い?これは、お客様に対するサービスでございます」
男が言うには、人間こそが最高の食材であり究極の美食であるという。
常人には、到底理解出来そうにない考えを坦々と述べている。
「…さて、それではこれより実際に調理しているところを見て頂きましょう」
男が合図をすると、先程の奥の部屋から調理台と、そこに縛られている啓が見えてきた。
『やめろー!!!』
部屋中に俺の叫び声が響き渡る。
奥から、更に別の男が現れた。
人間を調理するために使用するであろう凶器と一緒に。