体力テスト一日目
体力テストの予定時間に、ジャージの運動着へ着替えて、運動場兼リハビリ場へ向かった。
嫌々思いながら、扉を開ける。
するとそこには、子供から年寄りまで、幅広い年齢層の人々が居た。
中々広い空間ではありながら、広いとも狭いとも感じない絶妙なほどに人が居る。
少し息苦しいかもしれないが、換気はしっかりしていて、きれいな空気であり、室温もちょうどよい。
そしてその人々の中から、
「美波さーーん!」
ナース服から、僕と同じように運動着に着替えた美波さんを見つけた。
相変わらず美しい。
「さっきぶりですね!それじゃ早速、移動しましょう!」
そう言われ、事前にテストの用意がしてあるという場所へ向かう。
奥の準備された場所へ、美波さんの後ろをついていく。
美波さんから香る、いい匂いが鼻をくすぐり、顔が緩む。
周りから、変な顔と思われていたかもしれないが、そんなことはどうでもよかった。
そんなことを思いながら、壁際に用意された測定器へ着いた。
そのまま、指示される通りに測定を進める。
長座体前屈は一回目、31cmで3点だった。
がちがちになっていた体に落ち込みつつ、二回目を挑戦する。
すると、隣のおばあちゃんからアドバイスを貰う。
「息を吐きながら、体を伸ばすように前へ押すのよ。」
そのアドバイス通り、思いっきり息を吐いて体を伸ばす。
結果は、39cmでギリギリ5点に届く結果であった。
おばあちゃんにお礼をして次の種目である握力を行う。
結果、右46kg、左42kgで平均44kgの7点であった。
「まあこんなもんかな~」
力は弱いほうだったので、結果を見て少し気分がよくなった優平であった。
「最後は上体起こしですね!」
ついに今日の最後の種目である上体起こし。
「それじゃあこのマットの上で行うので、寝っ転がってください!」
言われた通りにマットへ寝っ転がり、膝を曲げる。
すると、
「私が抑えるので、このタイマーがなるまで一生懸命にやってくださいね♪」
まるで、夢のようなことを言われた。
「みなっ…みさんが抑えるんですか??」
慌てて起き上がって、美波さんに聞いてみる。
「そうですね!私が担当なので!」
その一言で、ゴクリと唾を飲む。
そして、思わず顔より下へ、目が行ってしまいそうになるのを、理性で必死に抑える。
「そそそそうなんですね~。」
嬉しい気持ちが表に出そうになるのも抑えて、再度準備しようとしたとき、
「青いねぇ」
耳元での突然の声にびっくりして、出所を探す。
すると、先ほどのおばあちゃんが後ろを通り過ぎていた。
「何者よ?あのおばあちゃん。」
年長者の勘を侮ってはいけないと、恐怖する優平だった。




