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平和大船  作者: 藤本レン


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事後処理

扉を閉めると、廊下を歩いてくる音がした。


「あ、もうご帰宅になられますか?」


先ほどの受付の女性だ。


にしても先ほどより全体的に整えられている。


本当になぜあんなことをしていたのか聞いてみたいものだ。


「そうですね。残りの荷物を受け取って、後は帰るだけですかね。」


「そうなんですか。お茶入れて持ってきたんですけど…せっかくですし飲みます?」


と勧められたので飲むことにする。


「カップもらいますね。」


受付の女性は飲み干した空のカップを受け取り、時枝のおっさんの居る部屋へと入る。


「コンコンコン、失礼しまー……ギャアアア!」


扉を開けた瞬間、受付の女性が絶叫した。


何が原因かは予想がつくけど。


扉を適当に閉めドッドッドッと歩く足音が響いているのが分かる。


「何してんですか署長!!!」


(署長???あの人署長だったん!?!?)


衝撃の事実が今判明した。


「すまんすまん。ちと喧嘩してな。思ってたより手ごわくて散らかしてしまったわ。ハッハッハッ!」


「これ片づけるの私たちなんですよ!?このカーペットも、擦れてるから全面張り替えないとですし、笑い事じゃないんですよ!!」


かなり怒っていて申し訳ないと思いつつ、きちんと閉じていなかった扉の隙間から部屋を覗く。


すると、椅子に深く腰掛け、笑いながらゆっくりお茶を飲む時枝のおっさんと、怒ってガミガミ言う受付の女性が見えた。


「この態度は、時枝のおっさんが悪いわ…」


受付の女性が可哀想などと思っていると、気になる会話をし始めた。


「それで?彼はどうだったんですか?」


「ああ、持ってたぜ。」


おそらく自分自身に関する事だろうと優平は直感的に感じ取っていた。


「じゃあどうするんですか?野放しだとよくないと思いますけど。」


「大丈夫さ。師匠のところを紹介したから、そのうち行くだろうし。こっちに来てもその時は連れて行くさ。」


(野放し?師匠はさっきの紙のことだろうけど…さっぱりわからん。)


そのとき、何かをすでに見据えているような顔を見せる時枝のおっさん。


「まあそこら辺はなんとかなるはずだ。優平なら悪事のためにキノウを使うことはないだろ。」


そう言い、扉の隙間へ通すように視線を送る時枝のおっさん。


(バレてたか…てかさっきから思ってたけどキノウってなんだよ…)


もやもやが頭の中に残り、先ほど聞いておけばよかったと若干後悔する。


「まあいっか…早く帰ろ…」


バレていた気まずさと、気になるもやもやを引きずりながら、案内に沿って待合室に戻る優平だった。


落とし物の受付に行き、再度落とし物の受け取りを試みる。


「すみません。落とし物の受け取りに来たんですけど。」


「はーい、どのようなお品物ですか?」


今度は、優し気な男性が反応して受付に来てくれた。


自分の落とし物の内容を全て伝える優平。


「なるほど…ではお名前の確認、よろしいですか?」


「野上優平です。」


手元の書類を見たのち、男性は言う。


「野上優平さんですね。ただいま確認が取れましたので、お荷物をお持ちいたします。」


そう言われ、かごに丁寧に詰められた荷物を持ってきてくれた。


自分の荷物を一つ一つ確認する中で腕時計を見つける。


「……」


自然と目に涙が浮かんでくる。


「どうかなされました?」


涙がこぼれ落ちないよう、急いで拭う。


「いえ、少し目にゴミが入ってしまって…大丈夫です。全部私のものです。」


そうして荷物を受け取り、いくつかの書類にサインも行った。


「ありがとうございました。」


警察署を去る前、警察署に向かってそう伝え、病院までの帰路についた。


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