外出許可
「優平さん……まさか悪事に手を染めて…」
少し、軽蔑の目を感じた。
「違うんですよ!!僕が警察署に行くのは荷物を取りに行くためなんですよ!」
必死に弁明しようと頑張る。
「そうなんですか?」
「実は落とし物しちゃって、本人確認ができるまで警察の方で保管しているようで…」
優平は大事な部分をぼかして伝えた。
「では外出許可を取ってみたらどうですか?」
思わぬ返答が返ってきた。
「外出って許可あればできるんですか?」
食いつき気味で聞いてみる。
「はい!朝の10時から午後の10時までの間なら、許可が下りれば外出できますよ!」
なんと、外出できるらしい。
「それって、なんか手続きとか必要だったりします?」
「えーっと、ざっくり説明しますと、窓口で理由と時間を言って、その時に必要事項を書いた紙を提出して、許可を取ります。その時にもらった許可書を警備員に見せれば外出ができるというわけです!あとの詳しいことは窓口の人に聞けば教えてくれますよ!」
そんな有益なことを聞いておいて、使わない手はない。
早速美波さんへお礼を言って窓口に向かう。
外出理由は、荷物の確認で申請し、外出時間は余裕をもつため2時間とした。
「まさか、合法的に外出できるとはねぇ。」
こちらとしても、下手なリスクを負う行動は回避したかったため、好都合である。
許可書をポケットに忍ばせ、警察署へと歩き出した。
地図を頼りに、道中を歩いていく。
商店街の中を通り、警察署へ向かっていく。
売り子の呼び込みの声が響く中、その中の一人に目をつけられてしまった。
「お兄さん!うちの魚どうだい!?3匹まとめ買いで300円!一匹100円になってお得だよ!」
「すみません。大丈夫です。」
何度もアピールしてくる度に拒否するが、売り子は諦めようとしない。
「お兄さん!今しかないんだから買おうよ!どうせお金ないでしょ!」
そう言い、肩を掴まれた。
少し、イラっと来て、売り子の手首を掴む。
「急いでんだわ。邪魔すんじゃねえよ。」
力が入り手首を思いっきり握ってしまった。
「痛い痛い痛い!わかったからギブギブギブ!!」
すぐさま我に返り、急いで手を放す。
「あ、ごめんなさい。大丈夫ですか?」
売り子を心配したのだが、怯えた様子で店へ逃げ帰ってしまった。
「ちょっとやりすぎたかな…」
やりすぎたことを少し反省しつつ、警察署に向かうのだった。




