帰る
エソール村に戻ったクラウディアたちは、ようやく訪れた穏やかな日々の中、再び冒険者としての生活を始めた。ネリーの焼く素朴なパンの香りや、村の子どもたちの笑い声が耳に心地よく、かつての喧騒がまるで夢だったかのようにさえ思える。
だが遠く離れたシュタイン王国では、大きな変化の兆しがあった。
新たに即位したエドワール王は、国のあり方そのものに問いを投げかけていた。
「貴族は、血筋より行いによってこそ尊ばれるべきだ」
そう高らかに宣言した彼は、貴族制度の段階的見直しを打ち出し、平民にも教育や登用の機会を開く改革に着手する。王政の完全な廃止を望む声もあったが、エドワールは急な変革による混乱を避けるため、段階的な移行を選んだ。
クラウディアの兄・ルーファスはその舵取りを任された宰相として、王と共に進路を定めてゆく。冷静さと情熱を併せ持つ彼のもと、シュタイン王国は徐々に、しかし確実に生まれ変わろうとしていた。
エソールの小さなカフェで、クラウディアが静かに紅茶を口に含む。
「……さて。そろそろ、次の依頼、考えておく?」
冗談のように告げた言葉に、セレナとアレクが笑い、フィンが少し照れたように頷いた。
世界が変わっていく音は、静かな風の中にも確かに響いていた。
第二章的なものも考えてます!
頑張りますので良ければ応援してください٩(^‿^)۶




