真相を
クラウディアは王とカミル王子にそっと手をかざす。
王たちの体を縛る不穏な闇…それは呪詛のような魔の気配だった。
その源を辿りながら、クラウディアは静かに魔法陣を描く。
「これは…やはり操られていたのね。…十字の手の仕業だわ。解呪したからもう大丈夫。」
彼女の言葉に、セレナが一歩前へ出る。
「私が夢を見せてくるわ。穏やかな眠りで、心を守ってあげる」
セレナは癒しの魔法を編み、王と王子を包み込むように魔力を注ぎ込んだ。
ふたりの表情からは、苦悶の色が消え、安らかな寝息が漏れる。
その後、クラウディアは証拠を手に、王都に向けて声明を発した。
エミリア・ロッシュの生家が秘めていた罪――
とりわけ、兄ヘルベルト・ロッシュが〈十字の手〉の幹部であり、数多くの謀略に関与していた事実を明らかにしたのだ。
彼らの罪状には、レイラ・ヴァレンタイン令嬢の両親の殺害、
さらにこれまで“事故”や“失踪”とされてきた事件の数々も含まれていた。
クラウディアの手によって集められた証拠は揺るぎなく、
多くの者が背筋を凍らせながら真実を知ることとなった。
そして、静かに、だが確かに、流れは変わり始めていた――。




