秘密結社のあつまり
地下礼拝堂の薄暗い空気は、燭台の揺らめく炎で揺れていた。壁に刻まれた古の文様が、陰影に溶け込むように浮かび上がる。
「見よ、光が正義と讃えられたその裏で、いかに多くの影が焼かれたかを」
壇上に立つ男がフードを深く被り、静かながらも熱を帯びた声で語りかける。彼の声は、地下に集った信徒たちの胸に重く響いた。
「我らは、神に試されし者。闇を授かり、影に潜む力を与えられた。しかし王家はその力を恐れ、我らを排除した。光の魔法で、我らの仲間は焼かれ、傷つけられ、追われた」
信徒たちは沈黙し、時にうなだれ、時に拳を握り締める。老いた女は焼けただれた腕を見つめ、少年は顔に残る火傷を指でなぞった。
「だが、我らに希望がある」
男はゆっくりと、壇上の祭壇に目を向けた。そこには一枚の肖像画が、闇の魔法を示す古文書と共に飾られている。
「クラウディア・アーリントン――かつて王家に仕えし侯爵家の令嬢。その身に、純粋なる闇の魔力を宿す唯一無二の存在だ」
ざわめきが広がる。信徒の一人が低く呟いた。
「だが、彼女は王家の結界と無意識に共鳴し、我らの力を封じている……」
「まさにその通りだ。ゆえに、あの者を排除しなければならぬ。彼女をこの闇の器として捧げることで、我らの神を完全に召喚し、王家の支配を覆すのだ」
信徒たちは声を揃え、力強く唱和した。
「夜に、神を迎えん!」
その声は地下の闇にこだまし、確かな決意と狂気の火を灯した。




