いっぽうそのころあの人らは
「まったく……父上も母上も、どうしてあんな女を庇うような真似を……!」
王宮の控えの間で、カミルは苛立ちを隠そうともせずに拳を握りしめていた。
その隣で、薄桃色の髪を揺らしながら、エミリアは静かに囁いた。
「……私、嘘なんてついていないのに」
「わかってる。お前は悪くない」
「皆、クラウディア様のことを誤解してる。あの人、ずっと冷たい目をしていて……私、毎晩のように夢に見るの。睨まれるたびに、身体が強張って……怖かった」
「……っ、あの女さえいなければ……!」
カミルの声には、悔しさと怒りが滲んでいた。王位継承権を奪われ、王宮内では冷ややかな視線を向けられることも増えた。全ては、あの断罪の場で“やり過ぎた”と思われたからだ。
「クラウディア様は……穢れてるの。闇魔法なんて、人を呪うような力を平然と使うなんて……王妃に相応しいはずがない」
エミリアの瞳は淡く潤んでいるが、その奥には確かな憎悪が宿っていた。
「そうだな。……必ず、あいつには報いを受けさせる」
カミルは低く唸るように言った。




