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追放令嬢は闇魔法で無双する。  作者: ちょこだいふく


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14/70

心を開いてみる。

木漏れ日亭の片隅、四人が囲むテーブルには、簡素ながら温かい夕食が並んでいた。田舎町の宿とは思えぬほど丁寧な味に、全員の表情がほころんでいる。


「……うまっ。やっぱここのスープ好きだなあ」

アレクがスプーンを置き、ほっと息をつく。


「クラウディアさんたち、どこから来たの?」

セレナが水を口に含んだあと、気さくに尋ねた。


クラウディアは一瞬だけ眉を動かしたが、躊躇いはしなかった。

「――首都よ。……婚約者に冤罪をかけられて、国外追放されてしまったの。だから、冒険者をしているわ」


アレクとセレナが、あっけにとられたように目を見開く。フィンをちらりと見やると、彼は静かに頷いた。

「フィンは私の護衛。……フィンについては、私もよく知らないのよね。フィン、あなたのほうから何か言えることある?今日知り合ったばかりではあるけど、この2人にはあまり隠さなくても良いような気がしてきたの。」


唐突な話題の振りに、フィンは少しだけ目を瞬いた。だが、すぐに口を開く。

「…お嬢様がそう思われるなら私もそういたしましょう。私は、長年クラウディアお嬢様の父上――アーリントン侯爵に仕える護衛です」


その一言に、再びアレクとセレナが固まった。


「……え、えっ? アーリントン侯爵って、あの……隣の王国の東軍を率いたっていう有名な?」

「すごい、っていうか……えっ、じゃあクラウディアさんって、本当に…え、この喋り方とか不敬??どうしよう!」


「そういうのはもう関係ないわ。今は、ただの冒険者。だから喋り方なんて気にしないで。」

クラウディアは水をひと口飲み、静かに告げた。


「……俺ら、すごい人に命助けられたっぽい?」

アレクがぽつりと呟くと、セレナがひじで突いた。

「だからって、私たちが態度を変えるのは寂しいわ。せっかく言ってくれてるんだし今まで通りでいいじゃない」


「……そうだな」

アレクは頷き、ちょっと照れくさそうに笑った。


「私たちは、ヴァル王国でも田舎のほうの村の出身なの。アレクとは小さい頃からの幼馴染。牛や羊の世話を手伝いながら、当たり前のように一緒に冒険者になって……こんな風に旅をしてるわけ」

セレナが柔らかく笑うと、クラウディアもわずかに口元を緩めた。


こうして、不思議な縁で繋がった四人の距離は、静かに、けれど確実に縮まり始めていた。


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