表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この小説は  作者: sora
9/10

幼少期

『幼少期の頃の話だ。私は、近所のお兄さんに性的な嫌がらせをされていた。半年か一年程度だろうか。触られたり、舐められたりしたが、私には何もわからなかった。


 小学生の時、不登校を繰り返した。あてもなく彷徨った。当時、理由はわからなかったが、今ならわかる。ただただ見て欲しかったのだ。気づいて欲しかったのだ。


 中学の時、私はどんどん浮いていった。周りが成長する中、私だけがガキだった。


 高校の時、私は隠れた。何もかもから隠れた。見られるのが嫌だった。認識されるのが嫌だった。隠せばそれは私ではない。会話ベタの、非常識でちくはぐな、優秀な生徒だった。


 ここに至って、私は気付いた。30を超えてやっと気づけた。あのときの、幼少期の出来事が元凶であると。


 父の声に怯えた。壁を隔てようと、低く空気を震わせるその声に、注意を向けざるを得なかった。


 母に伝えた。「援助するからしたいことがあったら言いなさい」と言われた。「一人暮らしがしたい」と言った。


 その後、母はドル建ての保険に数百万円を使った。


 父は数百万する車を買った。


 今はまだ、ともに暮らしている。


 兄が孫を連れてきた時、母は兄嫁に「邪魔者がいてごめんね」と笑った。』

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ