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17 ◇キャパ嬢と付き合う男

17 ◇キャパ嬢と付き合う男



8年もの間、玄帥はキャパ嬢と付き合っている。

夫は私が何も知らない能天気に暮らしている妻だと侮っていることだろう。


ふたりが別れる気配はなさそうであった……ことから、自分たちの年齢も

アラフォーを迎え、恵子はボチボチ玄帥との別れを視野に入れて動き出すことにした。


そこで、専門の調査員を使い調べて証拠を取ることにしたのだ。

すでにこの時、ばっさりと三行半を叩きつけることは決めていた。


そのような中、ふたりのことを調べていくうちに、玄帥には

もうひとり付き合っている女性が浮上してきたのである。


その相手とは……異動先の部下だった。


そして驚くべきことに彼女はもう少し先で結婚も決まっていた。


夫の浮気の二股にも驚かされたが、相手の女性にも驚かされた。

婚約して……からの結婚。


女としての絶頂の時に、浮気? 不倫? 本気愛?

どれなのだろう。


当初、キャパ嬢の横井京子に対して、実家に乗り込んでやろうかなんて

考えていた。


だけど……


もうね、こうなればイベントよ。



イベントにして思い切り楽しんで自分たちの夫婦関係をぶっ潰してやろうと

恵子は考えた。


しかし、あとから夫が部下に手を出していることを知り、狙い目を変える

ことにした。 

そう、獲物はたくさんいるほうが混ぜっ返すのが楽しいのじゃないかと。

キャパ嬢は後回しにすることとし、恵子はひとまず玄帥の会社に乗り込んでみ

ることにした。


こっちは、ターゲットがひーふーみー……と数えて、3人もいるじゃないかと。

 石田という女の婚約者には申し訳ないが……それでも結婚前に女の正体が

分かったことを自分に感謝する日が来ると信じてる。


自分が乗り込んだ後、この3人はどのように人生の坂道を転がってゆくのだろうか。


自分は石田唯に慰謝料を容赦なく請求する。勿論夫である玄帥にも。

最後のさいご、モテ男の夫は唯を取るのか、はたまたキャパ嬢を取るのか、

そんなことも高みの見物するとしよう。まるで、部外者のように。


8年もの長きに亘り、自分は玄帥に舐めた真似をされてきたのだ。

絶対この先当事者になぞ、ならないと決めている。


当事者になるのは、ある一瞬だけだ。

玄帥に引導を渡すとき。


いや、

いや、弁護士に任せればその一瞬さえなくて済みそうだ。

『3人とも、首を洗って待ってろー』



         

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