プロローグ
俺の名は北畠龍汰
高校2年生の青春をエンジョイしている
ただの陰キャである。
そんな俺には可愛い妹の美奈がいる。
嬉しい限りに美奈は俺のことを好いてくれてるらしく、兄弟仲は良好だ。
ただし、妹は俺が女の子と話しているとメールにて
その女だれ?その女だれ?その女だれ?
裏切ったの?裏切ったの?裏切ったの?
もう死ぬ…など送られてくるので女の子と話せなくなってしまった悲しき男なのだ。
妹は俗に言うブラコンと言うやつらしくさらに、
ヤンデレと言われる人種なのだ。
正直俺も妹のことは妹としては好きなのだが、異性として好きかと言われると正直わからないのである。
何故断言できないかと言うと、
俺と妹は血が繋がっていない…つまりは美奈は義理の妹というやつなのだ。
そのせいか、妹は俺のことを異性として好いてくれてるらしくって何故俺が妹が異性として好いてくれてることを知ってるかって?
それは俺が高校1年生の時美奈に告白されたからである。
美奈が中学3年生の時で親がいない時リビングにて
「私おにいのこと異性として好きなの!付き合って!」
こう言われたっけな当時は驚きすぎて言葉が出なかったな、やっと出た言葉が
「お、お前何言ってんだ?もしかして受験のストレスか?」
俺が妹に冗談はキツイぜと心に思いながらその場を立ち去ろうとしたら
「受験のストレスでもない!私5歳のときにママが明宏さんと結婚しておにいと始めてあった時一目惚れしたの!だから私と付き合っておにい!」
そう言われ俺は完全に思考が停止したのを感じた。
今まで本当の妹として見てきたのに急に異性として好きと言われてしまった。
あぁ明宏とは俺の父親の名前だってそんなことはどうでもいい
俺はどうしていいか分からず適当に
「お前が大人になっても、まだ俺のことを好きでいてくれてるのであれば俺と付き合ってくれないか美奈」
正直この時の俺を殴り飛ばしてやりたい。
素直に振っておけばと後悔をしているのである。
その日から美奈のアプローチが始まった。
初めは軽めのボディタッチから始まった…いいや始まってしまったのだ。
俺が正直にやめてくれと言えなかったばかりに妹の俺に対するアプローチは加速していき、今となってはもう手遅れな状態となってしまったのである。
例えば…
「おにい!朝だよ起きて!」
「ん?もうそんな時間…って美奈なんで俺に股がってるんだ!おりてくれ!」
次は…
「おにい!背中流すよ!」
「いやいいって…っておい!何脱ごうとしてんだ!」
こんなことが日常茶飯事となってしまってたのだ。
両親はどうかと言うと…
「ガハハハお前ら仲が良いな!将来結婚したらどうだ?」
「もうあなたったら…けどそれもいいかもしれませんね…あなた」
「おいおい美咲!子供たちが見ている中でそんな…続きは夜にな」
「そうですねあなた…」
こんな感じで両親共々家族仲も良好だ。
そんな中、妹は徐々にヤンデレ化が進んでいき、妹が中学3年生の終わり頃には俺が他の女性の人と話してるだけで俺が詰められる日々となった。
あの時は…
「おにい!なんで女の子と話してるの!私がいればいいじゃない!」
そう泣き叫ぶ妹
どうしようかと考え…
「妹よわかった、お兄ちゃんはなるべく妹以外の女子とは話さないように心がけるよ…だから泣き止んでくれ」
そんな感じで…ってまず俺には話せる女子などあまりいないからそこまでダメージはないのだが…流石に限度を超えていると思う。
そうして妹の歪んだ愛情は止まることを知らなかった。
最近では少しメールを返信しないだけでも泣き叫ぶ始末だ。
俺も年頃の男子ということもあって女の子には興味がある…ありまくりだ!
けど女の子と会話しようものなら妹が何か言ってくるに違いない…そう考えるだけで俺には彼女ができないのだろう。
そんなある日、俺は妹と喧嘩をしてしまった。
内容は凄く馬鹿らしく俺が不幸の連続で苛ついていてつい妹に当たってしまったのだ。
「おにい今日機嫌悪そうだね…私が慰めてあげようか?」
「・・ほっと・・くれよ」
「ん?なに?」
「もうほっといてくれよ!」
「?!なんでそんなに強く言われないといけないの!」
「いっつもいっつもお前は…お前は!俺のことなんかほっ といてくれよ!なんで付きまとうんだよ…迷惑なんだよ」
「ッッ!!もういい知らない!」
そう言いながら家を飛び出す美奈、少し時間が経った3分ぐらいだろうかリビングにあるソファに腰を掛けていた。
ゾゾゾグ
悪寒が走った。
普段なら放置をするのだが美奈リビングから出る時泣いていたな…もしかして良からぬ事を考えてるんじゃ?!
美奈は落ち込んだ時必ずと言っていいほど俺等が通ってる高校の屋上に言って泣いている。
けど今回は嫌な予感がする。
俺は全身全力で走り学校へと向かった。
学校へ着いた。
屋上へ続く階段を一段とばしをしながら登り勢いよく扉を開ける。
「美奈!」
「おにい?」
やはり屋上には美奈がいた。
泣いていたのがわかるぐらい目元が腫れていて俺は申し訳なく思ってしまった。
「美奈、申し訳なかった。
俺今日嫌なことばかりでお前に強く当たってしまった。」
「許さないもん!」
「許してよ〜我が愛しの妹よ」
「そ、それでもだめ!」
「なんか俺にできることなら一つ何でも聞いてやる!だからお願い許して?」
「ん〜なら許します!」
「じゃあ帰ろうか」
「うん!」
そうして俺等は家へ向かって歩き出した。
妹が信号を先に走って真ん中で手を振っている。
俺も手を振り返そうとした瞬間、横を見て気づいてしまった。
車がこちらに向かって高スピードで接近してきていることに、
やばい、そう考えた時には体が勝手に動いていた妹を助けられないことなんかもうあの車のスピードを見たら明らかだ、助けることは無理だと、
そう直感した俺は妹を庇うように抱きしめた。
「お、おにい?」
俺は妹に一言
「ごめ……」
「お、おい人が轢かれたぞ!きゅ、救急車をよんでくれ!」
「キャーーーー」
「あ、あ、」
周りの人たちの声が聞こえる。
声を発しようとしても声が出ない。
あぁ俺死ぬのか…妹を助けられなかったな…
最後の力を振り絞って妹の頬に手を置くそして………