わたしの年齢が倍になったら
そして100年が過ぎて行く。イヴは約束通り、新たな約束は結ばず、イヴの右手に結ばれた縁は、年々途切れて減って行った。ほんのひととき、幾ばくかの寂寥を残して消え行くそれを、そっとなでて見送るイヴを、ウルスラはなにも言わずに眺めていた。
100年後にはすべてなくなると、そう、自分を納得させたからだろう。
しかして100年経ったのち。
「……途中から、薄々そんな気はしていたんですけれど」
イヴの右手を取り、ウルスラが顔をしかめる。
「しぶといやつが多過ぎませんか、これ」
イヴの小指には未だ、ウルスラとの縁以外にいくつも縁が残っていた。
イヴは悪びれもせずに言う。
「長生きな種族なんて、世の中いくらでもいますからねぇ」
「そう言うことですよね。クソッ、人間以外にもいたなんて」
「伊達にペンドラゴンを名乗っていませんよ」
「そうでしたね。そうですよね。あと何年かかるんですかこれ全部切れるまで」
ウルスラに取られたままの右手を見下ろして、イヴは首を傾げる。
「さあ」
「誰と縁を結んだかなんて、いちいち覚えていないですもんね」
僕のこともちっとも覚えてないし思い出さないしと、ウルスラは呟いて息を吐く。
「自覚はないんでしょうけど、人間相手でも結構やばい相手と縁結んでるからね、あなた」
「そうなんですか?」
「いくつか伝説にすらなってますよ。あなたのせいで一生独身を貫いた、英雄とか王様とか賢者とかいるんです」
「あらあら」
イヴはころころと笑う。
「よほど出会いに恵まれなかったのですねぇ。可哀想に」
「自分が魅力的過ぎるとは思わないんですか?」
「思い出は美化されるものですよね」
イヴは肩をすくめて言い、さて、と表情を改めた。
「100年、経ったわけですが、」
不意に目を見開いたイヴが、言葉を止め、家の入り口の方へと目を向ける。
かんかん、とノッカーの叩かれる音が響いた。
「おや?来客が来るような事件は、起きていないはずだけれど」
首を傾げたイヴが立ち上がる。
「僕が、」
「いいや」
イヴが右手を持ち上げて笑う。100年前も感じた、小指を引かれる感覚。きっと、これは。
「わたしに用事のようだから」
そうして歩き出すイヴに、苦虫を噛み潰したような顔で、ウルスラが追従する。
「ついて来るのですか?」
「当たり前でしょう」
なにが当たり前なのか、イヴにはとんとわからなかったが、まあ良いかと気にしないことにする。竜殺しなんて二つ名を付けられて1000年も生きると、たいていのことはどうでも良くなるものだ。
「いらっしゃい」
「久しくご無沙汰しておりました。我らが主よ」
「おや」
イヴが目を細めた。
「あんただったか」
「ええ。今日やっと、あなたの半分の歳を越えました。631歳です」
見上げる長身を器用に折り畳んで、大柄な青年は跪いた。大きな両手でそっと、その手にはあまりに小さい櫛を差し出す。繊細な意匠を掘り込まれた木製の櫛は、丁寧に磨かれていて宝石のように美しかった。
「どうか受け取って頂けませんか」
「やんちゃ坊主のガキ大将が、会わないあいだにずいぶん上品になったもんだねぇ」
「これでも大人になりましたから。相手の力量もわからず突っ掛かっていた愚かな子供ではもうありません。とは言え」
青年がふわりと笑う。口調こそ上品だが顔立ちは武骨で朴訥とした、田舎の兵士のようだった。
「いまだにガキ大将ではありますが。若い竜相手には負けなしです。500年、あなたを煩わせに来る竜はいなかったでしょう?」
「そうだったかな?良く覚えていないや」
イヴのあんまりな言葉も、青年は笑って流す。
「まあそこは、おれの自己満足ですから。ところで、こちらは受け取って頂けないのでしょうか」
「ああそれね、ちょうど良い。こんなところで立ち話もなんだから、こっちへおいで」
「お邪魔します」
イヴの案内で、青年が家に足を踏み入れる。イヴには大きく、ウルスラにはちょうど良い大きさの扉だが、青年には随分窮屈そうに見えた。
「おや、どなたかおれのほかにもお客さまが?」
「いや?そのこは同居人だよ。ウルスラ・メディス。魔法使いだ。ウルスラ、このこは、」
「竜郷のイドと申します。竜の主が殺した竜の、孫にあたります」
胡乱な顔のウルスラにも丁寧に、青年、イドは名乗った。その名乗りに、ウルスラは表情を険しくする。
「イヴは仇だと言うことか。なにをしに来た」
いまにも飛び掛かりそうな殺気での詰問を、イドは笑って流す。
「それを言っては現存の竜は軒並み、竜の主に身内を殺されていますよ。1000年前、竜の主は各地で竜を殺し尽くす勢いで殺したのですから。それゆえの竜殺しの名、竜を統べる者の称号なのです」
「ならば、」
「はいはい」
とっとと部屋に戻っていたイヴが、ひょいと顔を出して言う。
「立ち話をやめると言ったでしょうが。そんなところでじゃれあっていないで、こちらにいらっしゃい」
「多くの竜にとって、竜の主は敵ではありませんよ。まあ、力試しに挑みたがる子供は多いですが、子竜にやられるような方ではありませんから」
イドが早口に言って、さっさと部屋に向かう。
「あっ、待て」
ウルスラも慌ててそのあとを追った。
100年前は座る場所もあまりなかった居間だが、ウルスラの手によりすっかり整えられ片付けられて、いつ来客があっても恥ずかしくない部屋に様変わりしていた。
イヴが紅茶を用意して、ふたりに座るように言う。
「さて、約束の件ですが」
右手を掲げてイヴは言う。ウルスラは答えに気付いて口を挟もうとしたが、イヴに見据えられて言葉をなくした。
100年、共に過ごして、けれど初めて接する姿。威圧感。存在感。
とてつもなく大きななにかを見上げるような。それでいて、高山の断崖絶壁から、はるか下を見下ろすような。己の存在の小ささを、ただただ思い知らされる心地。
なにものにも追随を許さない孤高の魔女、竜殺しのイヴ・ペンドラゴンがそこに鎮座していた。
「守らなければならぬ約束があるので、あなたたちと結婚は出来ません。ウルスラ・メディス、バーヴァスのイド」
まるで託宣の如く告げられ、しかし納得は出来ないと、ウルスラが反論しようとした、その前に。
「ただ」
イヴが微笑んで、イドを見た。それは庇護下に在る者を見る、統治者の目だった。
「ペンドラゴンをいつまでも、人間にだけ名乗らせてはおけないと言う、竜の意向も理解出来る。まさかあのガキ大将が、竜の郷の長になるなんてねぇ」
「ご慧眼、畏れ入ります」
「約束を破れないから結婚は出来ない。が、婚約であれば破棄も可能だ。あんたが郷のために、生き物としての本能すら捨てて一生を尽くす覚悟だって言うんなら、良いだろう。あんたの婚約者として、その櫛を受け取ろう、イド。どうだい?」
イドは立ち上がると、椅子に座るイヴの前に跪き、改めて櫛を差し出した。
「寛大なご慈悲と竜への配慮、痛み入ります。500年前の、自分勝手な申し出とは違います。この肩には、バーヴァスの未来が載っている。我らが主よ。あなたがお許し下さるとおっしゃるならば、我が一生は郷の発展とあなたに捧げましょう。どうか、お受け取り下さい」
「本当に、良いのかい?婚約は破棄出来るっつったって、あんたの立場じゃ一度結んだら破棄なんて」
「覚悟の上で、今日ここに来ました。場合によってはあなたの怒りを買い、殺されることもあり得ると。幸い、父母は子だくさんでした。郷はおれでなくても継げる」
イヴが息を吐き、それから苦笑する。
「ほんとうに、大人になったねぇ。こんなババアにはもったいない良い男になったもんだ。これでいったい何人の娘が、泣くことになるか」
呟いて、手を差し出す。
「覚悟があるなら受け取るのを待つんじゃないよ。自分で握らせるくらいの根性を見せな」
「はい」
イヴとイドの手は、赤子と巨漢ほどに大きさが違う。大きな手でイヴの小さな手にそっと触れて、イドはイヴに櫛を握らせた。
「我が一生は、バーヴァスとイヴ・ペンドラゴンのために」
「受け取った。あんたに、イド・ペンドラゴンの名を許そう」
「謹んで、拝受致します」
「証の櫛と名を礎に、ここに無期限、破棄可能な婚約を締結す。我らが神の名のもとに」
「我らが神の名のもとに」
ガチン、と、まるで太い枷のように、イヴとイドの縁が繋がれる。イヴが息を吐いて、微笑んだ。
「契約成立だ。どちらかが破棄を行うまで、お互い新たな婚約も婚姻も許されなくなる」
「あなたに枷を強いたこと、心よりお詫び申し上げます」
「なぁに、年貢の納め時ってもんさ。ペンドラゴンになんて、なったわたしが悪い。さあ、バーヴァスからここは竜の翼でも遠かっただろう。座ってお茶でも飲みな」
「ありがとうございます」
イドはイヴの手を放し、椅子に戻ると紅茶に手を伸ばした。
「これで我らが主も、バーヴァスに来やすくなるでしょう。最後に訪れてから、200年でしたか。バーヴァスはあなたが見た頃よりはるかに拡がり、ずいぶん様変わりしましたよ」
「おや、会わなかったから知らないと思ってたが、わたしがいつ訪れたか、知っていたのかい?」
「約束でしたから、会わないようにしていたのですよ。そうでなくても竜の主が来れば、みなの話題はしばらくそれで持ちきりです。あなたが来るのは、郷の危機のときですし。ですが」
紅茶を口にして、イドは微笑む。
「婚約者を訪れると言う理由があれば、なにもなくても来られるでしょう。バーヴァスまでは遠い。道中楽しんで来て下さい。ペンドラゴンの称号を頂き、郷の長になる以上、おれはあまり郷を離れられなくなりますから、土産話を期待しています。もちろん竜の子らも、色々な土地へ行って色々な話を持ち帰るでしょうが、きっとあなたの話には敵いません」
「……わたしも庇護下に入れようってのかい?」
「竜は雄より雌が強いですが、それでも雄が雌を守るものですから」
「わかった。気が向いたら行くよ」
肩をすくめて、イヴは手元の櫛に目を落とす。
「綺麗な櫛だ」
「バーヴァスに住む、エルフに彫って貰った櫛を、おれが磨きました。木を切り出したのは、ドワーフです」
「バーヴァスに、エルフやドワーフが?」
「獣人や樹人、魚人に蜥蜴人もいます。みな、数を減らして単独では立ち行かなくなったのです。普人と魔人が増え過ぎました。亜人も、竜や獣も、どんどん住処を追われて、ペンドラゴンの加護を持つバーヴァスに、逃げて来ます。どうにかしてやりたくても、普人や魔人を減らすには、竜は減り過ぎました。いくら竜でも、数で圧されれば敵いません」
イドが眉を寄せ、首を振る。
「竜の郷も、もう残るはバーヴァスだけです。一匹竜や数体の竜が住む場所はまだいくつか在るでしょうが、それずらいずれはなくなるかもしれません」
「それで余計、わたしの後ろ楯が必要だったのか」
「ええ。今となっては、我らの脅威は厄災ではなく人間です。けれど人間にも、イヴ・ペンドラゴンの名は恐れられていますから」
イヴはカラカラと笑って、両手を広げた。
「こんなババアの名前が役立つなら、好きに使うと良い。そう言うことなら、郷にもちゃんと訪ねることにするさ。この櫛も気に入ったしね。作った奴の顔が見たい」
イドも笑って、イヴの右手を指差す。
「それはアイツも喜ぶでしょう。なにせそのうちの一本ですから。と言っても、アイツはもう妻帯者ですけれどね」
「おやフラれちまったのか」
さてどの一本だろうと、イヴは手を見下ろす。イドは優しい声で答えた。
「100年前にね。ですがあなたも楽しい話だと思いますよ。なにせ、エルフとドワーフの夫婦です」
「へぇ、エルフとドワーフが?珍しいねぇ」
「気になったのでしたら、ぜひいらしたときに聞いてみて下さい。惚気を交えて、長々と語ってくれますよ」
それは聞きたいような、面倒だから遠慮したいような。
イヴは肩をすくめて櫛を懐にしまうと、今度は左手を掲げて、ウルスラに目をやった。
「さて、ウルスラ」
ピクリと、ウルスラの肩が揺れる。
「契約は遂行されました。この契約書は、もう要りませんね」
ふわりと、イヴとウルスラの指輪が燃えて消える。
「約束も果たしました」
「待っ、」
止める間も許さず、イヴとウルスラの小指を繋いでいた縁も燃え落ちる。
泣きそうな顔で、ウルスラはイヴを見た。
「気付いていたんですか」
「なんのことでしょう?」
ウルスラはなにも答えず、うつむいて両手で顔を覆った。
「あなたは、律儀で、慈悲深くて、残酷だ」
指の間からもれた声に、イヴは苦笑する。
「そうでなければ、竜殺しなんて呼ばれて平気な顔ではいられないらしいですよ」
「そうですね。よほど肝が据わっていなければ、ヒトの身でペンドラゴンなど名乗れませんよ、我らが主」
「あなたを良いように利用しようとしている、その竜の方が良いって言うんですか」
「少なくとも」
イヴは首を傾げる。
「イドはわたしを、はめようとはしませんでしたよ」
「僕はあなたを愛してます」
「イドもわたしを愛していますよ、たぶん」
「敬愛していますし、親愛の情もありますよ、我らが主」
「だそうです」
ウルスラの反論をイヴはひとつひとつ、律儀に潰して行く。
無責任な約束で人生を狂わせてしまった、それがけじめだと言うように。
「竜とヒトでは子も成せません」
「理解の上です」
「生きる時も違います」
「たいていの生き物が、わたしより先に死にますよ。竜は長生きな方です」
「彼の竜生を、捧げさせるんですか」
「覚悟の上と言われましたから」
「どうして」
顔を上げたウルスラが、イヴを見る。
「僕じゃ駄目なんですか」
「わたしがペンドラゴンで、あなたが竜ではないからです」
イヴはあくまで残酷に、ウルスラの希望を断ち切った。
そうしてそれ以上の足掻きを止めるように、右の小指をウルスラに差し出す。
「それでも諦められないと言うなら、竜として生まれ直していらっしゃい。わたしに伴侶がいないうちに、わたしの年齢が竜として生まれ変わったあなたの年齢の倍になったら、そして、そのときまだあなたが同じ気持ちであったなら、あなたとの結婚を考えましょう」
途方もない、申し出だった。しかも、今回の約束は、イヴの婚姻を禁じていない。たとえウルスラが本当に竜に生まれ変わって、イヴの年齢の半分に追い付いたとしても、その時点でイヴが誰かの伴侶であったなら、約束は無効になるのだ。
ましてイヴはいま、イドの婚約者だ。
「つまり」
地を這うような声で、ウルスラは言う。
「体の良い断り文句と言う訳ですか」
「さあ、どうでしょうか。わたしは嘘は吐きませんよ」
にこりと笑って、イヴは立てた小指を振る。
「信じる信じないも、結ぶ結ばないも、すべてあなた次第です。なにせわたしには、なんの益もない約束ですから」
ウルスラがおもむろに立ち上がり、イヴへと歩み寄る。
「それでもそれしか芽がないならば、僕はすがるしかない」
そうしてウルスラは、イヴの小指に小指を絡めた。
「僕が竜に生まれ変わり、生まれ変わった僕の年齢があなたの年齢の半分を越えたとき、あなたに伴侶がおらず、僕の気持ちに変わりがなかったら、そのときは、僕との結婚を考えて下さい。竜殺しの魔女、イヴ・ペンドラゴン。約束です」
「ええ。約束しましょう」
一度燃え尽きた縁が、ふたたび、結ばれ、指が離れる。
「家は出て行きますか?」
「ええ。契約は終わりましたから。それに」
ウルスラがくしゃりと顔をしかめる。
「僕以外の男の婚約者になったあなたなんて、見ていられません」
「そうですか。すぐに出ますか?」
「ええ、いますぐ」
言ってウルスラが手を振ったのは、魔法で荷造りをしたからだろう。
「さようなら、イヴ。生まれ変わって、また逢いに来ます」
「さようなら、ウルスラ」
踵を返して部屋の外へと向かうウルスラの背に、椅子に座ったままのイヴが声を掛ける。
「100年、楽しかったです。ありがとうございます」
ぱ、と驚いた顔で振り向いたあとで、ぐしゃりと顔を歪めて、ウルスラは顔を背けた。なにも言わぬまま、歩み去る。
扉が開いて、閉まる音が、響いた。
「……良いのですか、そんな、約束をして」
イドが静かに、イヴへと問い掛ける。
「普人が魔法使いになるだけでも、普通のことではありません。まして、700年近くも生きるなど、どんな禁術に手を出したのか。意識を保ったままの生まれ変わりだって、やってのけるのではないでしょうか」
「生まれ変わり程度なら、そうだろうね。ただ、意識を保ったままの生まれ変わりと言うだけならさ」
すいと目を細めたイヴは、ペンドラゴンの顔をしていた。
「だからウルスラじゃ駄目なんだよ。ペンドラゴンの伴侶にゃなり得ない。あの子は100年も共にあったのに、結局は己の造り上げた虚像しか見ちゃいなかった。だから、ああして愚かな約束にすがる」
「それは」
イドが困ったように笑う。
「あのとき普人はほぼ滅亡したようなもので、文献もろくに残らなかったので、仕方ないのでは?」
「そうかもね。ただ、竜殺しの名だけが知られて、なぜ殺したかは問題にされない。知るヒトもいない」
興味もないのかもねと、イヴはおどけて見せ、それから表情を消した。
「わたしがペンドラゴンである限り、邪な魂の竜など生まれさせない。もし、それでも生まれちまったなら、誰かに害を与えようとしたその瞬間に、わたしのこの手で殺す。ペンドラゴンの名を奪った者として、それが義務だ」
右手を見下ろして、イヴは語る。
「だから、どう足掻いたって、あの子は約束を果たせないのさ」
それからすっかり興味をなくしたかのように、否、おそらく事実すっかり興味をなくして、イヴはイドへ笑いかけた。
「せっかく来たんだ、なにか面白い話でも聞かせておくれ」
イドは小さく息を吐き、それから微笑んだ。
生きとし生けるもの、並べて等しく、生まれは選べない。しかして生まれで、生きる道は大きく変わる。それを嘆くも、恨むも、己次第だ。
けれどどんな生を歩もうと、幸も不幸も存在するもの。
足るも足らぬも己次第ならば。
「我らが主のお望みならば、喜んで。話すことならば500年分、山のようにありますから」
おれはこの生を幸いと思おう。
イドはそう結論付けて、竜殺しの魔女との楽しい雑談に興じた。
つたないお話をお読み頂きありがとうございました!
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