今後の作戦
◾ナンバーズの面々は今回の対応策としてリヤンである海人が、全県で見れるモニターにうつり今後の方針を掲げた。カメラ前に仮面を付けた海人が立っている。
『俺はリヤン、ナンバーズの頂点、ブレイン様からナンバーズの指揮権を持っている。八人目のナンバーズ、階級はゼロだ。知ってる者もいると思うが念の為に自己紹介をさせてもらった。今回のエデンへの反抗声明について、頂点にいる者として発言するから、この様な状態を作り出した。皆安心するといい。今回の反抗は実に卑劣で卑怯なやり方だ。何故そうなったのか、我々は既に掴んでいる。よって今この時から我々は反抗声明を発表した者達の殲滅を宣言する。そして私が直々に動く事も伝えておく、皆は優雅にお茶でも飲んでいてくれ。では失礼する』
◾映像が切れ各県では安堵の声も上がっていた。
◾その映像を届けたスタジオでは仮面をとって用意された、コーヒーを飲み出したころ、そこにアインとツヴァイが入ってきた。
「リヤン様今戻りました」
「大きくでましたね。殲滅なんて」
「アイン、ツヴァイ、戻ったか」
「はい、いましがた。リヤン様一つ聞きたいのですがよろしいですか?」
「なんだアイン?」
「こんな放送せずもと我々ナンバーズの七名で動けばよろしかったのでは?」
「そうだな、お前らナンバーズの七名だけで事たりたな」
「だったら」
「ブレイン‥いや姉貴なら今頃相手の正体に気がついている筈だ俺と同様に」
〖!?〗
◾そこにいたナンバーズ全員が驚きを隠せなかった。
「リヤン様‥その正体とは伺ってもよろしいですか?ナンバーズの副指揮官のアインとして」
「いいだろう。俺も面識はあるが、あの人は姉貴を天才にする為に、全財産近くを注ぎ込んだ。それに比べ俺は才能がなくないがしろにされていた」
◼️アインが察したようだ。
「まさか……敵の正体は…」
「そう、本名、式守絶夜。後の名は工藤絶夜、俺と姉貴の実の父親だ」
「本当なんですか?」
「姉貴なら確信を得てるだろ。何故なら姉貴に全てを叩き込んだ男だからな。それに聞いたことがある。親父はハッキングなんかをする時一つだけあえて痕跡を残すらしい」
「その痕跡とは?」
「姉貴が言うにはコンドルの絵を残すらしい。それ故にコンドルって通り名がついたって聞いてる。俺にはそれを確認する手段がないけど、親父が肝油してるのは、腕輪の力でわかった」
「腕輪でですか?」
「そうだ、ナンバーズのメンバーなら、俺がリヤンを名乗る前実験体だったのは知ってるよな」
「噂には聞いた事があります。今の設備も対処もリヤン様を参考にしたと」
「それは事実だ。俺は実験体として親父に使われていた。その中で親父はある実験をしていた」
「ある実験?」
「今回の様に何かしらでストラーフを暴走させる事が出来るかって実験だった。実験では、抽出したストラーフを人に打ち込んでいた。親父は人を集めストラーフを打ち込み暴走させていた。それはアンノウンを殺す目的だったが、暴走状態をコントロールできるものはおらず、実験体の全員が殺処分になった。俺もストラーフを体内に打たれ続け、暴走の一歩手前までいった。しかし、俺には耐性があったのか暴走まではいたらなかった。姉貴は実験の惨状と俺を見かねて、当時していた実験のストラーフの制御方法を打ち出して、親父から地位と実権を奪い取った。それから親父は踵足を経ち、姉貴がブレインと呼ばれる様になってエデンが産まれ、その中でも最もストラーフを多く持ち制御出来る俺をナンバーズゼロ、リヤンと名付けた。後はお前らの知っての通り、比較的にストラーフへの耐性の高いメンバーを集めナンバーズ、日本を背負う代表に任命したんだ」
「そんな事があったんですね」
「だったら尚更我らだけで動き、リヤン様は動かない方がいいのでは?」
「心配するなドライ、俺と姉貴はあの人をもはや親父とは思ってない。人類の敵になるなら、姉貴に殺らせず、俺が殺る。覚悟は出来てる。俺からお前らに願いがあるなら一つだ」
「なんでしょうか?」
「母さんを守ってくれ、親父の事だ。リヤンが俺だとは思ってないだろうが、姉貴に関係する者だって情報はあるだろ。なら姉貴の弱みの母さんを浚うか人質にとる筈だ。俺が行けたらいいんだが、総力戦になるなら俺はリヤンとして姉貴の、ブレインがいるここを死守するべきだ。それに俺はナンバーズの頂点、一個人として動く事は許されない。親父の自信がある奴らを俺が殲滅をして、アイツの無駄な野望を打ち破る。それが今とるべき俺の決断だ」
「リヤン様」
◾するとナンバーズのアインが他の六名より前に出て膝をついて頭を下げる。それに続くように六名も頭を下げた。
「リヤン様、我らナンバーズ、俺アインを筆頭にあなた様に従い、リヤン様の母親とブレイン様を守ると誓います」
〖誓います!!〗
「アイン、皆、よろしく頼む」
〖はっ!!〗
◾ナンバーズ、二名のズィーヴェン、ゼックスに母親の護衛命令が出され、主要都市にドライの二名、フィーア、フュンス二名が派遣され、エデン本部にはリヤン、アイン、ツヴァイが守りを固めた。
◾それが決まる前海人はリヤンとしてでなく、工藤海人としてエデン本部に来ていた。受付が対応して個人として来たのを茜が執事の仙道大器を通じて知った。
◾その頃工藤茜はパソコンのキーボードを猛烈なスピードで叩いていた。画面のすみに、大器が写った。
「大器どうしたの?」
「茜様、海斗様が個人として会いに来た様です」
「海斗君が?」
「はい、受付からの連絡ですと、姉貴なら、今回の黒幕の正体に気が付いているんだろ?と言っているみたいです」
◾手が止まり、大きく溜め息をしてから椅子の背もたれに体重をかけて天井を見た。
「そっか、海斗君も気づいたんだ。流石私の弟だね。大器、海斗君を迎えへに行ってここに連れてきていいから」
「かしこまりました」
◾一礼をすると大器は部屋を出て一階の受付までエレベーターを使い、降りていく、受付の女性は迎えが来るので待っていて欲しいと海斗に告げる。十分程待つと大器が海斗の目の前に現れ、一礼をして付いてくる様に促した。
「久しぶりだな、大器」
「海斗様もリヤン様としてのお仕事お疲れ様です」
「なぁ大器、姉貴なら兎も角俺に敬語は不要なんだぞ。俺はリヤンとしてきてないから、お前の主じゃないからな」
「いえ、私は娘共々茜様と海斗様に救われました。普段は茜様に仕えてますが、私は海斗様の執事でもありたいと思っております。それをお許し頂きたいです」
「そうか、まぁお前の好きにすればいいけどな」
「ありがとうございます」
「なぁ大器、姉貴は気づいてるんだろ。今回の敵の正体に」
「はい、ハッキングを追いかける時見つけた様です。コンドルのマークを」
「やっぱり親父か」
「海斗様失礼を承知で進言したいのですがよろしいですか?」
「なんだ?」
「私は茜様と海斗様の矛でもあります。海斗様が手を下さなくても私めが」
「大器それは却下だ」
「ですが!」
「大器、お前は忘れてるぞ。何故俺が姉貴にわからない方法でお前を執事に付けたか、それはお前に裏の仕事をさせる為じゃない。姉貴を守る為である。それがお前の仕事だ。それにこれは俺達家族の問題だ。姉貴にはさせない、親父の不始末は息子の俺がつける。それは俺の責任だ。お前は俺のリヤンとして下してる仕事を遂行しろ命令だ」
「……海斗様、かしこまりました。私は茜様を守る事に全力を注がせて貰います」
「それと追加命令だ」
「追加ですか?」
「そうだ、今後お前が姉貴についていて今まで会ったことのない人間、お前と姉貴の両者が知らない人間、それと殺意やストラーフの気配を少しでも感じたら殺せ、姉貴にはお前以外のストラーフスパーダと護衛は付けない。それ以外はストラーフスパーダ、警察、自衛隊だろうが偽物だと思え、殺すのは俺が許可する」
「その命令承知いたしました。私は茜様を守りをます」
◾仙道大器はある一件で茜と海斗に救われた敬意があり、ナンバーズのアインに匹敵するストラーフの使い手で、海斗が極秘に茜に付けたストラーフスパーダである。
◾茜の部屋に通され、茜の命令で大器は外へ出た。
「海斗君も気づいたんだね?」
「うん、姉貴もハッキングを追った時に既にわかってたんだろ?」
「まぁね、まさか、今になって現れるなんて思わなかった」
「姉貴、親父は俺が殺る」
「海斗君それは!」
「腐っても俺の親父だ。家族の不始末は俺がつける。優しい姉貴には出来ないだろ。それに全線で闘うのは俺になる。なら俺が殺るべきだ」
「でも海斗君それは!!」
「姉貴!!」
「……」
「覚悟は出来てる。ナンバーズの面々にも伝えた。俺は今の状況を守りたい。工藤海斗としてでなく、ナンバーズのトップリヤンとして、親父の理論は間違ってる。ならそれを潰して、張本人を俺が殺る。それが姉貴、ブレイン様から任命された、リヤンとしての俺の仕事だ」
「海斗君……わかった。私はもう何も言わない。これだけは言わせて、ごめんなさい。本来お父さんは私が殺るべきだった。でも私にはその力がない」
「姉貴はそれでいい。そのままでいてくれ」
「でも、弟に全てを任せるなんて…姉として失格だよ」
「そう思ってるのは姉貴だけだ。俺は姉貴を誇りに思ってる。家族として、俺の地位の上にたってるブレインとしても」
「海斗君」
「姉貴が拭えないものは俺が全部拭う、それに例外はない。ナンバーズの面々には母さんの護衛を頼んである。姉貴には護衛は付けてあるから安心してくれ」
「そうわかった。ん?私に護衛なんかいるの?」
「当たり前だろ。姉貴はブレインでここの頂点なんだから、護衛なしにうろちょろさせれない」
「ちょっと!海斗君、それお姉ちゃん初耳なんですけど!?」
「言ってないからな」
「誰!?それって誰!?」
「言えない。それだと密かに護衛させてる意味がない。天才の頭で考えてくれ得意だろ」
「海斗君それ、私が研究や実験以外の事には頭が回らないのわかって言ってるでしょ!」
「わかってるじゃん。姉貴は天才で姉として自慢だ。でもそれは研究者、ブレインを名乗れる頭の良さからだ。姉貴の欠点は研究、実験それ以外は全然ダメダメで気にすらしないとこだよ。まぁ親父が攻めてくる時にわかるよ。じゃあ俺も準備して備えるから、そろそろいくわ」
「ちょっと海斗君!!」
◾ナンバーズとリヤンと敵対組織との戦闘が幕を明けた。




