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愛してる?!


すべてはあの日から始まったんだ。

ねぇ、キミは覚えてるかな?あの日を。


<突然の始まり>


「うぅ〜、今日は一段と寒いな」

そうしていつもどうり

駅へ向かって歩く。


駅について飲み物を買おうと財布から小銭を出そうとしたら、手がかじかんで財布を落としてしまった。

「あぁ、クソっ。」

少しイライラしながら拾い始めると、

「大丈夫?これ落としたお金ですよね?」


「あ、すみませ‥。」


その子は、お礼を言い終わる前にどこかへ行ってしまった。


一瞬の出来事とその子の可愛さに唖然としていると、後ろから

同じ中学の大川が

「おはよっ怜輝、なんでそんなとこに座ってんの?」

するとまた、同じ中学の

小宮が来て

「お前ら早くしないと、乗り遅れるぞぉ。まぁ、別に大川は、推薦だからいいけど。」


「そっ、俺はいいけど2人は受験生!さぁ急げ!」


あっ、俺の名前は、中田怜輝なかたりょうき中学三年生。

そしてこいつらが、大川優斗おおかわゆうと小宮力こみやりきみんな、あと1ヶ月で橘川学園の高校入試だ。

だから毎日、勉強漬けの日々を送っている。


今日も学校が終わりいつもの調子で駅へ歩いてると、

「そういえばなんで怜輝、朝あんなとこで座ってたんだよ?」

そう大川が聞いてくると

瞬時に小宮が

「どーせ可愛い子のパンツでも見ようと覗いてたんだろ!」


「ば、ばかそうじゃねえよ!!」(確かに可愛い子は居たけど……)


こうして毎日バカ話をして帰ってると、あっという間に入試の日になってしまっていた。


<再会>


受験する橘川学園は、

残念なことに今年の倍率がめちゃくちゃ高かった。しかも推薦枠で例年よりも多くの人が入ったので、さらに一般の枠が少なくなっていた。


「はぁ、小宮ぁ俺たち大丈夫かな?」


「お前、当日になってそういうこと言うなよ。き、緊張してくるだろ。」

試験開始10分前になり試験管の先生がやってきた。そしてその瞬間から空気が変わったのを俺は肌で感じた。


(……今まで必死で勉強したんだ!絶対に合格してやる!)


「試験は、50分間です。それでは初めて下さい。」

……………………………………「やめてください。これで試験は終了です。受験生の皆さんは気を付けて帰宅してください。」

そして最後の教科が終わり、ペンをしまおうとすると急に小宮が立ち上がり

「ちょっ、ちょっとウ●コしたいからトイレ行ってくっから先に正門行っててくれ。」

と早口で言い残し、落とした俺のペンを拾わず行ってしまった。

「ったく。ペンぐらい拾ってけっての!」


そんなことを1人で呟いてる間になぜかペンが机の上に置かれた。


「はい。同じ高校受けてたんだね。私、冬川雪香ふゆかわゆきか


ほんの少し、ホントに少しの間時間が止まった気がした。

「あ、俺は中田怜輝。この前はありがと。」


「別にお礼なんかいいよ。じゃあ友達待たせてるからまたね。私たち合格してるといいね!」


そう言い残して彼女は早足に教室を出て行った。

〈運命?!〉


受験が終わり勉強から解放されるとあっという間に卒業式も終わり合格発表の日がやって来た。


この橘川学園は合格発表とクラス分けが一気に行われる特殊な学校だ。


「も、もしかしたら俺この学校通えないかもしれないんだよな……。」

と2人そろって呟いた。

「えっと受験番号1425と1429は……怜輝が2組で小宮は6組だな。」


その瞬間俺たち2人は何を言ってたかはわからないが

とにかく喜びを分かち合ってた。


「その様子だと受かったんだね。」

ふと後ろから透き通るような声が聞こえた。

「あ!冬川さん!」

(なあなあ誰だよこの美人さん!大川知ってるか?)(いや!知らない。それよりなんで怜輝と知り合いなんだ!)

隣の2人がものすごい勢いで

秘密会議をし始めた。

全部聞こえてるけどな。

「これから同じクラスなんだから、『さん』なんていらないよ。怜輝くん。」

え?同じクラス?

その言葉を俺は疑った。「えっと冬川の受験番号って何番?」

ホントかどうかを知るには

直接見ないと信じられない!

少なくとも俺はそういう奴だ。

「1132だよ。怜輝くん私のことを信用してないな!」

彼女は少し機嫌を悪くしたのか

頬を膨らませている。

なんとも可愛らしい仕草につい見とれてしまった。

「あ!あった。同じ2組だ。」

その時は平然を装ったけど

顔にでてしまったのか彼女に

「顔がにやけてますよ−、怜輝く〜ん。」

「えっ、ウソっ!」

あまりの焦りように声が変になるほどだった。

「あはは、冗談だよ。おもしろいなぁ、怜輝くんって。」

彼女はそう言ったが本当のににやけてたかもしれない。

「ふぅ。もうこんな時間か、私これから友達と約束あるから、また明日ね。ばいばい。」

「そっか。じゃあまた明日な。」

少し残念な気持ちもあったが

どうせ明日から毎日会えるんだ。また明日話せばいいや。

きっと俺はこの時から彼女を

意識していたんだろうな。

<波乱の予感!?>


「怜輝くん、私ね。駅で会ったときから好きだったの。だから私と付き合って!」

まさかの告白。

「えっと…‥いいのか?俺なんかで…‥‥」

「‥…ん……たし……怜輝‥ん……好き……んだも………」

「え?なに言ってるか聞こえないんだけど。」

ドスッ。

なぜかわからないが頭と肘に急に痛みが走った。「痛い。………夢か…。」

その痛みと朝の日差しで目が覚める。

そしてふと時計を見ると、

「えぇ!!もう8時!?始業は確か35分で電車が11分のがギリギリだから………遅刻する。」

まさか初日から遅刻するなんてことはないよな。

きーんこんかんこーん

「な、なんとか間に合った。」

席に着くとすぐに冬川に話しかけられた。

「まさか初日からギリギリなんて先が思いやられるぞ。怜輝くん。」

「う、うるせぇな。いいんだよここ1番って時は早いから。」


そんな会話をしてると

担任であるだろう先生が来た。

「ほら、さっさと席に着いて静かにしろ。」


「あ−あもう先生来ちゃったよ。ぢゃあ私あっちだから、またね。」

そう言うと冬川は自分の席へと戻っていった。

「よし!いきなりだが委員長と副委員長を決める。あ−。ぢゃあ中田と夏本お前らでいいや。ちなみに男が委員長だからな。」


中田が委員長か……て俺!?

「「えぇ〜〜〜〜」」

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