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神の理想郷  作者: 霜月餅菜
神の理想郷
2/26

第壱話 生命の選択『龍』

2025/02/04 編集済み

〈いらっしゃいませ。今作品『神の理想郷』をダウンロードしていただき、誠にありがとうございます。私のことは『案内人』もしくは『AI』とお呼びください〉


 目を開くと、真っ暗な背景に文字が表示されている。

 文字が白緑色に光っていて、目に優しい。


〈『神の理想郷』についてご説明させていただきます。スキップしたい方は『スキップ』とおっしゃってください。…………それでは説明をいたします〉


 さすがに初見でスキップはしない。

 事前に公表されている情報も、今日公開された情報もあまり見れなかったから。


〈この世界は主に5つの種族が存在します。エルフ・クジラ・鳥・コウモリ・ヒト。

『エルフ』は魔法を扱うことができ、妖精や森と親和性があり、爽やかな空気を宿しています。

『クジラ』は楽器を扱うことができ、水や海と親和性があり、穏やかな空気を宿しています。

『鳥』は暗器を扱うことができ、精霊や空と親和性があり、静かな空気を宿しています。

『コウモリ』は血を扱うことができ、死者や地下と親和性があり、冷たい空気を宿しています。

『ヒト』は動物です。5種族はそれぞれ違う土地で暮らしており、エルフは『地上世界』に。クジラは『海上都市』に。鳥は『空中都市』に。コウモリは『地下世界』に。ヒトは地上の広範囲に。

 さて、どの種族を選びますか?〉


「……うーん」


 別にどの種族でも構わないっちゃ構わないんだけど。


「少し質問、いいですか?」


〈はい。構わないですよ〉


 どうやら音声認識にも対応しているようだ。


「どの種族が1番縛られなくて、自由を謳歌できますか?」


〈……返答に時間を要します。お待ちいただく間、好きなメニューをお選びください〉


 その文字を読んだ途端、真っ暗だった背景が明るくなり、目の前にメニュー表が現れた。


〔メニュー

 ・赤のおすすめ トマトジュース

 ・黄のおすすめ レモンティー

 ・青のおすすめ ウォーター

 ・緑のおすすめ 緑茶

 ・茶のおすすめ 烏龍茶

 ・白のおすすめ 飲むヨーグルト

 ・黒のおすすめ ココア     〕


 全部飲み物という斬新なメニューだった。

 どれにしようかな。


「『青のおすすめ ウォーター』を1つお願いします」


 カランカラン。

 何もない空間から、少し先にある机に頼んだものが置かれた。

 誰が置いてくれたかはわからないが、ありがたくいただくとしよう。


〈もう少々お待ちください……〉


 周りをよく観察する。

 『……』の文字の後ろに、小さく光る白緑色の球と、青色の球がふよふよ浮いていることに気づいた。


〔追加メニュー

 ・赤のおすすめ いちご

 ・黄のおすすめ バナナ

 ・青のおすすめ ぶどう

 ・緑のおすすめ マスカット

 ・茶のおすすめ キウイ

 ・白のおすすめ ナシ

 ・黒のおすすめ チョコ   〕


 気づいたら新しいメニューが追加されていた。

 デザートだけのようだ。


「『白のおすすめ ナシ』を1つください」


 この色の違いは何かあるのだろうか。

 とりあえず好きなものを頼んでいるけれど。


 コトン。

 空けていたスペースにお皿が置かれた。


「あれ……?」


 シャクシャクと食べながら、周りを見ていたら変化に気づいた。

 先程まで緑色と青色の球だけだったのが、白色の球も増えている。


 もしかして、メニューに関係しているのかも。

 ただもうお腹いっぱいだから、頼めない。


〈お待たせいたしました。精査しましたところ、解放条件が整いましたのでご紹介いたします。……先程ご紹介しました、4種族の上位種族が開放されました。

 エルフの上位種族である『ハイエルフ』

 クジラの上位種族である『シャチ』

 鳥の上位種族である『龍』

 コウモリの上位種族である『吸血鬼』です。

 ハイエルフは『魔術の向上』を、シャチは『芸術の向上』を、龍は『武術の向上』を、吸血鬼は『占術の向上』を担っています。

 さて、どの種族を選びますか? ……ちなみに最も自由を謳歌できるのは、龍族だとおすすめします〉


「なら、龍族で」


 親切な案内人らしい。

 質問した内容をきちんと返してくれた。


〈かしこまりました。では、転生を始めます。質問はありますか?〉


「……貴女のことを『あいちゃん』と呼んでもいいですか?」


〈――はい。貴女様が望むなら。……いってらっしゃいませ〉





〈…………必要な魂は、あと4人〉

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