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「ここが佑厘佳のクラスかな?」
一応教室の外から佑厘佳の姿を探そうと中を見渡してみる。
「どうしたの?」
教室の手前にいた子から声を掛けられた。
少し大人びた印象を受ける女の子だ
「あのさ、佑厘佳っているかな?」
「呼んできてあげよっか?」
そういうと、女の子は佑厘佳に声を掛けてくれた。
待っていると、嫌そうな顔をして佑厘佳がこっちにきた
「近寄らないでって言ったでしょ?なに?」
一応話は聞いてくれるらしく、嫌そうでも要件を聞いてくる。手短に終わらせたいだけかもしれないけど。
「あ、あのさ、佑厘佳彼氏とかいんの?」
言って思ったが、聞く順番間違えたかもしれない。これじゃ俺がチャラ男みたいな感じに相手に取られてしまう恐れが…
「はぁ?なに?いないけど、それをわざわざ聞きに来たの?」
「いや、違くて。間違えた。俺のこと嫌い?なんでそんなに避けようとするの?」
慌てながら本当に聞きたかった話を振る
「別にどーでもいいでしょ、あんたには」
「どうでも良くないよ!俺はまた佑厘佳と仲良くしたいんだ」
少し熱くなって声が大きくなってしまう。
「え?なになに?痴話喧嘩?」
「わざわざカップルで同じ高校受けたのかな?」
周りの視線が俺たちに集まる。流石に恥ずかしく、俺も佑厘佳も赤面している。
「と、とりあえず星と仲良くする気ないから!」
言うだけ言ってどこかに走って行ってしまった。
周りの視線が痛いので俺も自分のクラスに戻ることにした
「いや〜、しかし彼氏はいないらしいな!しょう!」
放課後の帰り道を俺は純と一緒に歩いている
「彼氏がいなくてもあんなに拒否されちゃうとな。そこまで俺が嫌いならもう近づかない方がいいかもな」
「星、諦めてもいいのか?」
「じゃあどうすりゃいいんだよ!?訳もわかんなく拒絶されてるのに!」
俺のためなのはわかるが、つい声を荒らげてしまった。
「でも好きなら何とかするしかないだろ?友達なんだから俺を頼ってくれてもいいんだぞ?」
「純…!怒鳴って悪かった。ありがとう!」
それから少し話しながら家に帰った