「……きついなぁ」
衝動的に書いたのですごく短いです。
「……きついなぁ」
「何が?」
つい洩れた言葉の意味を小学校からの幼馴染みの西宮が問う。
俺はそれらしい言葉を返した。
「期末試験のこと」
「あ~、なるほど」
学生にとって来る期末試験はきついの一言に尽きる。
一片の疑問も挟めないもっともな理由だ。
「でも木南、前の順位一桁だったじゃん」
西宮を挟んだ向かいの西宮の彼氏の日野の言葉に、ギリギリな、と返す。
「えー、そんなこと言っといて一学期からずっと一桁のクセにぃ~」
「そうそう。さすが秀才は違うわ~」
日野の言葉に西宮も便乗し、二人ともニヤニヤとこちらを見てくる。
それに俺も、まあお前らには負けんわ、とドヤ顔で返した。
すると二人もやいのやいのと返し、とても賑やかに帰路を進んでいく。
そして、
「あ、俺らここまでだから。またな! 木南」
「バイバーイ!」
「また明日」
並んで俺とは別の道に歩いていく西宮と日野に手を振る。
俺も帰路に着く、ことはせずしばらくその場に立ち止まる。
いつものことながらニガい。
でも日野のこともちゃんと好きだから、あいつは良い奴だから嫌えない。
だから、意気地無しの末路だと知りながらも、俺は未練たらしくぼやくことしかできない。
「……きついなぁ」
ありがとうございました。