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No.45 先輩という立場

三澤校長は満足そうに一度頷くと、軽く手を振った。


「玲音くんはね、呪術師との戦闘と、情報屋の仕事を学びたいそうだ。

申請はもう通っている。あとは……君たちに任せた!」


そう言い残し、三澤浩丈は踵を返した。

その背中は、あっという間に人の行き交う館内へと消えていく。


「……え?」


間の抜けた声を出したのは、鈴菜だった。


「え、ちょ、私たちは今初めて会ったし、

何かを引き受けるとも聞いてないんですけど!」


その横で、颯馬は特に慌てる様子もなく、肩をすくめる。


「まあ、三澤校長の無茶振りはいつものことだろ」


鈴菜が言い返そうとした、その前に。

颯馬はすっと玲音へ視線を向けた。


その空気に気づき、鈴菜は口をつぐむ。


「水内玲音くん、よろしく。

俺は加原(かはら)颯馬(そうま)

こっちは雪谷鈴菜」


颯馬はそう言って二人分の紹介をする。


「「君のことは少し知ってる。

鈴菜の一つ下で、俺はその一つ上だ」」


鈴菜は不服そうに颯馬を見る。

その鈴菜の視線を受け流し、颯馬は続ける。


「それで、俺は情報屋の仕事を教える。

で、呪術師との戦闘、魔法の使い方は――」


ちらりと鈴菜を見る。


「鈴菜、お前の担当だ」


「決定事項みたいに言うじゃん……」


予想通りの言葉を受けて呆れた様子の鈴菜に、颯馬はどこか楽しそうに笑った。


「適任だろ。

実戦慣れてるし、無茶もするし」


「それ褒めてないよね!?」


二人のやり取りを前に、玲音は一歩だけ距離を取ったまま、静かに立っていた。


「……よろしく、お願いします」


控えめに頭を下げるその姿を見て、鈴菜は一瞬言葉を詰まらせ、玲音を正面から見据えた。


「……わかった。

戦闘と魔法に関しては、私が見る。

一人前になるまで」


その言葉に、玲音はわずかに目を見開き――

小さく、しかしはっきりと頷いた。

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