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No.42 三大魔術家系

握手を解いたあと、梨亜はもう一度、本に視線を落とした。

ページを閉じるでもなく、先ほどとは違う場所に指先が止まる。

そのまま、何気ない調子でページをめくった。


本の後半。

系図と年表が並ぶ、見慣れたページだった。


「『三大魔術家系』って、結局いつも話題に上がるけど」

 

梨亜は肩をすくめる。


「『魔法使い』との直接的な関係は見つからない、で終わるのよね」


「ですよね」


即答だった。


玲音は少し身を乗り出す。


「『三大魔術家系』。

神坂家、三澤家、仲川家ですよね。

リアさんも、その神坂家」


玲音は早口にならないよう気をつけながら、話を続ける。


「『神坂家』は誰もが知る有名な家系。

呪術師との戦闘で名前を聞くのは、だいたい神坂家ですし。

前線に立つことも多いですよね」


梨亜は小さく頷いた。


「大体合ってるわね」


玲音は軽い調子で続ける。


「そして、『三澤家』は、逆に頭のいい家系っていう印象ですね。

魔術の研究とか理論とか。

戦えないわけじゃないけど、前線より裏方」


梨亜は一瞬だけ視線を伏せて、言葉を続ける。


「……それに、ちょっと黒い噂もついて回る」


「ありますね。

真偽不明だけど、妙に消えないやつ」


二人の視線が、同時に本に落ちる。


「そして……最後が、『仲川家』。

正直、一番謎の家系ですね。

戦闘後の街を直してるイメージで、

だから権力は低そう、って思われてるだけで。

リアさんは何か知ってますか?」


「それが私も、修復の家系、っていう印象しかないわ。

神坂家としても、調べられる範囲では、出てくるのは一般的な情報ばかりよ」


梨亜はお手上げという様子で首を振る。


「それか、本当に何も秘密のない家系なのかもしれないわね」


玲音は頷く。


「三大家系って言われてる割に、見え方はかなりバラバラですよね」


「そうね」


梨亜はページを閉じた。


「だからこそ、

『魔法使い』はどこにも当てはまらない」


玲音は一瞬、考えてから、ゆっくり頷く。


「……なるほど」


軽い雑談のはずなのに、

その一言が、妙に胸に残った。

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