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NO.24 告げられた予兆

2人から離れた安全な場所で、

神坂という名の女子は身体検査が終わって、事情聴取を受けていた。


事情聴取をしている魔導大図書館のスタッフが、顔を曇らせる。

「……今聞いた限りだと、外へ出歩くのも危険かもしれません」

「え、それはなぜなの」

彼女は状況が飲み込めない様子で、驚いている。


「それは……あの神坂家の方ですし、あなた様の身を案じての忠告にはなります」

スタッフは理由は話さず、話を逸らしてそう言った。

その後、彼女が何度理由を聞き出そうとしたが、スタッフの口は固く、答えは聞けずにいた。

理由をどうしても知りたがっている彼女を見兼ねて、第三者から声がかかる。


「なぜ理由を知りたいのですか?」

彼女の後ろから声が聞こえる。

振り向くと、声をかけた鈴菜と玲音がすぐ後ろに来ていた。

彼女は質問に真剣な顔で答える。


「外が出れないと魔高に行けなくなるじゃない」

鈴菜は目を見開く。

それは、自分とは対照的に授業へ前向きだからか、

彼女の目が別の目的があると感じさせたからか、

その感じ取ったものが鈴菜を促した。


「それなら、外へ出られないのは困りますね」

鈴菜は目を伏せてふっと笑い、そう言う。

そして、真剣な表情で彼女へ続けて話す。


「神坂さん、外出するのが危険なのは嘘じゃないです。

魔法師には一部の人間が使える魔法があります。

それは『魔力感知』というものです。

どういうものかというと、離れた距離に居る魔法師、呪術師を特定できるというものです。

たぶん、それで“見た”から、外出しない方がいいということなのでしょう」

鈴菜はちらっと、固い表情のスタッフを見る。

スタッフは鈴菜と目が合うと、驚いた表情で何度も頷く。


「それが……何の理由だと言うの?」

彼女は眉をひそめて、続きを促す。

鈴菜は彼女に視線を戻し、口を開く。


「その『魔力感知』、私も使ったのですが、神坂さんから魔法の予兆があります」

「魔法の予兆……?」


「はい、魔法の予兆、つまり魔法師になりかけています」

「……私が?」

彼女は目を見開き、複雑な感情をした顔で、黙り込む。

鈴菜はその様子を見る。

一度魔力を込め、瞬きをする。

現れた瞳は水色の光を浴びており、彼女を再度“見て”も、やはり魔法の予兆を感じ取れた。

また瞬きをすると、元の目の色に戻っていた。

鈴菜はタイミングを見て、続きを話す。


「そして、これは魔法師にとっての常識なのですが、呪術師には、魔法師になりかけている人に寄ってきやすいという性質があるんです。

なので、外出には危険が伴うかと」

「だから、さっき別れた後なのに助けに来てくれたのね」

彼女は、魔力感知をして急いで駆けつけたであろうことを想像し、納得するような表情で、鈴菜を見る。

その視線を受けて、鈴菜は気まずそうに目を逸らす。

その代わりに横にいた玲音が顔を出して答える。

「そういうことです!」


彼女は意外にも面倒見の良さそうな穏やかな表情で、玲音を見て頷く。

ただ、彼女はまた難しい表情になり、考えるように続ける。

「……けれど、神坂家でも、そんな呪術師の性質の情報なんて聞いてないわ」


神坂家についても詳しい玲音が言う。

「神坂家はどちらかというと、魔術師が多いですし、魔術に強い家系ですから、魔法師の内部的な情報は入ってこないのかもしれないですね」


横で鈴菜がへぇーと相槌をうつ。

玲音の言葉を聞いた彼女は、より深く考え込むような体勢をとった。

それを見兼ねた鈴菜が話はまだ終わってないというように、再度口を開く。

「それで、外出には危険が伴うのですが、

神坂家ならボディーガードはいると思うのですが、ボディーガードはどちらに?」


その言葉を聞いて、少しどう答えるべきかという顔をし、彼女は答える。

「……しばらく別のことをやってもらってるのよ」

明らかに濁して言った言葉を、鈴菜がそれ以上突っ込むことはなかった。


「それなら、私がボディーガードをやりましょう」


鈴菜の言葉に彼女は驚き、目を合わせる。

「学校にいる間は、どうあがいても魔法師たちが駆けつけるのは遅くなるでしょうし、

あと、魔高の風紀委員ですからね。

学生の安全は私に任せっきりですし……あの校長め」

最後は特定の人物に悪態をつきながらも、鈴菜はそう言って提案する。


彼女は少し迷う様子を見せる。

だが、ふと数時間前のあの恐怖を思い出す。

それが決め手となり、彼女は鈴菜の目をまっすぐ見てこう答える。

「よろしくお願いするわ」


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