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NO.18 防御の壁

「そういうことなら行きます。アヤちゃんはここで――」

「わたしも戦う!」


鈴菜と菖蒲は無言で目を合わせる。

どちらも真剣な目をして、それぞれ訴えかけるかのように無言が続く。

沈黙を破ったのは鈴菜。


彼女は目を閉じ、ため息をする。

頼もしさと心配が入り混じった表情で、もう一度妹の顔を見て応える。

「……わかった、行こう」


「それでは先生、またあとで」

「ええ。くれぐれも私の仕事を増やさないでね」


姉妹のやり取りが終わった後を見計らい、

玲音は医務室の先生にそう告げる。


三人は医務室の先生に見届けられながら、ゲートの方へ駆け出す。


――


先頭を走る玲音が、幼い菖蒲を背に抱えながら走っている。

彼は声を張って後方の鈴菜に話しかける。


「呪術師が三体。手伝いに来て正解でしたね!」

「うん、そうだね」


玲音の後ろで鈴菜が小型銃を構え、呼吸を整えて魔術を起動させる。

菖蒲は振り落とされないようにしがみつきながら、

後方の鈴菜の方に心配そうな顔を向ける。


「スズ姉、無茶しちゃだめだよ?」

「やっぱりアヤちゃんは――」


「わたしは後ろからサポートするだけ。スズ姉みたいに無茶はしないから!」

「……私はまだ何も言ってないのに」


鈴菜は菖蒲に再度折れることになった。

玲音が姉妹の会話を聞いて笑う。

「これではどっちがお姉さんか分かりませんね」


戦場が目前になり、八人の魔術師たちが三体の呪術師と交戦している場面が目に入る。

玲音が緩んだ気持ちを引き締めて言う。

「あと少しで現場に着きます!」


「一体だけ私たちで引き受けよう」

鈴菜はそう言い、玲音と視線を交わす。


「僕らが一体抑えます!」

玲音が周囲に声をかけ、足を止めて菖蒲を背から降ろす。

先に鈴菜は走りながら、魔術を込めた銃を連射。


一体の呪術師の注意が鈴菜に向き、反撃の術が飛ぶ。

鈴菜が一人応戦しているのを横目に、玲音がすばやく振り返って言う。


「アヤメちゃんは、この位置から支援を!」

「わかった!」


玲音は頷き、前線へ走って向かう。


菖蒲は一定の距離を保ち、目を閉じ、支援魔法の準備を始めた。

少女の足元から、風と光が流れ出す。

淡いピンク色の光がきらめき、背後からシャボン玉のような球体が不揃いな大きさでいくつも現れる。

少女は目を開き、呪術師へと照準を合わせる。

茶色をしていた瞳が、淡い桃色に変化している。

狙いを定め、背後の魔法弾が放たれる。


半数以上、呪術師に命中し、呪術師が悲鳴を上げる。

呪術師は少女へ反撃を仕掛ける。

鈴菜は後方を向き、声を張り上げる。

「レノ君!」


鈴菜から一歩引いた場で、すでに魔力を練り上げていた玲音が飛び出す。

「アヤメちゃん、前失礼するね!」


頷く菖蒲の前に立ちふさがり、両手をかざして展開した魔法陣が輝きを放つ。

次の瞬間、呪術師の術が直撃し、爆ぜた煙が二人を包み込んだ。


鈴菜は息を呑み、煙が晴れるまで後方を見続ける。

やがて、煙の向こうに立つ二人の姿が現れた。


無傷のまま立つ二人の眼前には、淡く黄色に光る防御の壁――

すなわち、バリアが張られていた。

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