表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/57

NO.13 中庭の邂逅

― 数日後


鈴菜は魔高の廊下を歩きながら、独り言をつぶやく。


「今日は頑張ってるな、私。三限も授業に出たなんて快挙だよね」


魔術で物を動かす授業、魔術を発動させやすい本を使った授業、そして基本魔術の授業――今日は盛りだくさんだった。


その日の授業をすべてこなしたことで、鈴菜の気持ちは少し軽くなっていた。


今は昼放課の時間。彼女はいつものように魔高の中庭へと向かう。


(……食堂とか人が多いところに行ったら、「魔法師だ」って避けられそうだし)


鈴菜が中庭を訪れる理由は静かだからというだけでなく、自分の立場を意識してのことだった。



ガラス扉を開け、中庭に出ると、程よく暖かい風が鈴菜を包んだ。


その風を感じながら、鈴菜は木陰の定位置に腰を下ろし、足を伸ばして弁当を広げる。


「いただきます」


弁当箱は二段型。一段目にはぎっしり詰まった白米、二段目には彩り豊かなおかず。


(おいしい……弁当作りにも慣れてきたな)


自作の弁当を味わいながら、鈴菜はほっと一息つく。この静かな時間が彼女の癒しだった。


昼食を終えると、芝生の上で仰向けに寝転がる。


「……ふぁ」


控えめにあくびをして、彼女は自然と眠りについた。



授業開始十分前のチャイムが遠くから聞こえ、鈴菜は目を覚ます。


(……そろそろ見回りに行こうかな)


ガラス扉へ向かい、扉に手をかけたその時、鈴菜の動きが止まる。


扉の奥――廊下に立っていたのは見知らぬ女子生徒三人組だった。その真ん中にいる一人が鈴菜をじっと見つめている。


「はじめまして、魔法師さん?」


挑発的な響きを含んだその言葉に、鈴菜は身構える。


だが、すぐに冷静さを取り戻し、静かに返した。


「……はじめまして。魔術師さん」


二人の間に張り詰めた緊張感が漂う。中庭の木々が揺れ、光と影が彼女たちの顔に陰影を与えていた。


そよ風が鈴菜の髪をなびかせ、静かな中庭に新たな波紋が広がる予感を残した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ