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―WizardRye― 〜灰だらけのシスターと酒まみれの冒険者〜  作者: しいたけ
棺の山のクリスタと堕ちた男
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戒律を超えし作戦会議

 酒場は異様な空気に包まれていた。


 急遽集められたメンバー。その面々から事の重大さが覗えた。


 リーダー。リース。エル。フェリー。グレイ。カリン。ロード。


「で、何事なんだ?」

 リーダーが口火を切る。


 エルは無言のまま、バリテルの鎧に貼られた紙を机へと置いた。


「……早速か」

 リーダーは深いため息をついた。

「犯人の目星は?」

 リースが問い掛けるが誰1人として心当たりが無かった。


「選択肢は3つだ」

 エルの言葉に全員が耳を澄ませる。


「1つ、9階へ行って犯人を叩きのめす。9階に居るくらいだ。犯人は相当な実力者だろう。俺達もタダじゃ済まない」

「2つ、犯人が再び誰かを襲撃しに来たところを叩く。これは9階まで行く必要が無いが、面倒そうだ」

「そして3つ、一切を無視する。襲われる方が悪いと言う考え方だ」


 全員の顔を見た後でエルは更に話を続けた。


「犯人の狙いは、この禁呪の書だ。コイツが姿を現して直ぐにバリテル達が襲われた」


 そこまで話して、ようやくグレイが口を開いた。

「そいつを渡すのはダメなのか?それが狙いなんだろう?」

 その答えにエルは首を横に振った。


「そいつは無しな話だ。禁呪はその力とリスクから、この世に存在してはならない歴史の闇だ。渡すくらいなら燃やすさ」


 首をボリボリと掻くリーダー。難しい顔を止め素直に問う事にした。


「すまん、呪文を使えない俺からしたら、そいつの何が恐ろしいのかよく分からん。恐らく他の奴等もピンと来てないだろう。何せ禁呪の書自体が眉唾物だからな」


 エルは少し悩み、考えながら話し始める。


「これ。これに書かれているのは普段俺達が使っている蘇生呪文とは別の方法で蘇生させる呪文だ」


「普段はダンジョン内に散った『魔』を蘇生呪文でかき集め、肉体を一時的に魔力で再構成する。そして肉体を定着させるころに魔が切れて再び肉体のみに戻る。ここまではいいか?」


 リーダー以外の全員が首を縦に振る。

 リーダーは首を捻りつつも「何とか……」と理解を示した。


「そして、こいつは術者やダンジョンの『魔』を使って、対象の『魔』や『肉体を』形状記憶する呪文なんだ。戦闘で欠けた肉体や魔を、術者やダンジョンの力を奪いながら復活させる。当然術者はやがて死に居たる……」


「それの何がダメなんだ?」

 リーダーの言葉にエルは――

「この呪文を誰かに使わせれば、自分は死ぬことが無くなる。若しくは死ねなくなった奴等でダンジョンが溢れかえるだろうな。そこら中がゾンビの山さ」


「よく分からないが、エルがそこまで危惧するのはよく分かった。俺は力を貸そう」

 リーダーは立ち上がりエルの肩を叩いた。

 その心にエルは当然といった感じの顔をしたが、内心嬉しく思っていた。


「皆はどうする。出来れば力を貸して欲しい……。勿論無理強いはしないし、地下9階だ。俺も行ったことは無い」


「オイラは行くよ!」

「エルの取り分くれるなら行くわよ」

 2人がエルの側へとよる。


「ふふん、面白そうだな。俺も行こう!カリンお前も来いよ」

「……いいわよ」


「皆、ありがとう……」

 エルは深々と頭を下げた。


「なあ、1つ気になったんだが……」

 リーダーが口を開いた。


「どうしてそこまで禁呪の書の事を気にするんだ?」

「そう言えば……そうねぇ。何か怪しいわね~」

 リースもそれに同調する。


「……俺の人生の目標の1つに禁呪の書の破棄があるんだ……。これは師匠との約束でな。詳しいことは無事帰ったら話させてくれ」


「分かった」


 その場で解散となり、明日、ダンジョンへ向かう事となった。

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