地下迷宮のガンマン ③
「……警報です」
クリスタの罠の識別が終わると、エリカが真っ先に口を開いた。
「オープンしましょー!」
「待て、警報の種類次第ではマズいことに――」
しかしロードが止める前に既に宝箱の蓋がエリカの手で開けられていた……。
「おい!人の話を聞け!」
「ソーリーね!開けてしまいました~」
蓋が開いても宝箱からブザー音が鳴ることは無く、中から静かに魔方陣が現れ、一同の注目を引いた。
「旦那、これは?」
「ちっ!!このエリアには居ない何か来るぞ!!全員引け!」
ロードの指示に従い、少し離れた場所から様子を覗う。
魔方陣はクルクルと回りながら、薄気味悪い緑色の光を放つ。
ピタリと急に止まると、魔方陣の中からゆっくりと黄色いドラゴンが現れた!不揃いな牙を剥き出しに、口から白煙が上っている。
「だ、旦那……」
「見たこと無いタイプだ。俺がやる、危険そうなら逃げるぞ」
「神よ……」
ドラゴン? 1
ドラゴンは口を閉じ、頬を膨らませた!
「飛べ!何か吐くぞ!!」
ドラゴンはその口から勢い良く黄色い液体を噴射した!
ロード、カズハが間一髪で避ける!
「ぎゃああ!!」
悲鳴を上げたのはエリカだった!
何とエリカの脚にかかった液体は、エリカの肉を溶かし骨だけにしていた!!
想像を絶する痛みと衝撃にエリカは意識を失った!
「クリスタ頼むぞ!!」
ロードの声にクリスタは怯えた表情で頷き治癒の詠唱へ入る。
ロードが槍を構えドラゴンへ向かうと、己の皮膚に違和感を感じ慌てて引き戻った!
何と、ロードの顔の皮膚がただれているではないか!
「旦那!どうしたの!?」
カズハが心配そうに駆け寄ろうとする。
「来るな!近寄ると皮膚がやられる!」
その言葉にカズハは急停止した。
「クリスタ!まだか!!」
「……あと少しです」
エリカの脚は指先を残し治癒が終わっていたが、溶けた服や靴は戻らず膝から下が露わになっていた……。
「くそ!次来るぞ!!」
ドラゴンの頬が再び膨らみ始めた。
ドゥン!!
ロードの側を何かが通り過ぎ、ドラゴンの頬へ命中した!
ドラゴンの頬に穴が空き、ドロドロと液体が溢れ出す。
「……とっておきネ……」
後方で治癒を受け、意識を取り戻したエリカが、最新式の銃を構えていた。
「全員撤退!!」
ロードはエリカを抱え、階段への道を走り始めた!
その後ろを怒りに満ちたドラゴンが追いかけてくる!
「旦那!大丈夫!?」
「ああ、後で治すさ!」
「ゴメンナサイよ……」
エリカはロードの腕の中で申し訳なさそうな顔をしていた。
「気にするな。全員無事で帰れればそれで良しだ」
ロードは笑って見せた。
もうすぐ階段と言うところで、前方から巨人の群れが現れる!
挟み撃ちの形になったロード達に退路は無い!やるかやられるかの究極の二択を迫られることとなったのだ!!
「ドラゴンは俺が食い止める!そいつらは任せたぞ!」
「へへ、任せてよ!」
カズハは刀を抜いた!
ジャイアント 5
スネークメイジ 2
ロードは素早くエリカを降ろすと、ドラゴンへ向かう!
「やるか……」
ロードの口から呪文の詠唱が聞こえ始める。
しかし、それは幾多にも重なって聞こえ、まるで同時に複数の呪文を詠唱しているかのようだった!
「禁呪『ポリフォニックスペル』!!」
《沈黙》《幻惑》《加護》《障壁》《鋭力》
ロードの五重奏が辺りを包む!!
スネークメイジは詠唱を阻害され、モンスター達はロード達の姿を捉え辛くなった!
そしてロード達の周りにあらゆる状態異常を防ぐ霧と攻撃を防ぐシールドが現れ、武器は鋭さを増した!!




