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―WizardRye― 〜灰だらけのシスターと酒まみれの冒険者〜  作者: しいたけ
棺の山のクリスタと堕ちた男
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禁呪の書

「お前ら……相変わらず趣味が悪いな」

 ロードは突然の招かれざる訪問者に難色を示した。

「お嬢ちゃんと会うのは2回目だな」

 クリスタは控えめに会釈をした。


「へへ、ついでによ。もう一つ風の噂とやらを聞きたいんだが」

 エルは相手の返答を待つこと無く、窓から寺院の中へと入った。

「禁呪の書……聞いたこと無いか?」

 禁呪と聞き、眉がピクリと動いたロード。


「何それ?オイラ初めて聞いたよ?」

 フェリーは首を傾げた。


「そっちの旦那は知ってそうな顔してるぜ?」

「……………………」


()()()()()――」

「はいはい、いいよもうそれで」


「風の噂では城に2冊あったらしいが、ワーナーに盗られたらしい……」

「!?」

 想定以上の答えに、エルは思わず声を上げそうにる。


「禁呪の書って1冊じゃなかったのか……」

「噂ではな」


「その本には何が書かれているのですか?」

 いまいち自体が掴めないクリスタは率直な疑問を投げかける事にした。


「真面目に努力するのが嫌になる様な()()()呪文だよ。お嬢ちゃん」

「……私はお嬢ちゃんじゃありませんが?」

 クリスタは顔色を変えること無く不快感を露わにした。


「そいつは失礼」

 エルがすかした態度で応える。

 リース不在で回復職が乏しい状態にも関わらず、険悪な雰囲気になってしまうのは、2人の性格が合わないからだろう……。


「話しを本題に戻すが、俺達と一緒に地下10階へ行く気は無いかい?」

 エルは断られる事を承知した上で尚誘ってみせた。


 クリスタはロードへと顔を向けた。


「実力だけならこの街で一番だろう。ただ、性格に難有りだ」

 ロードの答えにクリスタが頷く。

「ええ、私もそう思います。残念ですがお断りいたします。すみません……」

 控えめな笑顔の裏に、拒絶が色がはっきりと現れていた。


「そうかよ、好きにしな……」

 エルとフェリーは来たときと同じように窓から出て行った……。



「……良かったのか?多分本気を出せばあっという間に行ける奴らだぞ?」

「私は、私の納得できるやり方で進みたいんです……」

 クリスタは俯いたまま答えた。


「それが何なのか、まだ分かりませんが……」





「くそ!お高くとまりやがって……」

「でもどうするの?プリーストが居ないと、いつまでも下層を探索できないよ?リースはいつ帰ってくるか分からないし……」


 イライラしながら路傍の小石を蹴飛ばした。

 小石は数回跳ねた後、酒場の壁に当たり動きを失う。


「リーダー!そろそろ本気でダンジョンを攻略しないか!?」


 酒場で剣の手入れをしていたリーダーは2人を見た。


「何か触発された様だな」

「ヤツらより先に最下層に行く必要が出来た。最下層、地下10階にワーナーと呼ばれる大魔術師が居るらしい。こいつが諸悪の根源だ!」


「で、そいつを先にぶちのめすと……?」

「いや、先ずは禁呪の書を奪う」

 エルは椅子に腰掛けると、指先で机をコンコンと叩きながら概要を説明しだした。


「風の噂ではワーナーは不老不死らしい。それに禁呪まで使われたら俺達に勝ち目は無いだろう。だから先ずは禁呪の書を奪い、ついでに本当に不老不死かどうか確かめる」

 エルは鼻息荒く持論を展開すると、酒をオーダーし椅子に深く腰掛け直した。


「エルがそこまでやる気になるなんて珍しいね?禁呪ってそんなに凄いの?」


「ああ!そうともさ! 知の財宝としては最高峰!最上級だ!何としても手に入れてやるさ!」

 エルは拳を握り締めた。


「なんにせよ、プリーストの確保が第1優先だがな……」

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