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―WizardRye― 〜灰だらけのシスターと酒まみれの冒険者〜  作者: しいたけ
棺の山のクリスタと堕ちた男
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過去の栄光を求めて ④

  リーパーバニー 8

  ハイオーク   6

  オークメイジ  7

  ゴブリンナイト 6


 ロードは跳びかかってきた先頭のウサギを軽やかに躱すと、足を掴んで荒々しく地面に叩きつけた!


 続け様に首と腹を斬り裂く様に、ウサギが二匹飛んでくる。

 右足で腹のウサギを上に蹴り飛ばし、首のウサギを上げた右足の踵落としで地面に沈める。


 壁や地面に叩きつけられたウサギはピクピクと痙攣し、白目を剥いて絶命した。そのウサギの頭を棍棒で潰したハイオークは、棍棒に着いた血を舐め、ニタリと笑ってロードへと棍棒を振り下ろした!


「……ゴォォ」


 醜い太い声と共に振り下ろされた棍棒は地面を打っていた。


「シッ!!」


 ハイオークを肘をへし折る。骨の折れた感触が彼の足へと確かに伝わる。


「もらうぞ」


 力の入らないハイオークから棍棒を奪うと、フルスイングで首の骨をへし折った!!


「素手よりはマシってとこか」

 ロードは敵の群れへと突き進む!


 詠唱の構えを見せるオークメイジ。しかし彼はそれより先に沈黙の呪文でそれを邪魔する。


 そこから先は一方的な虐殺ショー。

 クリスタは後ろで指を加えて震えながら祈る事しか出来なかった……。


(……私は、助力を仰ぐ方を間違えたのでしょうか? 彼の血に塗れた姿はまさしく悪魔! おお、神よ!!彼を救いたまえ!)



 クリスタは妙な暖かさと息遣いに気が付き、目を開けると……そこには片目を失い意識朦朧としたオークメイジが一匹前に居た!


「おっと、お前の行き先はこっちじゃないぜ」

 後ろには血に塗れ、顔中真っ赤に薄ら笑いを浮かべる悪魔(ロード)がいた。

 ゴブリンナイトの持っていた剣でオークメイジの首を刎ねると、ガクリと膝を着き息絶えた。




 静寂が事の終わりを伝えると、ロードは魔物達が落とした宝箱をかき集め始めた。その殆どは血で赤黒く染まっており、悍ましさを醸し出していた。


 そして集め終わると、震えるクリスタの前に宝箱を1つ放り投げた。


「魔物を殺して宝頂く。ここはそういう所なんだよ。綺麗事は一切無い。さあ、お待ちかねの開封作業に入るぞ」


 ロードは『鑑定』も『解錠』もせず、いきなり宝箱を開け放った!

 中から毒矢が飛び出す!


 ロードは訳もなく毒矢を掴み止めると、地面へ捨てた……。


 続けて宝箱を開けると中から石礫が飛び出すが、先程同様に難無く素手で止めてしまった。何とも野蛮な方法だ。恐らくは彼にしか出来ない筋肉解錠だろう。


「地下3階程度の罠、何てことは無い」

 ロードは戦利品をかき集め、クリスタの前に座った。


「さて、最後の1つだ。いいか、これはお前さんが開けるんだ」

 クリスタの顔が再び恐怖に染まり始めた。


「俺は不思議に思ってたんだ。蘇生に時間はかかる。そのくせ金は取らない。かと言ってダンションで金稼ぎするかと思えば地下1階で苦戦する……。闘いながら考えたんだが、お前世間知らずだろ?」

 クリスタは、目の前に居る悪魔が自分の内側を食い破ろうとしている事に気が付く。


「自分で言って何だが、地下3階で護衛料金1000Gは高すぎる。何故かって?……ドロップアイテムが安すぎるんだよ」


 ロードが指差した先には安物のアイテムが積まれていた。恐らく1000Gはいかないだろう……。


「今のお前の命はこれよりも軽い」

 ロードは片目を失ったオークメイジの首を掴むと、後ろへ放り投げた。クリスタは思わず眼を閉じてしまう。


「足りない護衛料の分はお前の行動で示してもらう」

 ロードは目の前の宝箱をコンコンと指で弾いた。


「……あ……あ」

 クリスタは言葉にならない声で、宝箱へ手を伸ばした。

 この宝箱を開けないと、きっと私も同じように殺される……クリスタの心は恐怖で支配されていた!


「死ななければ治してやるよ。……3時間くらいかけてな」


「…………かみよ……」


「ああ。悪魔と言う名の神が居るぞ?……開けろ」


 クリスタは宝箱に手をかけると、力の限り眼を閉じてフタを開けた!




 ……?


 クリスタが恐る恐る眼を開けると、宝箱の中身はカラで罠もかかっていなかった。

 クリスタは安堵で緊張の糸が切れ、その場に倒れてしまった……。


「あ~……少しやり過ぎたか? まぁいい。多少は薬になっただろう。後はコイツが馬鹿で無い事を祈るだけだな」


 ロードはドロップアイテムを袋に詰め背中に背負うと、クリスタを抱え歩き始めた。

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